LIFE STYLE | 2019/05/22

歩くスピードが速い人はゆっくり歩く人より、最大15年も長生きする! 英大学の研究チームが発表

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文:岩見旦

あなたは普段、街中を歩いていて、同じ向きに歩く人を抜かす...

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文:岩見旦

あなたは普段、街中を歩いていて、同じ向きに歩く人を抜かすことが多いだろうか。それとも抜かされることが多いだろうか。

突拍子もない質問のように感じるかもしれないが、実は歩くスピードと寿命な関係に重大な関連性があるという研究結果が発表された。

BMIより体力が寿命にとって優れた指標

体重に関係なく、歩くスピードが早い人は、ゆっくり歩く人に比べて最大15年も長生きすると、英国レスター大学の研究チームが『Mayo Clinic Proceedings』に発表した。この研究では、2006年から2016年までの間に、平均年齢52歳の47万4919人を対象に分析が行われた。

歩くスピードは早い女性の平均寿命は86.7歳〜87.8歳で、男性の平均寿命は85.2歳〜86.8歳だった。一方、ゆっくり歩く人の平均寿命は低く、女性は72.4歳で、男性は64.8歳という結果になった。

たとえ歩くスピードが速い人がひどく太っていたとしても、この割合に変化はなかった。専門家によると、歩くスピードは医師が患者の大まかな健康状態を判断する適切な方法だという。

この研究の筆頭著者である同大学のトム・イエーツ教授は、「私たちの研究結果は、個人の平均寿命に対する体重を比較した体力の相対的な重要性を明らかにするのに役立つかもしれません。言い換えれば、BMI(肥満度を示す体格指数)より体力の方が寿命にとって優れた指標であることを示しています」と述べている。

歩くスピードが遅い人は速い人に比べ、心臓関連の死亡率が2倍

歩くスピードと健康の関連性を示した研究はこれが初めてではない。2011年、ピッツバーグ大学の老年医学教授であるステファニー・スタッデンスキー氏は、歩くスピードが平均寿命の信頼できる予測因子であることを発見し、医学雑誌『Journal of the American Medical Association(JAMA)』に発表した。

また、2013年にはアメリカの研究者たちが、歩行速度が心疾患リスクの低下と平均寿命の長さに関連があることを発見。2018年には、シドニー大学の研究で、歩行速度を「平均速度」に上げると、早死のリスクを5分の1に低下できると発表した。

イエーツ教授も2017年に、英国のバイオバンクのデータを分析し、歩く速度が心臓病で死亡するリスクに影響することを発見していたが、今回の研究でも歩くスピードが遅い人は速い人に比べ2倍も心臓関連の死亡率が高いことが示されている。

体型が気になるからといって、極端な食事制限で無理に痩せて体力を落とすより、速く歩くことの出来る体力を保つ方が、心臓の健康をキープでき長い余生を楽しむことに繋がるようだ。