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文:岩見旦
自宅の電話に入電。受話器を取ると、そこから流れてきたのは自動音声ガイダンス。もしかしたら、その電話は個人情報を集めているのかもしれない。
機械音声で尋ねる謎の電話が今、SNS上で話題になっている。
高齢者の家の番号を探す電話
「大切なお知らせです。ガス給湯器を使っていたら1を押してください」
あるTwitterユーザーの元に、自動音声ガイダンスを使った電話が入った。1を押すと「世帯に70歳以下の人がいる場合は1、いない場合は2を押してください」と、続けざまに機械音声が流れた。実はこの電話は詐欺グループが高齢者しかいない家の番号を探して、無作為に電話を掛けている可能性があるという。
19日に投稿されたこのツイートは、現在2万2000件を超えるリツイートを記録。「ホラー映画よりゾッとした」「うちの留守電にも入ってた」「アポ電の自動化も近い」など、巧妙な詐欺に驚いた人からの意見が寄せられた。
このような電話は、ここ数年SNSによく報告が挙がっていた。その多くは公共機関を連想させる名称を名乗り、居住形態や給湯器の有無などを質問した後、家族に高齢者がいるかを尋ねるというもの。中には、自動音声の質問に答えた結果、営業電話が突然増えたという人もいた。
実際、東京ガスも、自動音声で電話を掛け「東京ガスのアンケート」と、年齢などの個人情報を搾取する不審な電話が蔓延していると注意喚起を行っている。
1カ月に52億3000万回以上のロボコール
自動音声ガイダンスによる着電は、欧米で「ロボコール」と呼ばれ、社会問題となっている。
電話の遮断サービスを提供する米YouMailによると、今年3月のロボコールは52億3000万回を突破し、過去最高を記録。米連邦取引委員会(FTC)は今年3月、ロボコールを億単位の回数にわたって発信した業者4社に対し罰金を課した。
この海外で流行しているロボコールが、ついに日本に上陸したのではという指摘もSNS上には挙がっている。
先日、「若者は電話に出ない」問題という記事がSNS上で注目を集めた。堀江貴文氏も電話は「自分の時間」を奪う最たるものとして、否定的に捉えている。今後、欧米のようにロボコールが急増したら、誰も電話を取らない未来がやってくるのかもしれない。