CULTURE | 2023/09/11

なぜ3Dプリンターは「街づくり」と相性が良いのか。中都市・鎌倉の街で今起きる変化

取材・文:赤井大祐(FINDERS編集部) 写真:舩岡花奈(FINDERS編集部)
ものづくりの新しい手法として少しず...

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取材・文:赤井大祐(FINDERS編集部) 写真:舩岡花奈(FINDERS編集部)

ものづくりの新しい手法として少しずつ普及が進む「3Dプリンティング」。これを「街づくり」に活かす取り組みが進んでいることをご存知だろうか。

「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』の共創拠点」と題されたこのプロジェクトは、鶴岡八幡宮などで知られる神奈川県鎌倉市が、ゴミの資源化や、付加価値をつけ新たな活用先を見出す「アップサイクル」を推進するための有機的なシステムを作り上げようというもの。慶應義塾大学を代表機関として、鎌倉市と地元企業である株式会社カヤックがそれぞれ幹事となる、産官学連携による取り組みだ。

今回はプロジェクトリーダーである、慶應義塾大学SFC環境情報学部の田中浩也教授に、クリエイティブ視点で取り組みについて話を伺った。

記事の前半ではプロジェクトの概要と、そこで重要なキーワードとなる「循環者」というコンセプトについて。そして後半では、日本的な街づくりのクリエイティビティの発揮方法や、今後、街づくりや地域に求められるクリエイティブ人材のあり方について伺った。

田中浩也

環境情報学部 教授 博士(工学) デザイン工学

1975年 北海道札幌市生まれ のデザインエンジニア。専門分野は、デジタルファブリケーション、3D/4Dプリンティング、環境メタマテリアル。モットーは「技術と社会の両面から研究すること」。国の大型研究プロジェクトとして、文部科学省COI (2013-2021)「感性とデジタル製造を直結し、生活者の創造性を拡張するファブ地球社会」では研究リーダー補佐を担当。文部科学省COI-NEXT (2021-)「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」では研究リーダーを務めている。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、世界初のリサイクル3Dプリントによる表彰台制作の設計統括を務めた。

「中都市」が日本を救うキーワード

鎌倉市(Photo by Shutterstock)

―― まずはプロジェクトの全体について、そしてプロジェクトのキーワードである「循環者」とはどういったものか教えてください。

田中:「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」というJST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)の研究プロジェクがあって、そのなかの「地域共創分野」という、大学が中心となって自治体や地域の企業と連携し、産官学で街の課題と向き合い社会を変えていこう、というのが大きな枠組みです。

その中で私たち慶應義塾大学は、2023年から2032年までの10年間をかけて「鎌倉を日本の循環型まちづくりの聖地にしよう」というプロジェクトを提案し、採択していただきました。

―― 「聖地」ですか。なぜこのテーマになったんですか?

田中:まず鎌倉市は過去30年間でごみの量を6割減らしてきており、全国10万人以上の都市でのリサイクル率は1位。全国平均が19%程度に対して52.6%と素晴らしい数字を持っていますが、そこをもっと伸ばしていきたいと考えたことが一つの理由です。10万人以下の都市を含めれば、すでにリサイクル率が80%を越えている街もあるんです。

一方で、鎌倉市では2025年までに市内のごみ焼却施設を完全停止することが決まっています。逗子市の施設と民間の施設を活用していくことになると聞いていますが、これまで以上に、まず鎌倉から排出されるゴミを減らす努力が求められているということでもあるわけです。

こうした社会背景を知り、私達は、デジタルの活用や微生物の力を借りるなど、大学の基礎研究から生まれた新しいアプローチを導入しつつ、市民と一緒に課題解決を進めたいと思ったのです。ちなみに、市民と一緒にと言いましたが、実は私自身も10年以上鎌倉市民です。

それが「循環者」の話に繋がってくるのですが、鎌倉市の持っている最大のパワーとはなんなのか、ということをプロジェクトのメンバーで話し合い、それは「新しい市民力」であると結論づけました。そしていま、わたしたちひとりひとりの生活者が、「消費者」である自分と、「市民」である自分とを、もうひとつ高次に統合していけるのではないかと思っているのです。

田中浩也教授

――どういうことでしょうか?

