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河野氏「平成型改革主義の延長」、高市氏「極右イメージだが意外なコミュ力」、岸田氏「インテリ主導のコンセンサス重視」自民党総裁選、誰が勝つとどうなる?【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(21)
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  • 2021.09.13
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河野氏「平成型改革主義の延長」、高市氏「極右イメージだが意外なコミュ力」、岸田氏「インテリ主導のコンセンサス重視」自民党総裁選、誰が勝つとどうなる?【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(21)

3:「ビジネス右派的強引路線」の限界に直面したのがスガ政権の空中分解

Photo by Shutterstock

ものすごく直感的な言い方をすれば、日本国民の半分ぐらいは私のような「対話とかじゃなくてちゃんと重点を外さない政策の実行力が大事なんだ」派ですが、一方で逆側の半分ぐらいには「排除されずにみんなが対話している感じ」こそが大事だという層もまた厳然としているのかもしれず、私たちは民主主義国家の基本としてそのことをしっかり思い出すべき時なのかもしれません。

なにより最近私も考え方を考えないといけないな、と思っているのは、

「対話を馬鹿にする路線」だと、「肉を切らせて骨を断つ」的なことはできる

…んですが、

微に入り細に入り配慮しながら色々な現地現物の工夫を吸い上げて国民の総力を引き出していく

…みたいなことが全然できないんですよね。

そのへんが、

評論家タイプの人から批判されまくっても「骨」にこだわって徹底的に世界一レベルの急激な追い上げを実現したワクチン政策の強み

と、

病院間連携の最適化によって病床を可変的に確保するような、いくつかの地域で目覚ましい成果を上げたようなベストプラクティス(最高の事例)が全然横展開共有されずに、不運な人はただ孤立無援に我慢するしかない…というダメなところ

という「スガ政権の二面性」につながる。

私は、スガ氏を批判する人の中でこの「前半部分」を軽視しすぎている人がかなりいることが本当に良くないと考えているんですね。

そういう態度はいずれ最終的に「もういっそ中国みたいな強権的政体こそが21世紀には合理的なんだ」とかいう結論に至りかねない民主主義内における最悪のバグだと思っている。

国際的に既に「人種別(アジア系)」の検証結果も積み上げられていたワクチンについて、野党が強固に「国内治験」を主張したために出遅れた日本のワクチン接種を、スガ氏がその豪腕で世界一レベルにまで加速させていなければ、デルタ株によって世界中で感染拡大が起きた「第5波」において、日本の高齢者層に死体の山が築かれていた事は疑いない。

だからスガ氏の「骨を断つ」レベルへの強烈なこだわりのような「功」の部分を軽視して、「スガはただ自分の権力にしがみつくことしか考えないヤツだった」みたいな矮小化したことを言う人には本当に自分は全力で怒りを覚えるというか、

お前に民主主義社会の主権者としてのオーナーシップってものはないのか!そうやって「俯瞰で見た合理性」をちゃんと考える姿勢が全然ないヤツが過剰に騒ぐことで余計に強権的になってもリーダーシップを優先しなくちゃいけなくなって、「細部への配慮」「弱者へのサポート」を実際に社会的に実現できない原因になるんだっていい加減わかれよな!

…と思うのですよ。

しかし一方で、いくら「肉を切らせて骨を断つ」だとはいえ、

「骨」をブレさせないのはいいけど、斬られる「肉」の身にもなってくださいよ。斬られる「肉」さんにとっては“その肉”こそが人生で一個しか持ってない大事な肉なんだからさ

という課題に今後答えていくことが、今の日本の最大の課題になりつつあるのかもしれません。

最近、バイデン大統領の演説を関西弁で訳したら、「徹底的な言い訳力」と「人の気持ちに寄り添うレトリック力」が超すごいことがわかる…という企画をツイッターで発表したら好評だったのでご興味があればこちらで読んでほしいのですが、

やはり政治家にとって

「俯瞰で見た時の冷静な判断の正確さ」と「人々に寄り添っていると思わせる人間力」の両立

…というのは非常に重要なスキルなんですよね。

そしてそれは単にビジネス右派の人にとっても、「はいはいわかったよ!対話ってやつをやりゃいいんでしょー!チッめんどくせーな」というレベルの話ではなくて、純粋に「ビジネス右派」の価値観の範囲内だけで言っても、

スガ政権のコロナ対策が、柔軟な病院連携による病床確保といった、ビジネス用語で言う所の「ベストプラクティスの横展開」が全然できずにギクシャクし続けたような課題を解決するために今必要な変化

なのだと思われます。

4:“政治談義が好きな一部の層”の『外側』ではすでに高市氏の人気がひたひたと迫ってきているかも?

