EVENT | 2018/01/16

ベンチャーが海外進出するために必要なたった1つのこと|橋本正徳(ヌーラボ)


「自社のサービスを世界に展開したい」という野望を語るスタートアップ経営者は少なくないが、実現に至ったサービスはまだま...

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「自社のサービスを世界に展開したい」という野望を語るスタートアップ経営者は少なくないが、実現に至ったサービスはまだまだ少ない。

だが、それを軽々とやってのけてしまったのが福岡のヌーラボというウェブサービス企業だ。

2004年の設立以来、同社が展開しているプロダクトはプロジェクト管理ツール『Backlog』、ビジュアルコラボレーションツール『Cacoo(カクー)』、ビジネスディスカッションツール『Typetalk』の3つ。すでに100カ国以上・数百万人に利用されている。一方で、これまでベンチャーキャピタルからの資金調達は行わず、2013年までは自社サービスの開発・展開と平行してソフトウェア開発の受託請負も続けてきた。

ヌーラボのサービスはなぜ世界で愛されるようになったのか、そして海外で事業展開をすると社内はどう変化するのか。同社代表取締役の橋本正徳氏に素朴な実感を話してもらうことで、その「秘訣」を探ってみたい。

聞き手・文・写真:米田智彦 構成:神保勇揮

橋本正徳

株式会社ヌーラボCEO

1976年福岡県生まれ。福岡県立早良高等学校を卒業後上京し、飲食業に携わる。劇団主宰や、クラブミュージックのライブ演奏なども経験。1998年、福岡に戻り、父親の家業である建築業に携わる。2001年、プログラマーに転身。2004年、福岡にて株式会社ヌーラボを設立し、代表取締役に就任。現在、福岡、東京、京都、シンガポール、ニューヨークに拠点を持ち、世界展開に向けてコツコツ積み上げ中。

なぜ次なる進出地にオランダを選んだのか

−− ヌーラボは国内(福岡・京都・東京)だけでなく、シンガポールとニューヨークにも拠点を出されています。今は何カ国ぐらいでプロダクトが使われているかはわかりますか?

橋本:100カ国以上で、合計すると300万人ぐらいの方に使ってもらっています。

−− それは最初から狙っていたんですか?

橋本:いま、海外でメインで売れているのはCacooですけど、それに関しては狙っていましたね。「実際にどう売っていくか」という部分はその場その場で考えたところも多かったですが(笑)。

−− Cacooというプロダクトについて改めて教えていただけますか?

橋本:一言でいうとブラウザで図を描けるツールです。例えばウェブサイトの設計図だとか、場合によって座席表とかオフィスのレイアウトとか、PowerPointの代わりに発表資料を作る方もいます。

Cacooの操作画面

−− 2017年の9月に、ヌーラボが創業以来初めてVCから1億円を調達して、アムステルダムに進出すると発表していましたよね。それを見て、2年ぐらい前に僕がヨーロッパによく行っていて、橋本さんに「今、アムステルダムとベルリンが熱いですよ!」と話したことを思い出したんです。

橋本:まさにその2都市で迷ってました。最初は「24時間会社が回る仕組みを作るため、EU圏内であればどこでもいいか」と思っていたんですが、「ベルリンは、今後、コストが高くなっていくんじゃないかな」っていう予感がしたんです。

というのも、シンガポールに続く2つ目の海外拠点がニューヨークだったんですが、御存知の通り、物価の高い地域で維持コストが高いんですね。なので、日本とだいたい同じような費用でできて、かつEU圏内でということでアムステルダムを選びました。

「実はまだアムステルダムに行ったことないんですよね(笑)」

−− でも、橋本さんまだアムステルダムに行ってないそうですね(笑)。

橋本:行ってないんです。トランジットで3時間ぐらいいただけで。うちの海外部門をやっているのは共同創業者の田端辰輔で、彼がメインで海外を回っているんですよ。

−− でも、いつかは行くでしょ?

