文:神保勇揮
紙面がなくてもPCとスマホがあれば閲覧可能
長野県の地方紙、信濃毎日新聞は、同県で行われる国内最大級の花火大会「諏訪湖祭湖上花火大会」を筆頭に県内の多くの花火大会が中止になったことを受け、諏訪湖祭湖上花火大会の開催予定日だった8月15日に合わせた広告特集企画として「実験 ARおうち花火大会」を同日の朝刊誌面に掲載した。
AR花火の楽しみ方は、新聞を壁に貼って誌面左下にあるQRコードを読み込んだ後、スマホを新聞に向けると紙面の諏訪湖上に花火が打ち上がり、花火の音と音楽が流れるというものだ。
さらに「実際のところはどうなるの?」と気になる人は、以下に「ネタバレあり」の紹介動画を埋め込むのでこちらをご覧いただきたい。
なお、紙面を持っていなくてもPCとスマホがあれば、
①公式サイトに表示されたQRコードをスマホで読み込む
②PC上で「ディスプレイで会場写真(ARマーカー)を表示する」と書かれた箇所をクリックし、紙面のPDFを表示もしくはダウンロードして表示させる
③表示されたPC画面にスマホをかざす
という手順で同様に花火と音楽を楽しめる。もちろん、PDFを印刷して壁に貼るのもOKだ。
今回の取り組みを実施するにあたって、長野市の花火師の男性は
「例年は飯田市の「水神橋納涼花火大会」や「飯田時又灯ろう流し」、諏訪市の「諏訪湖祭湖上花火大会」などの大会や行事で上げる花火の準備で忙しい時季ですが、今年は9月ごろまで、例年通りに開催される花火大会や奉納煙火がない状況です。花火が打ち上がるとなれば人が集まり、密集を避けるのが難しくなるので、今はどうしようもないのだと受け止めています。
そうした状況ですが、6月には新型コロナの終息を祈って全国の花火業者が一斉に花火を上げた「Cheer up!(チアアップ)花火プロジェクト」に参加し、飯田市病院の近くで打ち上げました。ハート型や笑顔のマーク、医療従事者の皆さんへの感謝を表す青色の花火などを用意し、「頑張れ」との思いを込めました。飯田市の夏祭り「飯田りんごん」が開催される予定だった8月8日にも、サプライズで花火を打ち上げました。
今年は事前にあまりお知らせができないので、家の軒先やベランダからの観覧になってしまうと思います。ですが、花火は上を向いて見るもの。暗いニュースばかりですが、少しでも気持ちも上向きに、晴れやかになってもらえたらいいなと思っています」
とコメント。信濃毎日新聞も「残念ながら中止となってしまった多くの花火大会の代わりだけではなく、新しい生活様式や働き方が求められるNew Normal時代におけるイベントの新たな楽しみ方を感じていただける紙面にしたいと考えております」としている。
先述の通り、たとえ紙面を持っていなくてもPC・スマホがあれば10月14日まで公式サイトの閲覧ができるので、家族との食事やちょっとした少人数でのパーティなどに持ち込めば盛り上がるかもしれない。ぜひ試していただきたい。