文：武者良太
道が混んでいても料金は変わらず
タクシーは便利な存在だが、目的地につくまでに料金がわからないという問題点があった。悪意あるドライバーがわざと遠回りして、本来よりも多くの料金を請求されるといったケースも度々あり、敷居が高いと感じてしまう人もいただろう。
現在の日本はインバウンド需要が高まってきており、日本のタクシーに慣れていない利用者も増え続けている。そこで10月25日、国土交通省はタクシー運賃の事前確定運賃サービスを認可。タクシー配車アプリを使った場合、送迎場所（出発地）と目的地をセットすると、地図上の走行距離・曜日・時間帯によって確定した運賃がわかるようになった。
実施事業者は約200社・約2万台。実施地域は札幌、東京、横浜、長野、名古屋、大阪、京都、神戸など27地域からのスタートとなる。
それにともない、S.RIDE、JapanTaxi、スマたく、MOVのタクシー配車アプリが事前料金確定サービスに対応。S.RIDEを使ってみたところ、メーター換算による料金と比較して、道が空いていたならば多少高い金額になるかと感じたが、混んでいたならば確実に安い料金を提示された。
終電を乗り過ごし、見知らぬ駅から自宅にタクシーで帰るときの料金もわかるし、クレジットカード決済だから手元に現金がなくても大丈夫。もし想像以上の運賃が提示されたならば、近隣の24時間営業店までタクシーを使えばいいだろうし、タクシーそのものをよりお手軽に利用したくなる施策ではないだろうか。
なおS.RIDEはグリーンキャブ、国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブの5社・1万台以上が利用できる、東京最大級のタクシーネットワーク。まずは国際自動車、大和自動車交通のタクシーのみのサービス提供となるが、グリーンキャブ、寿交通、チェッカーキャブも2019年度中に事前確定運賃サービスを開始する予定となっている。