CULTURE | 2024/06/17

「東京いい店はやる店」が刊行!美食生活40年の元編集長が「グルメの現代史」を総ざらい

文藝春秋社「東京いい店うまい店」の元編集長、当代屈指の美食家 柏原光太郎著

FINDERS編集部

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要チェック店満載!40年間におよぶ外食業界の変遷

6月17日、新潮新書より「東京いい店はやる店  バブル前夜からコロナ後まで」が刊行された。著者の柏原光太郎氏は、文藝春秋社『東京いい店うまい店』の元編集長で、本書は自身の美食経験とともに東京を中心としたここ40年ほどの外食業界の変遷を記した「グルメの現代史」をまとめたものだ。

40年前の東京は、フランス料理やイタリア料理はまったく一般的な食べ物ではなく、バブル前夜に本格派のフランス料理のレストランが登場、その後バブルと共に「イタ飯ブーム」がやってきて、ようやく東京の街で、「洋食」でない西洋料理のレストランが根付いた。

その後、90年代には空間プロデュースや演出に工夫をこらしたエンタメレストラン(グローバルダイニングや際コーポレーションの店舗群が代表)が隆盛、ぐるなびや食べログの登場やミシュランの上陸もあり、外食産業は瞬く間に拡がりを見せ、今や東京は「世界一の美食都市」として認知されるに至った。

また最近では、インバウンドの増加で「そこで食べるために旅をする」デスティネーションレストランが地方にも数多く現れ、東京でも再開発により続々と建設が進む高層ビルの上層階などに超高級店が次々と登場するなど、本書ではこうした「外食グルメの歴史」がざっと理解することもできる。

著者の柏原光太郎氏は、フーディーの世界では当代屈指の美食家として有名。先に紹介したように勤めていた文藝春秋社では『東京いい店うまい店』の編集長を務めるなど、40年の美食生活で訪れた店の数にも驚かされるが、還暦を過ぎた現在も旺盛に新店舗を訪ねているという。

FINDERSにおいては、これまでも食や外食産業に関する記事を取り上げ、さまざまな店舗を紹介してきたが、本書に登場する店舗はかつて人気を博した伝説の店から、誰もが訪れたことがあるチェーン店など、40年の歴史とともに気軽に読むことできる本だ。

本書を手に取り、次に訪れてたい店を決めてみてはいかがだろうか。

柏原 光太郎
1963年東京都生まれ。ガストロノミープロデューサー。「一般社団法人日本ガストロノミー協会」会長、「食の熱中症学校」校長、食べログのグルメ著名人。慶應義塾大学経済学部卒業後、文藝春秋社に入社。『東京いい店うまい店』編集長、文春文庫編集長、デジタル戦略事業局長などを歴任。著書に『「フーディー」が日本を再生する! 日本美食立国論』がある。

書籍データ

東京いい店はやる店 バブル前夜からコロナ後まで

著者:柏原 光太郎
発売日:2024年6月17日
造本:新書
本体定価:858円(税込)
ISBN:978-4106110450

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