文:三川璃子
今月、今年最強のハリケーン「ドリアン」がカリブ海の島国バハマに直撃。40人以上の死者が出るほどの壊滅的な被害を及ぼした。
そんな中、バハマに住む1人の女性が97匹の野良犬を救ったと、世界中で注目を集めている。
自宅で野良犬を保護した女性にSNSで反響
その女性とは、バハマの首都ナッソーに住んでいるチェラ・フィリップさん。地元の野良犬と米国の養子縁組団体とをつなぐ保護団体のマネージャーをしている。フィリップさんはハリケーンが直撃する前日、ハリケーン「ドリアン」に襲われ命の危険に晒されることになる犬たちを助けたい一心で、97匹もの野良犬を自宅に迎え入れた。
フィリップさんは、大勢の犬でひしめき合う自宅の写真をFacebookに投稿。そこには、犬たちが落ち着いて過ごせている様子が確認できる。
「97匹の犬が家の中にいて、その内79匹が寝室にいます。昨夜からフンとおしっこでめちゃくちゃだけど、ベッドの上は誰も飛び乗ってきません」とフィリップスさん。家の中は音楽が掛かり、エアコンが効いているとのこと。
この投稿を目にした何千人もの人たちはフィリップさんの思いやりの心に感動。「私たちのヒーローだ」「彼らの天使になってくれてありがとう」「神のご加護がありますように」と称賛の声が寄せられた。
しかし、フィリップさんは他の多くの助けられなかった野良犬に対して嘆いており、『NBC News』の取材にも「97匹の野良犬たちは、この土砂降りの雨の一粒にすぎません」と答えた。
ハリケーン直撃後、フィリップさんの自宅は浸水と停電の被害を受けたが、「ストレスの多い夜を過ごしたが、無事に過ごしている」と語っている。
犬たちを救うため寄付が殺到
この投稿を目にした人により、フィリップさんの立ち上げていたクラウドファンディング「FundRazr」のプロジェクトには多くの寄付が寄せられ、目標金額の2万ドルを大きく上回る約9万ドル以上を調達。犬たちのドックフードや治療に充てるという。フィリップさんはハリケーンが去った後も、保護した犬たちの里親を探す予定だ。
フィリップさんの活躍は、災害時の動物たちの保護問題について、考えさせられるきっかけにもなったのではないだろうか。