橋本:いつになるかはわからないんですが(笑)。

−− (笑)。向こうでのスタッフは現地採用するんですか。

橋本:はい。オフィスはまだ借りてなくて、登記の手続きを進めているところです。

−− じゃあ、これからEUで本格的にCacooを展開していくという感じなんでしょうか。

橋本:ただもうすでにEUでもユーザーさんはいて、特に多いのがフランス、あとイギリスも多いっていう状態なんです。

−− なるほど。ヨーロッパに1つ拠点ができると、何かとかこつけて他の国に行けるじゃないですか。ロンドンもパリもベルリンも、飛行機は1時間以内・1万円以内で行けちゃうから。もう本当に、小田急のロマンスカーとか新幹線に乗るような感じで他の国に行けますよ。

橋本:僕も見て回りたいですね。まだ行っていないけど(笑)。

ニューヨークの物価高を乗り越えられれば、他の国はそこまででもない

−− でも、改めて考えると海外進出ってお金がかかりますよね。

橋本:はい。オフィスの賃料などが高いんです。ニューヨークでワンフロア借りるのと同じ金額で、福岡本社(1~7階までのビル一棟)をまるごと借りることができますからね(笑)。

−− ニューヨークはやっぱり高いですね(笑)。でもシンガポールも高いでしょう?

橋本:シンガポールも高いですね。でもニューヨークを体験した後だと、そこまでは高くないかなっていう感じです。

−− じゃあ、もうアムステルダムも、そんなに高くないという(笑)。

橋本:そういう感覚になりますね(笑)。

現地採用のコツは「日本の会社文化」をしっかり説明すること

2017年1月にオープンしたニューヨークオフィスの様子

−− ところで、IT系ベンチャー、スタートアップでアメリカだとサンフランシスコ、シリコンバレーといった西海岸が有名ではありますけど、拠点として東海岸のニューヨークを選んだ理由は何だったんですか?

橋本:2009年に、僕らが初めて海外に出張した場所がニューヨークだったんです。『WordCamp New York City 2009』っていうWordPressユーザーコミュニティのイベントにスポンサーとして参加しました。

−− 初めての海外出張って、わりと最近のことじゃないですか(笑)。

橋本:仕事での初めての接点ですね。

−− ニューヨークでのヘッドは、日本人ではなくてアメリカ人ですか?

橋本:日本人です。

−− その人は英語が話せるんですか?

橋本:ぼちぼちですね。

−− ぼちぼちで大丈夫なんですか(笑)。

橋本:はい、ちゃんとやっていけてます。

−− スタッフは現地採用すると言っていましたが、何かコツとかってあります? 数年やってきて見えてきたものというか。

橋本:そうですね、僕が直接採用しているわけじゃないので詳しいことは分からないんですけど、日本の会社文化とかをちゃんと説明して入ってもらっているとかっていうのは聞きますね。

−− 例えばどういうことですか?

橋本:商習慣的には、日本だと入社してから辞めるまでの期間が結構があったり、どっちかっていうと会社に所属するっていう感じですよね。

−− 試用期間があったりとか。

橋本:そうそう。でも例えばアメリカだと“会社に入る”ってよりも、“プロジェクトに入る”っていう感じなんです。なので、その文化の差を説明して入ってもらっています。あとは、うちの会社自体のことをしっかり説明して採用するようにしていますね。

世界が小さく感じられる、より多くの地域を気にかけられるという状態が楽しい

−− 海外市場の開拓の面白さと、逆にその難しさを挙げるとするとどういうところがありますか?