田中:例えば私が店で物を買うときは経済社会の中の一部なので、「消費者」という立場で買いますよね。企業の会議では、購入者のことを「消費者」と呼びます。でも買ったものを最終的に捨てるときは、朝早くごみステーションに出しにいくと思いますが、その時の私は「市民」なんです。行政のごみ回収の仕組みに参加しているからです。選挙や地域活動など、自治体やまちの公共活動に参加しているときの自分の状態をここでは「市民」と呼んでいます。

つまり「消費者」として物を買い「市民」として物を捨てている。そして今私たちが目指すべき「循環型社会」や「サーキュラーエコノミー」といった環境負荷を減らしていくための取り組みは、「消費者」である私たちに向けられているのか、「市民」である私たちに向けられているのか、いまいち判然とせず、混沌とした状況であるように思います。

ーー たしかに、「消費者としてのマナー」や「市民としての義務」といった考えはありますが、責任の所在もモチベーションも曖昧ですね。

田中:しかしいま、民間企業と自治体がタイアップして、使わなくなったものを回収したり、再資源化しようとする取り組みが増えてきています。では、そこに参加する人々のことを何と呼ぶのか?消費者なのか市民なのか?実際はその両方が混ざっているので、当てはまる言葉が無いのです。そこで「循環者」という言葉をみんなで使っていこう、という呼びかけをすることにしました。

そして今回のプロジェクトも、街の経済システムや自治体のゴミ回収システムも含め、まちづくりを全て「循環者」という立場から見直してみたらどのような未来が描けるだろうか、というものでもあります。

―― たしかに鎌倉は消費もするけど、環境意識の高い「循環者」的な人が集まる地域であるというイメージはあります。なにか理由があるのでしょうか?

田中:地域のいろいろな方と議論していくと、鎌倉にまつわる3つの要素が関係しているのではないかと思うようになってきました。

1つは街がもつ「歴史の長さ」。鎌倉市は鶴岡八幡宮をはじめ、鎌倉時代の物が多く残っており、その感覚は市民に浸透しています。そうすると「物は直しながらなるべく長く使う」修理、修繕といったロングライフな感覚が根付いてくるんです。近年では、「ストック型社会」とも言われますが、世代をまたいでまちの資産を継承していく感覚が、無意識に浸透していくのは、歴史的な文脈を持っている地域のよさの一つだと思います。

2つ目が山と海に囲まれていることです。自然との多様な接触が多く、いわゆる「ネイチャーコネクテッド」と呼ばれる状態で、自然を大切にし、環境を配慮した行動をしようという気持ちになりやすいといわれます。また、地球環境問題をダイレクトに体験することにつながります。2018年には、由比ヶ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上がり、解剖の結果、胃の中からはビニール袋が見つかったそうです。死因はプラスチックによるものではなかったものの、ごみ問題に関する市民の関心がさらに高まるきっかけになっています。

3つ目は鎌倉市が人口17万人の「中都市」であることです。この規模感が重要で、つまり日本の課題を考えようとするとつい、都市型のライフスタイルの「大都市」と、自然に恵まれた「地方」といった二極で考えてしまいますが、その両方の特性が混ざり合った「中都市」は、ある程度の規模感を持ちながら、新しいことにも柔軟にチャレンジしていける土壌があると思うのです。この「中都市」というキーワードはこれからの日本再生の鍵になるのではないか、とも思っています。

紙ストローともおさらば?微生物の可能性

Photo by Shutterstock

―― プロジェクトでは具体的にどのような取り組みを行っていくのでしょうか?

田中:プロジェクトには「社会でまわす、地球にかえす、未来へのこす」というサブタイトルをつけています。循環に参加するといっても、いろいろな参加の仕方があるのです。

「社会でまわす」に当てはまる取り組みのひとつに「しげんポスト」があります。これは花王さんや、カヤックさんと、産学官コンソーシアムで取り組んでいるもので、市内3箇所に設置したポストで、洗剤の詰め替え用パック製品のみを回収し、同一の製品に水平リサイクルで戻したり、また別のアイテムをつくったりします。

面白法人カヤック ウェブサイトより

次に「未来にのこす」の取り組みを紹介しましょう。これは、いろいろな種類のプラスチックや、地域のコーヒーかすなどの食品残渣をブレンドして耐久性の高い状態にし、より長く、まちで使われるものをつくろうというものです。たとえば、われわれのラボにある1メートルまでつくれる大型3Dプリンタを用いて、こどもの遊具などをつくっています。

