文:岩見旦
長引くコロナ禍で、語学学習のニーズが世界的に高まっている。グローバル展開する語学学習アプリ「Duolingo」は2020年3月、新規ユーザーがその1年前と比べ300%増加したという。
そんな中、単語検索ツール『Wordtips』は世界各国で語学学習をするに当たり、どの言語が最も人気があるかを調査。Googleキーワードプランナーを利用し、2020年5月から2021年5月の期間において、それぞれの国での「~の言語を学ぶ」(それぞれの言語にて)の検索回数を集計し、マップにした。
最も人気のある語学学習の言語は英語
拡大してご覧になりたい方はこちらから
最も多くの国で学びたいと思われている言語は「英語」で、98カ国で選出された。英語は現在、最も多くの人に話されている言語であり、非ネイティブを含め11億人が使用している。地球上の5人中1人と英語でコミュニケーションが取れるのだ。今後も世界の共通語であり続けるだろう。
そして驚くべきことに、我らが「日本語」もアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏を中心に選ばれた。これは日本のアニメやマンガの影響が大きいようだ。北米では1990年代から日本のポップカルチャーが浸透。今年4月には、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、アメリカ国内で公開された外国語映画のオープニング興行成績で歴代1位に輝いたことも記憶に新しいだろう。
一方、南米に視線を移すと、ペルーとチリで「韓国語」が選出されている。これは言うまでもなく、K-POPによるものだ。BTSを始めとした韓国人アーティストが国境を超えて人気を博していることが分かる。
また、「アラビア語」はバーレーン、エジプト、ヨルダン、クウェート、レバノン、モルディブなど、中東をメインに12カ国で選ばれた。
ウクライナで「ウクライナ語」が学習されている理由
東ヨーロッパのウクライナでは、最も学習されている言語として「ウクライナ語」が選ばれた。ウクライナは二言語社会であり、国民の7割がウクライナ語を母語としているが、ロシア語も3割を占める。ウクライナとロシアの緊張状態が続く今、ロシア語を母語とするウクライナ人がウクライナ語を学ぼうとしていると考えられている。
ユカタン半島南部の国ベリーズは、中米で唯一の「中国語」だ。2000年の国勢調査によると、人口の0.7%にあたる1716人の中国人が住んでおり、1607人が中国語を話すという。1800年代に中国人の移民が労働者として流入し、近年は国際協力の一環として、台湾から移り住んだ移民がこの国でビジネスを行っている。
このマップをつぶさに見てみると、他にもそれぞれのお国事情を汲み取ることができそうだ。