EVENT | 2021/11/28

「指示待ち人間」はアフターコロナで通用しない!業界問わず活躍できる自律型人材になるための「5つの力」【連載】森若幸次郎のイノベーションのレシピ(4)

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近年、終身雇用制度の衰退やジョブ型雇用の導入、コロナ渦での急速なテレワーク...

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近年、終身雇用制度の衰退やジョブ型雇用の導入、コロナ渦での急速なテレワークの推進など、私たちを取りく働き方は大きく変化してきました。このような社会の変化に伴い「自律型人財」が求められるようになりました。

私は、自律型人財を「自ら問題提起をし、課題解決や目標達成に向けて自ら進んで行動し成果を出す人財」であると考えています。上司の指示に従っていれば良いとされた時代は終わったのです。

森若幸次郎(John Kojiro Moriwaka)

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山口県下関市生まれ。19歳から7年半単身オーストラリア在住後、医療・福祉・介護イノベーションを目指す株式会社モリワカの専務取締役に就任。その後、ハーバードビジネススクールにてリーダーシップとイノベーションを学び、卒業生資格取得。約6年間シリコンバレーと日本を行き来し、株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業。近年はNextシリコンバレー(イスラエル、インド、フランスなど)のスタートアップエコシステムのキープレーヤーとのパートナーシップ、そして英語での高い交渉力を活かし、スタートアップ、大企業、ベンチャーキャピタルなどの支援を行う。

社会の変化に伴って「求められる人財」も変化した

自律型人財は、スタートアップのアントレプレナー(起業家)のように、社会の課題を解決したり、世の中に新しい価値を生み出したりすることを期待されています。企業が社員に「起業家のようであれ」と求めていると聞くと、ハードルが高すぎると思うかもしれません。しかし、人々の価値観が多様化し、ニーズが日に日に変化していく今、従来の強みに頼り続けるのではなく、新たな価値を生み出したいと模索する企業も多いのです。

そうした中で、イントラプレナー(社内起業家)や新規事業担当者が国内外のスタートアップと連携してオープンイノベーションを生み出そうとしている人々に注目が集まっています。彼らが成功することで、企業は新たな強みを手にすることができるからです。

さらに、コロナ禍の影響で新たにテレワークを導入した職場では、従来の社員教育が十分に行えないケースもあったことでしょう。このような経験を通じ、先行き不透明な社会で頼りになる自律型人財が必要だと多くの人々が気がつきました。これまで良いとされていた「上司の指示に素直に従う」だけの社員では、アフターコロナの世界で成果を出すには不十分なのです。

これからの時代は、前例のない場面でも、顧客を喜ばせるにはどうしたらいいか、プロジェクトを成功させるためにはどうしたらいいかを自ら考え行動し、成果を出すことを求められます。自律型人財にならなければ、これからの時代を生き抜くことは困難だと言っても過言ではないでしょう。

自律型人財が持つ5つの力

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では、自律型人財になるには、どのような力を身につければ良いのでしょうか。

私は、以下の5つの力が必要であると考えています。

(1)変革力
(2)共感力
(3)目標達成能力
(4)チームワーク力
(5)価値創造力

それぞれの力を育成するためにあなたが挑戦すべきことをお伝えしましょう。

(1)変革力
変革を起こすために失敗を恐れずに挑戦していくイノベーションマインドです。チャレンジ精神というとイメージが湧きやすいかもしれませんが、闇雲にチャレンジするのではなく、「何をどう変革したいのか」「変革後は現状より何がどう優れた状態になっているのか」を念頭に置き、よりよい状態に近づくためにチャレンジを行います。そのような視点から言うと起業家が持つアントレプレナーシップ (起業家精神)に近いでしょう。

 あなたが挑戦すること

 ・現状に「Why?」と問いかける
 ・ビジョンを持つ
 ・何があってもやりきると決意する

(2)共感力
「自律」といっても独りよがりな判断をしてよいわけではありません。会社員であれば、その企業のビジョン・ミッション・バリューをしっかりと理解し、共感しましょう(本来は共感した企業に入社していると思います)。会社の目指す方向と自分の目指す方向が一致していれば、物事を判断する際に迷いがなくなり、決断のスピードが増しますし、判断内容も会社にとっても好ましいものとなるでしょう。

予測不能な社会では、前例のない判断を迫られる場面も出てきます。「なぜこのような判断に至ったのか」を説明する際に、会社のビジョンに基づいた判断だと伝えることができた方が周囲の支持を得られるでしょう。

 あなたが挑戦すること
 ・企業のビジョン・ミッション・バリューを理解し、共感する
 ・自分のビジョン・ミッション・バリューを理解し、企業との共通点を見つける
 ・プロジェクトや協業先のビジョン・ミッション・バリューを理解し、自社および自分との共通点を見つけ、それらを達成するための判断や企画の提案をする

