文:小林ペコオ
いまだ終わりの見えない新型コロナウィルスの感染拡大。イタリアでは犠牲者数が1万4000人にのぼり、過酷な状況にある(4月3日現在)。
そんなイタリアで多くの人々の心を癒し、世界中に広まった心温まるニュースを紹介する。
4年前、地震で飼い猫を失ったおばあちゃん
3月5日、Facebookに一枚の心温まる写真が投稿された。それはおばあちゃんと猫が仲睦まじげに顔を寄せ合う写真だ。投稿者はミンマ・ベイさんで、写真の女性はベイさんの友人であるドーラさんだ。
ドーラさんは4年前にイタリア中部を襲った大地震で、家や財産だけでなく、家族まで失った。地震の混乱の中、怯えた飼い猫のミンモは逃げ出してしまい、そのまま行方不明となってしまった。長年にわたってドーラさんに寄り添ってくれていた家族の一員を失ったことは、ドーラさんにとって最も悲しい出来事だった。
大切な家族との奇跡の再会
しかし、ミンモが行方不明になってから4年後のある日、奇跡が起きた。なんともう永遠に会えないと思っていたミンモが帰ってきたのだ。
最愛のペットとの再会に、ドーラさんはビックリ。だが、ドーラさんがそっとおでこを触ると、猫はすぐにそれを受け入れ、愛する主人に嬉しそうに寄り添い始めた。
この微笑ましい2人の様子からも、お互いがいかに大事な存在なのかが伝わってくる。
ミンモが行方不明の間、どこに行っていたのかは分かっていない。だが、幸いなことに、ミンモはご飯も食べていたようで健康状態に問題はなかったという。
ベイさんはFacebookに「私の友人であるドーラは、彼をずっと探すのをやめることをしませんでした」と綴った。また、「あなたはドーラの方言を理解することは難しいかもしれません。しかしそれは問題ではありません。何も言わず見てください」とも。
もしかしたら、ドーラさんのミンモを思う気持ちがこの奇跡を生んだのかもしれない。これから先、ドーラさんは失われた時間を補うために、愛猫にたくさんの愛情を与えていくことだろう。