CULTURE | 2019/07/25

環境に優しいはずが…。金属製ストローが60歳女性の目に突き刺さり、死亡する事故が発生

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文:岩見旦

海洋を汚染するプラスチックごみ問題が注目を集め、プラスチ...

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文:岩見旦

海洋を汚染するプラスチックごみ問題が注目を集め、プラスチック製のストローの廃止する動きが世界中で進んでいる。スターバックスやイケアなどでは扱いを中止し、カリフォルニア州やシアトル市では規制する条例が施行された。

その一方、プラスチック製の代わりに登場した金属製のストローによる事故が発生している。

転倒した60歳女性、金属製のストローが脳に刺さる

USA TODAY』によると、当時60歳のエレナ・ストラザーズ - ガードナーさんは、昨年11月22日、イギリスのブロードストーンの自宅で、蓋に金属製のストローが刺したガラス製の瓶「メイソンジャー」を持っていた時、転倒。約25センチの金属製のストローが左目の眼窩を貫き、脳に達したという。

事件が起きた時、自宅にいたエレナさんのパートナーであるマンディ・ストルーサーズ・ガードナーさんは、エレナさんがうつ伏せで、奇妙な唸り声をあげていることに気付いた。すぐに救急車を呼んだが、エレナさんは翌日病院で亡くなったとのこと。死因は外傷性脳損傷だ。

エレナさんが倒れた原因は分かっていないが、エレナさんがプロの騎手だった21歳の時、落馬事故に遭ったことが原因で、転倒することが多かったという。

マンディさんは『Telegraph』に「エレナや子供、足に障害を抱えている人など、動くことにハンディキャップがある人にとって、金属製のストローはとても長くそして固いです。死ななかったとしても大きな痛手を負うでしょう」と訴え、「エレナがいなくて寂しい」「あまりにも早い別れで、このようなことが他の人にも起こらないことを願っています」と語った。

検死官も「金属製のストローを使用する際は細心の注意を払うべきであり、蓋でストローを固定してはならない」と注意喚起を行った。

障害者にとって問題点の多い代替ストロー

かねてから障害者にとってプラスティック製のストロー、特に曲がるタイプのものは欠かせないと指摘されてきた。金属製の他、ガラス製、紙製などさまざまな代替ストローが存在するが、高価なものが多い上、窒息や口腔内を切る危険性があるという。上記の事故もプラスチック製のストローなら起こっていなかっただろう。

環境保護に注力するあまり視野狭窄になり、本来助けを求めている人のサインを見逃していないだろうか。このことを常に意識することが大切だろう。