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なぜ日本でPCR検査数が増えないのか。論点と解決策をわかりやすく整理する【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(2)
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  • 2020.04.24
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なぜ日本でPCR検査数が増えないのか。論点と解決策をわかりやすく整理する【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(2)

(3)PCR検査数を増やす・増やさない…という課題について考えてみる

たとえばPCR検査を増やす・増やさない…というような課題について考えてみます。

この問題がなぜ紛糾しているかというと、「PCR検査を増やすべき」という意見を言う人の中に、

・「ちゃんと日本の対策班の考え方がわかった上で改善点を指摘している声」

・「日本の現状は全然わかってないけど、他国がやってるんだからやれとか、検査しないとわかるわけないじゃんとかいった単純な視点で批判している人」

がゴチャゴチャに混じってしまっているからなんですね。

日本の対策の考え方についてのよくある誤解として

・PCR検査数が少ないから、全体像がわかっているはずがない
・無症状者・軽症者を検査していないから、そういうヤツが市中でウロウロして感染しているのを止められるはずがない

というものがあります。

しかし、日本ではまず

・どこかで感染者が出たら全国の病院網とそこに配備されたCTで探知できるはず
・そこで見つけた患者から芋づる式に逆算して接触者に検査していく

…という方針で、その「芋づる式」に追っていく過程では症状があろうとなかろうと検査をしているわけです。

たとえば韓国はめっちゃ検査をしてる…というイメージがあるけれども、それでも結局国民全体の1%程度しか検査していません。

それぐらい現状はどこの国でもPCR検査というのは貴重な資源なので、ある程度「対象者を厳選して使う」ようにしないと無駄撃ちになってしまうんですね。その「厳選」のやり方が日本は自分たちが今持っている武器の種類に合わせたオリジナルな手法を取っていて、そうすることで少なくとも3月上旬までは、“無症状な人も含めて”多くの感染者を捕捉して隔離することができていた。

この「接触者追跡」に使うPCR検査能力を、別のところで浪費してしまいたくないために、一時期は医師が必要と認めてもなかなか検査してもらえないといった問題が発生しており、一般の人から見ると「よほどの重傷者以外は一切検査をしていないのではないか」という誤解が広がっているんですね。

しかし、専門家会議の人たちは最初から「検査能力を増やせるものなら増やしてほしい。特に医者が必要と認めたのに検査できない事例が出てきているのは良くない。しかし戦略的に重要な接触者追跡に使う資源が、“安心のための検査”で使い潰されるのは避けたい」というような趣旨の発言を繰り返していました。

自宅待機中に亡くなった事例などが出てきたことで、どこまでが「安心のための検査」で、どこからが「医療者が必要と認める検査」なのかの線引きをやりなおす流れになりそうですが、少なくとも後者に関してはスムーズに検査まで行ける体制にしようという合意は、既にできつつあると言えるでしょう。

つまりここまでの話をスライドにまとめると…

よく、検査を増やすと医療崩壊するとかしないとか議論されていますが、正しくは

“ちゃんと配慮した上でやれば”医療崩壊させずにPCR検査を増やすことはできる

なんですよね。

スライドでは多少単純化して話していますが、「PCR検査資源の優先順位が崩壊する」以外にもいろんな「医療崩壊」につながる可能性はあるわけです。

“そのあたりをちゃんと配慮した上で”動かせるかどうかが重要なんです。

しかし、これだけいろんな「誤解」が世間に溢れ、デマや陰謀論が花盛りの状態で、この「ちゃんと配慮をした上でやれば」を実現できるでしょうか?

「とにかく検査を増やしさえすればいいんだ!」という熱狂が暴走して、ある程度うまく行っていた戦略が全部台無しになってしまう可能性だってあります。

日本は総理大臣にすら強い権限はほとんどないコンセンサス重視国家なので、いざ「今ある組織の縦割り」を離れたところでの広域の協力関係を必要とする方針を立ててしまうと、いろんな人のヨコヤリで果てしなく混乱して、大事な作戦の一貫性が崩壊してしまいがちなんですよね。

そういう状況では、「今まさに前線で戦っている部署」にいる人は警戒心を持って当然ですよね?できるだけ自分たちが確実にコントロールできる範囲だけでなんとかしよう…と思ってしまってもおかしくない。

だから、日本において「広域的な連携」が必要な時には、以下にお話しするような「あたらしい意識高い系」のモードで「議論の交通整理」をしっかりやる必要があるんですよ。

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