(3)目標達成能力
定めた目標を達成するまで諦めないでやり続けることができなければ、素晴らしいビジョンが描けたとしても実際に世界を変えることはできません。「継続なくて成果なし」と言えます。インターネットの普及により誰でもどこにいても有益な情報を手にいれることができるようになりました。しかし、手にした情報をもとに実際に成果を出すまで行動できる人は一握りです。

また、目標設定自体も適切かどうか見極めなければなりません。これからの時代に求められる「自律型人財」になるには、周囲の期待値を上回る目標を立てて達成していくことが大事です。周囲の期待に応えるだけでは、自分自身の価値を提供しているとは言い難いからです。

例えば、会社から与えられる目標というのは、あなた自身ではなく「あなたのいるポジション」に対して与えられているものです。そこであなた自身の価値を出すには、より高い目標を個人的に立て、達成に向かって行動し続けることが必要になります。そうやって常に「期待以上のものを提供しよう」と心がけることで自分自身が向上し、より良い成果を出すことができ、会社や顧客にも喜ばれるという好循環が生まれます。

あなたが挑戦すること
・周囲が自分にどのような期待をしているかを知り、期待以上の目標を立てる
・すでに圧倒的な成果を出している人の本や先輩から学び、成功の秘訣を行動に取り入れる
・調子の良い悪いに左右されずに目標達成まで行動し続けるために、目の前の成果に一喜一憂せずに楽観的に努力すること自体を楽しむ

(4)チームワーク力
周囲を巻き込んでプロジェクトを進めるコミュニケーション能力の高さも大切です。特に自律型人財は既存の方法にとらわれず、イノベーションマインドを持って行動していくわけですから、自ずと新しいプロジェクトの提案者になったりとリーダーシップを発揮しなければならない場面に遭遇する可能性が高くなります。その際に良いチーム作りができるかどうかで進捗度や目標達成度は変わってきます。

「自分がメンバーの中心となって物事を進めていくんだ」という自覚を持って、各メンバーの長所を活かす仕事の割り振りをすること、常に笑顔と感謝を忘れないこと、チームでビジョンの共有をすること、誰よりも目標達成に向けて情熱的であることを心がけると良いでしょう。

 あなたが挑戦すること
・自分がチームの中心となって物事を進めるという自覚を持つ
・メンバーの良さを活かす工夫、メンバーとビジョンを共有するための工夫をする
・メンバーへの感謝はこまめに表現し、誰よりも目標達成に向けて情熱を注ぐ

(5)価値創造力
潜在的ニーズやまだ誰も気がついていない課題を見つけ出し、解決へ導く新しい商品や仕組み、サービスを提供しましょう。すでに顕在化したニーズや課題だけに目を向けるだけではなく、まだ誰も気がついていないニーズや課題を発見しようとする探究心を忘れないでほしいのです。

「スティーブ・ジョブズは、顧客へのヒアリングをせずに自らの仮説をもとに新製品を生み出してきたではないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし、これは彼だからこそなし得る技で再現性は低いと思われるし、アップルもデザイン思考で有名なデザインコンサルファームのIDEOとのコラボによる製品作りもしていました。

その他の多くのシリコンバレースタートアップを見ても、世界にはどのような課題があり、それをどう解決するかを考え抜き、アジャイルでプロトタイプを製作して、顧客へのヒアリングを繰り返しているケースが多く見られます。

UberやAirbnbを育てた世界No.1のアクセラレーター、Yコンビネーターの教えも「人が欲しがるものを作れ!」であり、そのために手始めに100人の有料ユーザーを集め、とにかくヒアリング&改善を繰り返すことが大切だとされています。

人は、自分自身が本当に欲しいもの、本当に困っていることを自覚しているとは限りません。それは潜在的ニーズ・課題を発見しようと試みることで初めてわかるものであり、それらを見つけた企業が世界的インパクトを生み出すサービスを提供できているのです。

 あなたが挑戦すること
・潜在的なニーズや課題を発見することへの探究心を持つ
・「本当に欲しがっているものは何なのか」と問い続ける
・多くのユーザーの声をヒアリングし、改善を繰り返す 

ここまで、「自律型人財」が持つ5つの力についてお伝えしてきましたが、これらの力は、今後、仕事で成果を出す上で欠かせないものであると同時に、業界や業種に縛られないために必要な力でもあります。特定の分野の人にしか身につけられない力ではなく、先行き不透明な社会でも自分自身の力で切り開いていこうと決意し行動に移せば、身につけていくことができます。どうなるかわからない未来に怯えるよりも、自分自身が未来を作っていくという前向きな気持ちで日々を過ごせる人が一人でも増えたらいいなと願っています。