橋本:まず、面白さは「社員がいろんな所にいるようになってくる」ということです。

−− 会社が広がっていく感じですよね。

橋本:はい。で、年に1回、社員総会があってみんな集まる。その集まったときに、「いろんな人がいるな」っていう楽しさとか。あと、すごい世界が小さく感じるようになるんですよ。例えば、インドネシアに大きい津波が来たときに、誰も知り合いがいない状態だと、なんか、ふわっとした感じというか、「誰かが大変なんだろうな」って感じなんでしょうけど、僕らの場合は、そこに社員がいたりとかするので、「あいつが危ないんじゃないか」とか思うわけです。

−− 世界がつながっている感じがするんでしょうね。

橋本:アメリカでトランプさんが大統領になった時も、「ニューヨーク拠点の社員たちは大丈夫かな」っていう思いがよぎったんです。スタッフの中には移民もいるので、「彼らは強制送還みたいなことをされないだろうか」っていう心配をしたりとか。あと、逆に2016年は福岡駅前が陥没して大きな穴が開いたことがあったでしょう。あのときも、海外のスタッフから「福岡大丈夫か?」「うちの事務所は結構離れている所だから大丈夫だよ」みたいなやり取りがありました。すごく世界がちいちゃくなる、これがすごくいいところかなって思います。

さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まる分、コミュニケーションなどに気をつけたりと難しいところも多くはなるでしょうが、それでも世界中の人たちに使って欲しいプロダクトを作る以上、会社にいろんな国の人がいてしかるべきだとも思います。

(プロダクトさえ良ければ)英語なんかできなくたって海外進出できる!

016年、中国の厦門で開催されたイベント『Asia Beat』にて。各スタートアップシティで活動するプレーヤーによるパネルディスカッション

−− 橋本さん自身はよくSNSの投稿は英語でされていますけど、「自分のTOEICの点数はおそらく400点ぐらいだ」って言っていましたよね(笑)。

橋本:そうなんですよ。毎日英語で書いて投稿していますが、まだTOEICの点数はそれほど上がってないと思います(笑)。

−− だけど「展示会とかカンファレンスに出席するとき、流暢な英語が話せなくたって全然大丈夫なんだ」みたいなことをおっしゃっていたのが印象的でした。

橋本:カンファレンスでは、そもそも向こうがこちらの話を聞いてくれる体制でいてくれるので、こちらがどんな英語を使っても熱心に聞いてくれるんですよ。

−− じゃあ、身振り手振りを交えて簡単な英語で話せれば、別に問題はないという感じなんですね。

橋本:はい。英会話力があるに越したことはないですが、それ以上に「いかに多くの国の人から愛されるプロダクトを作るか、ということにこだわった方がいいんだ」ということをより実感しますね。

劇団運営とベンチャー経営は似ている

−− ところで、橋本さんはもともと高校卒業後、上京して劇団をやってたんですよね。劇団で培った感覚の延長線上に起業や経営もあると。

橋本:はい。18、19歳のときですね。

−− 美術があって、舞台監督がいて、役者がいて、脚本があってっていうのと、ベンチャーの経営やサービスの運用が似ているっていう持論がすごくユニークだなあと。

橋本:「自分たちの表現したいものがある」っていうのは、ソフトウェアやサービス制作でも同じことなんです。例えばうちのBacklogでは何を表現しているかっていうと、「プロジェクトってこういうふうに管理したらいいよ」っていうことなわけです。

で、その表現活動にデザイナーがいたり、エンジニアがいたりだとか、全体の舞台監督じゃないですけど、プロダクトマネジャーみたいなのがいたり、ちゃんとその劇団がつぶれないようにお金をみる人もいたり。でも、それぞれの担当って、価値観が違うわけです。

−− 各担当者同士で「具体的にはこういう風にやりたい」っていう考え方が違うということですか?

橋本:そうです。「いいプログラムを書く」、「いいデザインをする」みたいなスタッフのそれぞれの考えを「お客さんのために」っていう方向で引っ張って、同じ方向を見せるということが必要になります。だから、僕みたいに劇団出身のネットベンチャー起業家はあんまりいないと思うんですが、全く違ったものをやっている感覚ではないんですよね。

−− そこが橋本さんとヌーラボの面白いポイントですね。そういうベンチャー起業家って他に会ったことあります?