「政治談義が好きな層」や実際投票する自民党党員、自民党国会議員の間では、高市氏はまだ「三番手」ぐらいの期待度だと思いますが、しかしその『外側』にはかなりこの「高市氏の開かれたコミュニケーション姿勢への期待」が伝播しつつあるのを感じます。

例えばこの記事によると高市氏が今月15日に出版する著書は予約段階ながらAmazonの書籍総合ランキング1位になっているそうです。

記事が出た9月8日から週末を挟んだ、9月13日16時過ぎ時点でも総合2位となっている

私も自分の著書を出した時によく使った手なんですが、Amazonのランキングには膨大な「サブカテゴリ」があるんで、「●●部門で1位になりました!」みたいな宣伝文句は実際のところ全然たいしたことないというか、私ですら複数部門で一瞬1位になったことがあります。

しかし

漫画や芸能人の写真集やビジネス書などをすべて含めたランキングで、しかも予約段階で1位というのは政治家の本としてはものすごく異例なこと

…だそうで、上記リンク記事では「河野氏の本の3倍は動いているようだ」という都内大型書店員の声も紹介されています。

これは「狭い範囲」の政治に自覚的に関わっている層の中での内輪の順位付けに比べて、

その「外側の世界」において、「なんとなくの国民的空気」としての高市さんへの待望の空気が「ひたひたと迫ってきている」ことを表しているのかも

しれません。

要するに、「政治談義をやるのが好き・興味がある層」以外では、そもそも高市氏のように「誰も排除せずに対話感を出せる」こと自体がかなり切実に求められている部分があり、それこそ

「安倍・スガ時代を通じてずっと満たされなかった対話への飢え」

のようなものを吸い上げる波を捉えることができれば、今の「三番手候補」扱いから今後一気に躍り出て

歴史上初となる女性の日本国内閣総理大臣 高市早苗

…も十分ありえると私は感じています。

5:「対話」は「責任」を生むんですよ!お願いしますよ!

私は現時点で立候補表明している岸田・高市・河野三氏の中で、実際に総理になった時の違いという意味では、

河野氏になるのか、それとも岸田氏あるいは高市氏になるのか

の部分に「大きな違い」があるだろうと考えています。ざっくり言えば

河野氏=90年代の橋本龍太郎政権以降着々と日本が進めてきた官邸への権力集中の流れの延長で、さらにドラスティックな改革を目指していく

岸田・高市氏=平成時代を通じて続いてきた「官邸への権力集中」路線を撤回し、より広範囲の官僚システムとの協業路線に舵を切る可能性が高い

という違いがあると予想される。

この記事で書いた「ビジネス右派」的な「いわゆるトップダウン」路線の延長にあるのが河野氏で、より柔軟な「いわゆるボトムアップ型協業」路線に舵を切ると予想されるのが岸田・高市氏ということになる。

私は、官邸の「強引さ」をそれ単体でダメなことだという議論は民主主義国家の主権者としてのオーナーシップがない失格的態度だと思っていて、

・昭和時代にあまりに官僚組織間の縦割りの弊害が大きすぎたので、平成時代に官邸に権限を集中させようと決めた

という日本の「歩んできた歴史」への敬意がなさすぎると思うんですね。

・「官邸への権力集中が問題だ」となったのなら、「なるほど、じゃあ権限を集中しなくても縦割りの弊害が起きないような仕組みを考えなくてはいけませんね」と考え、主張し、具体的な仕組みを提案していく

