BUSINESS | 2025/03/04

「日本一の書店フェアが決定」
初代チャンピオンはMARUZEN&ジュンク堂
書店 新静岡店の久保田理恵さん

OVOL 日本紙パルプ商事 presents Book Fair Championship
初代チャンピオンベルト贈呈式が開催

文・カトウワタル (FINDERS編集部)

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「書店で働いている人たちを元気に!」 日本で一番面白い書店フェア企画を競い合う

日本で一番面白い書店フェア企画を競い合う 「OVOL 日本紙パルプ商事 presents Book Fair Championship (BFC)」 は、全国154件のエントリーから 「ベスト10書店フェア」 ならびに協賛企業賞を決定、初代チャンピオンベルトの贈呈式を2025年3月3日(月)にジュンク堂書店 池袋本店で開催した。

BFCは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 (CCC) が運営する 「梅田 蔦屋書店」 の店長であり、ひとり出版社 「書肆汽水域」 としても活動を行う北田博充が実行委員長を務め、書店からは、蔦屋書店、丸善ジュンク堂書店、正和堂書店など、出版社からはライツ社、クロスメディア・パブリッシングも参画する出版業界横断プロジェクトとして行われた取り組みだ。

全国の書店員が応募した書店フェアの企画は、書店員の創意工夫に溢れており、選考は困難を極めたが、滝口悠生 (小説家)、三宅香帆 (文芸評論家)、久禮亮太 (フラヌール書店) が審判員を務め、最終的に選ばれたベスト10のフェアから、初代チャンピオンに MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店久保田理恵さん の 「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」 が決定した。

初代チャンピオンに輝いた 「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」

見事初代チャンピオンに輝いた MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 の久保田理恵さんのフェア企画 「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」 は架空の人物・新社会人の 「本庄静子(22)」 を応援するフェア。

初めての一人暮らしや仕事に悩みつつも、美容や趣味も頑張りたい彼女の新生活を応援するため、各ジャンルの担当と相談しながら参考になる本を集めて展開。朝食/お化粧/仕事術/家事関係/スキンケア/趣味などの項目に対して5~8冊ほどの本をセレクトし、期間中に入れ替えをしながら変化のある棚づくりを心掛けたという。架空の人物ではあるものの、かなり細かく設定を作り、棚のPOPにも静子についてどんな人物なのかを貼り出した。

同店の来客層は20代・30代の女性が多く、同じ悩みを抱えていそうなこの年代にターゲットを絞ったフェアだ。Xで発信を行ったり、オリジナルのフリーペーパーを作成したりと、発信活動にも力を入れた。

受賞にあたり久保田さんは、

「154人もの書店員の中から選んでいただき、心から感謝しています。正直なところ、まだ実感が湧きませんが、このような光栄な機会をいただけたことに非常に嬉しく思っています。(中略)今回のフェアは、今後も展開予定があり、ぜひお店で見ていただけると嬉しいです。これからも、皆さんと共に楽しさや感動を共有できるような企画を続けていきたいと思っていますので、引き続き応援をよろしくお願いします。」

とコメントを残した。

MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店 久保田理恵さん

また第2位には、選書した本を一冊ずつ並べて、たった一人のお客様に届けるという架空の書店を想定した HMV&BOOKS SHINSAIBASHI 岡田菜織さんが企画したフェア 「一冊書店」 が、第3位には TSUTAYA中万々店鎌倉綾さんが企画したマッチングアプリを意識して各本の 「プロフィール」 を作成、POPとして展開した 「中万々店では1冊も売れてない悲しい俺だけどそれはキミに出会うためだったんださよならなんて言わず今すぐ連れて帰ってくれないかフェア」 が選ばれた。

第2位に選ばれたHMV&BOOKS SHINSAIBASHI の岡田菜織さんが企画したフェア 「一冊書店」 
第3位 TSUTAYA中万々店 の鎌倉綾さんが企画した 「中万々店では1冊も売れてない悲しい俺だけどそれはキミに出会うためだったんださよならなんて言わず今すぐ連れて帰ってくれないかフェア」 

新日本プロレス 棚橋弘至が初代チャンピオンにチャンピオンベルトを贈呈!