橋本:元ミュージシャンは多いですよ。

−− 僕も元バンドマンだったから、メディアも同じなんですよね。ドラムがいて、ベースがいて、ギターがいてって役割分担があって。一番目立つボーカルばっかりだったらバンドじゃなくて、コーラスグループになってしまう(笑)。

橋本:そうですね。よくバンドのメンバー募集欄に「当方ボーカル、ギター、ドラム、ベース求む」って書いているのと同じですね(笑)。

−− 「当方ボーカルって、あなた、カラオケじゃないんだから」って。

橋本:そうそう。

−− だから、ヌーラボって会社もコラボレーションを重要視してるし、ユーザーもそうであってほしいっていうことですよね。

橋本:そうですね。うちの会社自体が理念に対するショーケースみたいなものなので、「このツールを使う会社はこういう雰囲気になるんだ、それを自分たちが実践していくんだ」っていうことは強く意識しています。

「SXSWに行けないから福岡でやっちゃえ」から始まった明星和楽

2016年の明星和楽のワンシーン。天神の中心にある百貨店『IWATAYA』前での野外音楽ライブ

−− さっきは海外の動向を中心にうかがってきましたけど、ここからはヌーラボの本社がある福岡について聞いていきたいと思います。高島宗一郎さんが2011年に福岡市長になってから、福岡は特にベンチャー育成にすごく力を入れています。

その先駆けにもなったイベントとして、橋本さんは「テクノロジーとクリエイティブの祭典」がコンセプトの『明星和楽』というベンチャー系のフェスをやられているじゃないですか。あれはどういう意図で始めたものだったんですか? 音頭を取った1人でもあるわけでしょう? 

橋本:テキサスのオースティンでやっている『SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)』ってあるじゃないですか。あれに行ってみたいっていうのがあったんです。でもなかなか行けないんで、じゃあ自分たちでやってみようかっていう感じで始めました。

−− また行ってない(笑)。

橋本:(笑)。明星和楽もそうなんですけど、結構前から「福岡市がシリコンバレーみたいな雰囲気になっていけばいいな」って思っていて、その1つの材料として、「SXSWを福岡でやったらどうなるだろう?」っていうアイデアがうまいこと弾けたって感じですね。

−− これまでに何回ぐらいやったんですか?

橋本:2011年から毎年開催していて、これまでに7回やっています。13年にはロンドンで、14年には台北でも開催しました。

−− 毎回、どのぐらいのクリエイターが参加してるんですか?

橋本:どれくらいか正確には分からないですが、70、80とか、結構な人数だと思います。

明星和楽は「行政×ベンチャー」の先駆けでもあった

2012年の明星和楽で行われた『福岡スタートアップ都市宣言』の模様

−− 明星和楽をずっと続けてきて見えたこと、切り拓けたと実感できたことはあります?

橋本:やっぱり行政との絡みに関してですね。高島市長には第1回目からスピーチもしてもらっていますし。

−− 「福岡市とのタッグはベンチャーでもできる」っていうショーケースだったっていうことですね。

橋本:はい。僕らみたいな、言ってみたら反社会運動みたいなところでも行政と組めるんだって(笑)。

−− いや、反社会運動まではいかなくて(笑)、アングラってぐらいじゃないですか。

橋本:そうですね(笑)。そのアングラが、公と手を取り合うってなかなかないじゃないですか。そこは、明星和楽がやったのはすごかったんじゃないかなと思いますね。

−− 具体的には、福岡市はどんなことしてくれるんですか。

橋本:協賛とプロモーションと、あとはスタッフとして参加してくれたりだとかっていうのも結構あって、ゴミを拾ってくれたりだとか、道路を借りようっていうときに相談に乗ってくれたり。

−− なるほど。それって現代アートのあり方にも結構近いなと思っていて、新潟の『越後妻有 大地の芸術祭の里』とか、大分の『BEPPU PROJECT(ベッププロジェクト)』とかもそうだけど、現代アートとかが地域に根付いて国や自治体から助成金もらったりしてっていうのが、2000年代から結構あったじゃないですか。ネットベンチャーもそういうことができるぞっていう、1つの先行事例だったかなあという印象がありますね。

