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コカ・コーラの自販機が政府の建物内から撤去へ。理由は左翼的だから?米国サリー郡で
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  • 2021.06.12
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コカ・コーラの自販機が政府の建物内から撤去へ。理由は左翼的だから?米国サリー郡で

Photo by Shutterstock

文:角谷剛

米国ジョージア州アトランタに本社を置くコカ・コーラ社は今年4月、同州で成立した選挙に関する新たな法律が、黒人などマイノリティーの投票を妨げると反対の立場を表明してきた。

賛否両論を呼んだこの法案が、思わぬ余波を引き起こしている。

人口約7万人の小さな郡政府が世界的飲料メーカーに抗議

ノースカロライナ州サリー郡は人口約7万人の地方自治体だ。その小さな郡行政委員会は先月、政府の建物内に設置されていたコカ・コーラの自動販売機をすべて撤去する決議を賛成3、反対2で可決した。同委員会はこの世界的な飲料メーカーの政治方針が左翼的に過ぎると批判している。

同郡行政委員会の1人であるエディー・ハリス氏は、NBC系のテレビチャンネル『WXII』のインタビューに応じ、「米国内の左翼勢力は、出資を打ち切り、ボイコットし、キャンセルし、彫像を破壊するなど、ありとあらゆる種類の破壊的な行動を取っている」と指摘し、「彼らは反対論者たちが黙って縮こまり、自分たちの行動を容認することを期待している。それは正しいことではない」と批判した。

白人への「逆差別」を主張するも

ハリス氏は、コカ・コーラ社の最高経営責任者であるジェームズ・クインシー氏に宛てた公開書簡内で、ジョージア州の新選挙法について「何百万人もの米国人が、前回の大統領選挙は公正に行われなかったと信じている。そして選挙が厳格に監視され、規制されない限りは、さらなる選挙不正が将来起きることを危惧している」と述べている。

さらにハリス氏は、コカ・コーラ社の社内教育用スライドで従業員たちに白人としての優越意識を捨てるように呼びかけている情報を得たと明かし、それを米国内の分断を助長する「逆差別」であると厳しく指弾した。

そして、元NBAのスーパースターであるマイケル・ジョーダン氏の発言「共和党支持者もナイキのスニーカーを買ってくれる」を引用し、多国籍企業の経営者たちは「不寛容で、偏見に満ちた、左翼的な政治信条」をこれ以上顧客に押し付けるべきではないとしている。

しかし、わずか5人しかいないサリー郡行政委員はハリス氏も含めて、全員が白人男性であることは皮肉な事実でもある。ちなみに、現在まだ自販機は撤去されておらず、地元のボトラーが問題解決に乗り出しているという。

先の米国大統領選挙では、どちらの候補者の政見を支持するかにとどまらず、米国民のなかにおいて保守派とリベラル派の違いを際立たせた。政治的立場や意見の違いがさらなる分断と不寛容を米国社会に生み出さないことを祈るばかりだ。


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