新日本プロレスの代表取締役社長 兼 選手の棚橋弘至

贈呈式に出席、初代チャンピオンベルトを贈呈した新日本プロレスの棚橋弘至は、今回の取り組みの感想や自身の読書観についてコメントを求められると、

「僕の読書習慣は、高校時代に国語の成績を上げるため、先生のアドバイスから始まりました。最初に手に取ったのは推理小説。夢中で読み漁るうちに、国語の成績も飛躍的に伸びました。本との出会いが、僕を大きく成長させてくれたのです。

今回、チャンピオンとなった久保田さんは、次回初めての防衛戦です。次回のフェアでは、読書家の方々の予想を超えるようなサプライズがあっても面白いかもしれません。僕も3日後のタイトルマッチに向け、久保田さんと並んでチャンピオンベルトを掲げられるよう、全力で挑みます。

BFCへのエントリーに迷っている書店員の方も、ぜひ一歩踏み出してください。挑戦しなければ何も変わらない。でも挑めば、その経験が必ず自分の力になります。行動することにこそ価値があるのです。今後のBFCも楽しみにしています。」


と語った。

また実行委員長を務めた北田博充も、

「今回、154件ものエントリーが集まったことが、何より嬉しかったです。書店の現場で働いていると、発注業務やレジ業務など、毎日が本当に忙しく、1日8時間働くだけで疲れ切ってしまうこともあります。そんな中で、これだけ多くの書店員が創意工夫を凝らし、お客さんに喜んでいただこうと企画を生み出していることに、改めて感動しました。私自身、このBFCを通して書店員という仕事の素晴らしさを改めて実感しています。」

とこの取り組みに対する手応えを語った。

第2回 「防衛戦」 の開催も決定

「Book Fair Championship (BFC)」 は、フェアや書店員を全国に広め、書店員の企画意欲を掻き立て書店を魅力的ものとし、多くの読者が足を運ぶきっかけになることを目指しており、第2回の開催もすでに決定、主催するBFC実行委員会も 「初代チャンピオンベルトの防衛戦もについて、2025年10月より防衛戦のチャレンジャー (フェア企画) の応募開始を予定しております。」 とコメントを発表している。

実行委員長を務めた北田博充

スマートフォンの普及やデジタル化の流れにより、書店離れ、読書離れが言われて久しい中、この取り組みがますます盛り上がっていくことに期待したい。


第2回 BFC スケジュール
募集期間:2025年10月1日(水)~11月30日(日)​
・2025年11月30日(日): エントリー〆切 (23時59分)
・2025年12月22日(月): ベスト10発表
​・2026年2月2日(月): チャンピオン発表およびチャンピオンベルト贈呈式

以後、年に1回チャンピオンベルトの防衛戦を実施予定

BFC実行委員会 ※順不同、敬称略

実行委員長
北田博充(梅田 蔦屋書店 店長)

実行委員
野上 由人(NICリテールズ 執行役員)堀内 理(ジュンク堂書店 三宮店 店長)三浦 明子(株式会社丸善ジュンク堂書店)高野 翔(ライツ社 代表取締役社長 営業責任者)大塚 啓志郎(ライツ社 代表取締役社長 編集長)有佐 和也(ライツ社)小西 康裕(正和堂書店)福谷 香里(梅田 蔦屋書店)岡田 基生(クロスメディア・パブリッシング)濱中 悠花(クロスメディア・パブリッシング)佐藤 裕美(パイ インターナショナル)鈴木 雄大(ディスカヴァー・トゥエンティワン)下八川 薫(CCC)小山 嵩之(CCC)多田 大介(CCC)

協力
ブックセラーズ&カンパニー

Book Fair Championship (BFC) 特設サイト
https://book-fair-championship.com/