橋本:ネットベンチャーの社員も表現者ですからね。例えば、「俺だったら出退勤の方法はこうやるぜ」みたいなものが出退勤システムとして体現されるわけじゃないですか、表現の形として。表現者なので、そういう人たちが行政と手を組むっていうのはいいと思います。普通の行政だと、そういうアングラチックな感じのところはちょっと遠慮したいと思ってもおかしくないのに、その距離感がぐっと近くなっているので、今の環境はすごくいいですね。

福岡のベンチャーシーンの変遷

旧大名小学校をリノベーションしたベンチャー支援施設『FUKUOKA growth next』の1階で営業するバー『awabar fukuoka』に集まる経営者たち

−− 福岡のベンチャーシーンはここ数年で変わりましたか?

橋本:変わりましたね。前までは分かりやすいベンチャー、「そりゃあ収益上がるよね」っていう会社が多かったんですけど、最近ちょっと分かりにくいのが増えてきた。例えばIoTとかAIとか、ビジネスモデルが分かりにくいじゃないですか。

−− (笑)。加えて東京だと、ピボットを繰り返して、リーンスタートアップで、もうスピード感がとにかく重視だってよく言うけど、一方で「ちょっと待てよ」っていうところもあるじゃないですか。

橋本:もうちょっとゆっくりなところじゃないと、ストック型の仕事って難しいのかなと思います。スピードが速いところだと、売りが立つのも早いけど、なくなるのも多分早いと思うので。何もかもスピードが速いというのはあまりよくないですね。

−− 福岡のヌーラボの在り方って、京都の任天堂みたいな感じがするんですね。

橋本:ありがとうございます。

−− 地方にあって、ビルの中で何をやっているかわからなくて、ずっとオープンイノベーションせずに自分たちで作っているみたいな。あとヌーラボは競争に入らないっていうことと、他社と自分を比べないみたいなことにも意識してるのかなと感じます。

橋本:確かにあんまり価値を置いてないですね。あとIoTだAIだというスタートアップの動きは、1~2年先を見て働いている人たちが主流の中に、5年先、10年先を見て働く人が出てきたとも言えるわけです。僕にはちょっとそこは見えない、つかめないところはありますが、面白いですよ。

−− いわゆるダイバーシティっていうか、多様化してきているってことですよね。その中でも、ヌーラボは淡々とやっていくっていう。

橋本:そうですね。僕らの直近の仕事で楽しめているのは、商品の新しさっていうよりも、海外市場開拓っていう市場の新しさみたいなところです。そこを一生懸命掘っていく感じですね。

「自分がいなくなったあと」の体制づくりスタート

−− それでは最後に、ヌーラボの今後の展開について教えてもらえますか。

橋本:唐突ですけど僕、2009年にガンの宣告されたことがあったんです。

−− ええっ!?

橋本:結果的にそれは誤診だったんですけど、それがきっかけで今後の生き方、働き方についていろいろ考えましたね。僕も嫁さんも。

−− そのときはどんな状況だったんですか?

橋本:最初はお医者さんから「奥さんに連絡してくれ」って言われて。で、来てもらったら「ガンです。本当に危ない状況です」って話をされて、顔面蒼白になりました。

−− お医者さんから「危ない」って言われたら信じちゃいますもんね。

橋本:その後に取締役に電話して、「今から緊急でガンで入院するからよろしく頼むね」って言って。そのまま次の病院に行って診断したら、結局なんの病気でもなかった。でも、今後こういうこともリアルであるかもしれないなとは思って、「表現物としてのヌーラボをいかに続けていくか」という方向にも目が向いてきたんです。

−− 自分がいなくても会社が回る体制を整えようとしているわけですね。

橋本:そうですね。もちろん、自分はいたほうがいいんですが、次のステップを考える時間を作るっていう意味でも、自分がいなくても良い体制というのは考えないとなと思います。で、次のステップとしては、特に大きなビジョンはないですが、今進めているグローバル展開をさらに加速できればなって思います。

−− ありがとうございました。


ヌーラボ