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捨てられた子犬がシベリアの森を200キロ走り、ボロボロになりながら飼い主に会いに行こうとした話
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  • 2019.07.30
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捨てられた子犬がシベリアの森を200キロ走り、ボロボロになりながら飼い主に会いに行こうとした話

文:岩見旦

突然だが、あなたはペットに愛されているだろうか? 時には威嚇されたり、噛まれたりすることもあるだろう。

しかしあながた思っている以上に、飼い主という存在はペットにとってかけがえのないものなのかもしれない。

自分勝手な飼い主に捨てられ、飼育所に帰ることになった犬

およそ1年前、ロシアのノボシビルスクの飼育所で生まれた生後5カ月の子犬は、クラスノヤルスクのカップルの元に売られた。「マル」と名付けられ育てられていたが、半年経った頃、飼い主は動物アレルギーがあると言い出し、飼育所にマルを戻したいと訴えた。元々、飼い主は犬を手放す際、飼育所に連絡するという規約があり、飼育所のオーナーと相談の上、マルはこの飼育所に帰ることになった。

マルはシベリア横断鉄道に乗り、鉄道職員に付き添われながら移動していたが、パニック発作を起こし怯えていた。そしてクラスノヤルスクから200km離れたアチンスク近くの小さな駅に停車した一瞬の隙をついて、マルは電車のドアのハンドルに飛びかかって開け、電車から弾丸のように飛び出し脱出。シベリアの森の中へと消えていった。鉄道職員はマルの名前を叫んだが、戻ってくることはなかった。

鉄道職員はマルがいなくなったと飼い主に連絡。飼い主は飼育所のオーナーに捜索を依頼したが、飼い主は動物を探すことは拒否した。

飼育所のオーナーは『The Siberian Times』の後の取材に「本当に腹が立ちました。飼い主はまったく動揺していませんでした。犬が迷子になっても平気でした」と語った。そして、マルの捜索のため、SNSの投稿やビラまきで情報を集めようとした。

骨折を負いながら、飼い主の家の近くで発見

ところが2日半後、マルは驚くべき場所で発見された。なんとマルを捨てた飼い主の家の近くの工業地帯にいたのだ。マルは電車から脱出した後、シベリア横断鉄道を辿り、森の中を200kmにわたり走り、自らを捨てた飼い主に会おうとしていたのだ。

発見されたマルは足を骨折しており、肉球もボロボロ。鼻にも大きな傷を負っており、鉄道の堤防から落ちた時に負傷したと思われる。ボランティアが救助に赴いた時、マルは目には涙を貯めているようだったという。「幸運にも、マルはクマやオオカミに襲われなかった」と飼育所のオーナー。

その後マルはノボシビルスクの飼育所に戻り、両親の犬と再会。現在、怪我の治療を受けている。

「マルは飼い主の家を探すため走りました。犬は人にとても愛着があります」と話す飼育所のオーナー。一度飼ったら、最後まで責任を持って育てなければならないことを、改めて認識してほしい。


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