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太陽光発電は原子力発電よりすでに安価!「電源別の発電コスト」から読み解く技術革新のスピード
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  • 2021.07.14
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太陽光発電は原子力発電よりすでに安価!「電源別の発電コスト」から読み解く技術革新のスピード

文:岩見旦

菅義偉首相は今年4月、政府の地球温暖化対策推進本部で、2030年までの二酸化炭素排出量削減目標を46%減(2013年度比)とすると発表した。再生可能エネルギーへの転換は急務だ。しかし、再生可能エネルギーは発電コストが高いと以前聞かされた人も多いだろう。果たして、現在の再生可能エネルギーは、石炭石油などの化石エネルギーと比べ、どれくらい発電コストが掛かっているのだろうか?

機関投資家向けの金融サービスを提供するLazard社が実施した均等化発電原価分析を基に、VISUAL CAPITALISTが制作したグラフを紹介する。

約10年間で太陽光発電は発電コスト-90%

こちらは2009年時と2020年時の電源別の発電コストを比較したグラフだ。黄色が太陽光発電、赤が天然ガス発電・尖頭負荷発電所(電力需要のピーク時だけ稼働)、オレンジがタワー式太陽熱発電、青緑が陸上風力発電、青が原子力発電、黒が石炭発電、灰色が天然ガス発電・コンバインドサイクル発電施設(ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせ)、茶色が地熱発電を表している。

拡大してご覧になりたい方はこちらから

2020年時の電源別の発電コストは下記のようになった。

太陽光発電(再生可能):$37/MWh(2009年時比 -90%)
陸上風力発電(再生可能):$40/MWh(2009年時比 -70%)
天然ガス発電・尖頭負荷発電所:$175/MWh(2009年時比 -36%)
天然ガス発電・コンバインドサイクル発電施設:$59/MWh(2009年時比 -29%)
タワー式太陽熱発電(再生可能):$141/MWh(2009年時比 -16%)
石炭発電:$112/MWh(2009年時比 +1%)
地熱発電(再生可能):$80/MWh(2009年時比 +5%)
原子力発電:$163/MWh(2009年時比 +33%)

著しく発電コストが下がったのは、再生可能エネルギーの太陽光発電と陸上風力発電だろう。2009年比でそれぞれ-90%、-70%を記録している。特に太陽光発電は$37/MWhで、今回の調査で最も安価と評価されている。

また、天然ガス発電もガス価格の下落により、発電コストが下がっている。その一方、石炭発電はほぼ横ばい。原子力発電は規制強化と原子炉不足のため、+33%となった。

現在も、世界の電力シェアは大部分を化石エネルギーが占めている。ただ、IEA(国際エネルギー機関)によると、再生可能エネルギーの世界の電力シェアは、2009年時は18%程度だったが、2020年時は28%近くと大幅に増加しているという。専門家の中には、再生可能エネルギーのシェアは2050年時に50%を超えると予測する声も上がっている。

次ページ:経済産業省も2030年時点の発電コストを試算

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