こういう姿勢↑こそが、「民主主義国家の主権者」としての私たちの役割なんじゃないでしょうか。

例えば「戦前の日本の反省」だって、陸軍と海軍の縦割りが強すぎて全体としてバラバラでチグハグな全体戦略に突っ込んでいった事が破滅的な戦争になだれ込んでいった元凶そのものと言うことだってできるでしょう。

そういう「過去に必死に生きてきた日本人たち」の結論としての「官邸への権限集中」というものがある時に、ただそれ自体に文句言ってるんじゃなくて、

「じゃあ官邸への権力集中を回避しても、完全にバラバラの縦割り組織で調整がつかない空中分解状態にならないようにするにはどうしたらいいんだろうね?」

という視点について、「自分たちの責任」として主体的に考える姿勢こそが、民主主義そのものではないんでしょうか。

とにかく、“私個人の意見”としては、もうこの「権限集中路線」には限界が来ており、何らかの転換が必要な時期に来ていると思っているので、今回は岸田・高市路線に期待しています。

そして、官僚に限らずなんですが「昭和の日本の組織」というのが本当に強烈な「縦割り」意識に支配されていたことはある程度以上の年齢の日本人なら身にしみてわかると思いますが、平成時代の意識変化を経て、今なら、「横断的な連携」を何らかの形で具現化できる準備は整っている状況なのではないか?という期待も持っています。

しかし、それでも自分としては、

岸田・高市路線では、結局単なる「何も前に進まないグダグダな社会」になってしまうのではないか?という危機感を裏腹な不安を抱えつつ…でも今進むべき道としてこの路線なのだ

とも思っているわけです。

もちろん逆に、

河野氏の路線でワクチン接種については拙速だろうとなんだろうと強引に進めたことが「吉」と出たけど、例えば自然エネルギー導入については「あと100歩ぐらい冷静かつ慎重な目配り」しながらやってくれないとマジで国が破滅するんだけど?

という不安感もあります。

どっちにしろ、単に「権威に中指立ててやったらスカッとするよね」みたいなレベルで解消するような議論でなく、「自分だってその一員なのだ」という目で、どうすれば日本国が、そしてこの日本列島に生きる一億人強の未来の幸せがありえるのか?について考える姿勢こそが、今の私たちに必要なマインドセットなのではないでしょうか。

今、自民党政権の支持率が落ちているとは言っても、じゃあ野党の支持率が政権交代可能なレベルかというと全然そんなことないですよね。

私は経営コンサルタント業のかたわら、色んな立場の「個人」と文通を通じて人生を考える仕事もしているんですが(興味ある方はこちら)、そのクライアントの中で一時期まで徹底的に「反安倍!」だった医療関係者の女性が、最近

「残念ながら今回は消極的に自民党に入れるしかない。立民になんかなったらさらに人が死ぬ」

…と言っていて笑ってしまいました。

現政権の対策に不備があるなら、「どこは正しいがどこが間違っているのか」について丁寧に腑分けをして現場を混乱させないようにしながら適切に提案していくのがこういう時に野党が政権担当能力を示す「腕の見せ所」であるはずなのに、単純に

「自民党政権がいかに人の命を大事にしない絶対悪であるか」

を全否定的に叫び、人によっては仲間内で盛り上がるためなら科学的に立証されていないような暴論でもどんどん取り上げていくような姿勢が、

「心情的に反安倍・菅だったのに、自分はどこに入れろって言うんだよ!」

…という少なからぬ潜在的支持層の「絶望」を招いていることを、野党関係者の人たちは真剣に受け止めるべきだと思います。

「対話」が開かれるなら「責任」も同じくやってくるわけですよ。

橋本龍太郎政権から25年以上続いた集権化の流れをついに逆流させるのならば、つまりオープンな議論を、対話をするなら、「野党側」だって単なる評論家的批判者ではなく「当事者意識」を持って政治に参加してくれないと困るんですよ!

今回記事はここまでです。

感想やご意見などは、私のウェブサイトのメール投稿フォームからか、私のツイッターにどうぞ。

連載は不定期なので、更新情報は私のツイッターをフォローいただければと思います。


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