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中国とインドの植樹によって、地球全体の緑地が急増していた。NASAの衛星データから明らかに
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  • 2019.03.08
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中国とインドの植樹によって、地球全体の緑地が急増していた。NASAの衛星データから明らかに

NASA Earth Observatory

文:岩見旦

世界の人口が爆発的に増加し、経済的利益を優先するため、世界の緑地はどんどん減っていると理解している人は多いのではないだろうか。結論から述べると、その認識は誤りだ。

地球の緑地は増加している。しかも、この緑化を先導しているのが、中国とインドと知ったら、さらに驚くのではないだろうか。

20年間で地球の緑地が5%増加

NASAは20年近くの間、地球の軌道を回る2基の人工衛星に搭載された「MODIS」により、地球の表面の高解像度画像を収集してきた。ボストン大学のランガ・ミネニ教授らの研究チームがこれらのデータを分析したところ、地球の緑地面積は2000年以降と比べ5%も増加していたことが判明した。その面積は550万平方kmに上り、アマゾン熱帯雨林に匹敵するという。

この地球の緑化に貢献したのが中国とインドだ。13億人以上の人口を誇り、急激な経済成長を遂げている中国とインドは、土地や水といった資源を過剰に利用しているという印象がある。しかし実際は真逆だ。

こちらの地図は、地球の相対的な緑化を示している。中国とインドが著しい緑化を遂げていることが分かる。

NASA Earth Observatory

地球の緑化は熱帯地域の自然植生の減少を相殺しない

中国は土壌侵食、大気汚染、気候変動の効果を減らすため、植樹活動や森林保護を積極的に実施。中国の緑地の42%は森林だ。一方、インドの緑地の82%が耕地であり、森林はたった4.4%だ。また中国、インドともに2000年以降、耕地面積はほとんど変化していないが、集約農業により穀物や野菜、果物の収穫量が35〜40%増加している。

インドでは80万人がわずか24時間で5,000万本植林したというニュースもあった。

研究の共著者であるNASAエイムズ研究センターのラマクリシュナ・ネマニ氏は「人間の活動が地球の緑化の鍵であることが分かった。私たちはこの要素を気候モデルに組み込む必要がある」と述べる一方、地球の緑化がブラジルやインドなどの熱帯地域で起きている自然植生の喪失の損害を相殺するものではないと指摘した。

この研究は学術雑誌『Nature Sustainability』で公開されている。

ファクトフルネスの重要性

アメリカ在住のガン研究家の大須賀覚氏が3月6日、このニュースを紹介し、「古い認識と異なり、世界はドンドン動いているなと感じた」とツイート。

この投稿は現在約1万件のリツイートを記録し、「生活環境を改善する人間の意思を過小評価してはいけない」「このレポートは多くの人に希望を与えてくれる」「これぞファクトフルネス」などの意見が挙がり、驚きを持って受け止められた。

世界は劇的なスピードで変化している。昨日の常識が過去の遺物になっている可能性は低くない。世界を正しく読み解くために、データや事実に向き合うことの大切さを思い知らされた。


Human Activity in China and India Dominates the Greening of Earth | NASA

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