EVENT | 2020/02/27

「人間よりサルの方が多い」新型肺炎で観光客が激減した京都・嵐山が起死回生の自虐ポスターを展開

文:山田山太
いよいよ新型コロナウイルスによる被害が現実的なものとして、私たちの経済活動に襲いかかっている。外国からの...

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文:山田山太

いよいよ新型コロナウイルスによる被害が現実的なものとして、私たちの経済活動に襲いかかっている。外国からの観光客も激減し、普段は人でごった返す京都でさえ大きな打撃を受けている。

しかし、そんな逆風もなんのその。京都の人気観光エリア嵐山が、この状況を逆手にとったプロモーションを展開し、SNSを中心に大きな話題を呼んでいる。

自虐的なポスターで呼びかけ

嵐山にある5つの商店街で組織された「嵯峨嵐山おもてなしビジョン推進協議会」は今月、「スイてます嵐山~今こそ!おこしやす~」と銘打ち、プロモーションを開始。4種類のポスターを公開した。

約120頭のニホンザルが野生の状態で暮らしている「嵐山モンキーパークいわたやま」は『人間よりサルの方が多いとか久しぶり。』と自虐的なコピーを展開。約2時間の船旅が楽しめる「保津川下り」は、『今なら待ち時間なしで下り放題』と切ないメッセージで呼びかけた。

また、嵐山のランドマークとも言える風光明媚な「竹林の路」は『#竹林 #嵐山 #人いない #ナウしか #エモい』とInstagram風に。桂川にかかる渡月橋は『すいすい渡れてなんか、、、すいません。。。』と、ダジャレを掲載した。これらのポスターは嵯峨商店街や嵐山商店街など、嵐山にある5つの商店街で展示されている。

SNSで8000リツイートの大反響

2月19日、あるTwitterユーザーがこのポスターを「嵐山、めちゃくちゃ開き直ってました」とコメントを添えて紹介したところ、瞬く間に拡散され、8000件を超えるリツイートを獲得。「こういう逆手取りは好き」「やはり関西、転んだままではいてへんね!」「こういうたくましいところが好きよ、嵐山」など好意的な声が上がった。

今このタイミングだからこそ、空いている状況をアピールできるが、ご存知のように普段の京都は常に大混雑。以前、FINDERSでも取り上げたように、「オーバーツーリズム(観光公害)」によって交通機関・宿泊施設の不足や、地元住民の生活に支障をきたすなど、深刻な問題ともなっている。

観光地の経済は観光客によって成り立つ部分が非常に大きい。現在にように観光客の足が遠のいてしまうと、それだけで現地の経済は大打撃を受ける。現地の魅力を活用しながらも、観光客に依存しすぎない形で経済圏を創っていくことが望ましいだろう。

とは言え、ここまで空いている嵐山もなかなかお目にかかれないはず。ぜひとも足を運んでみてはいかがだろうか。もちろん感染予防はお忘れなく。