プロジェクトで制作された「おかえり遊具」

―― そして「地球にかえす」ですね。

田中:これは主に微生物の研究になります。プラスチックを土に返すと分解して地球にかえしていく、ということですね。「微生物が分解できる生分解プラスチック」を作るという考え方もありますが、私たちの研究グループの微生物班の専門家は、すでに普及している一般的なプラスチックでも分解してくれる新しい微生物の研究をおこなっています。

実はこの微生物自体はすでに存在しているのですが、まだまだ分解速度が遅いので、この分解スピードを上げていくことが当面の課題だそうです。この研究のアプローチが実現すれば、ペットボトルや、プラスチックのストローだって分解できるようになります。

―― これが実現すれば紙ストローを使う必要もなくなりそうですね。

田中:そうですね(笑)。この3つの「循環」を、それぞれを鎌倉の街の中で同時に展開しながら、少しずつ連携させていくことになります。

日本式、100年残る街づくり

―― 先程の「ストック型社会」にも通じる話ですが、プロジェクト発足にあたっての講演で「数百年残るものづくり」という言葉をおっしゃっていまいたね。「数百年残る」といっても日本は環境的にスクラップ&ビルド的なやり方を行ってきたわけで、欧米式の石で作られた建築物がずっと残っているような状況とは異なりますよね。日本的な「数百年残る」というと、どういったものづくりのかたちが考えられるのでしょう?

 田中:これはとても大切な議論ですね。たとえば熊本城の城内の壁の中にかんぴょうが入ってることをご存知ですか?

―― かんぴょうってあの、食べ物のかんぴょうですよね。

田中:城を攻められて食料が尽きたときは、壁からかんぴょうを取ってきて食べる想定だったそうです。もしこれが石の建築だったら成立しないじゃないですか。でも食べ物になるかもしれない建材を残すって、すごく日本的なエピソードだと、友人から聞きました。

つまり、なるべく長く残すんだけど、何かあったときには取り出して別用途で使うということも同時に担保してあるんですよね。その友人が言うには、「フロー」というのは短期的に循環するものを指し、「ストック」というのはなるべく長く残すものを指すとすれば、さっきの壁っていうのは「フローの要素も持ったストック」ではないかと。どちらかではなく、その中間なんです。主目的と副目的が同時に保持されているといってもいい。

私たちもこの世界観には影響を受けていて、さきほどの子供の遊具などをつくる際に、できるだけ長く残すんだけど、何かあったら取ってきて別のものに変えて使う、そういう可能性は常に残しておくようにしています。

―― 遊具もいざというときは別の用途があるのですか?

田中:ここでようやく3Dプリンティングの話が登場するわけですが、3Dプリンタでものをつくると、半強制的に「接着剤を使わない」「ジョイントを使わない」設計になります。そうなると、一種類だけの材料を使うか、また材料を複数使ったとしても、それぞれ分離できる状態になっているんです。使い終わった物を私たちのラボに持って来れば、ペレットという粒状に戻して、3Dプリンターの素材として再利用できるんですよ。なので、また別のものにつくりかえることができます。

―― 再利用のサイクルはどの程度なのでしょう?

田中:それは、使用している期間や、屋外で紫外線に晒されている期間によって変わります。劣化してきた場合、都度新品の材料を少しずつ混ぜながら、継ぎ足しの秘伝のタレみたいな運用になっていきます。そして最終的に、もうどうしようもなく使えない状態になってしまったら、微生物に分解してもらうという世界観を持っています。

あとプラスチックだから別の材料と混ぜられるのも大きなメリットの一つです。コーヒー豆のかすと混ぜたり、他の食べ物と混ぜたりとか。それでまた新しいデザインができるんですよ。これはプラスチックという材料の認識が変わってくると思いますし、実は特定の食品残渣を混ぜると、土の中に埋めたときに微生物による分解が促進されるという研究例もあります。

ラボ内には3Dプリンターで作られたさまざまなアイテムが置かれている

―― 田中先生の専門でもある3Dプリンティングに関するお話をもう少し伺えればと思います。今回の取り組みは「3Dプリンティングによる街づくり」といった側面もあると思いますが、どのようなメリットがあると考えますか?

田中:「その地域に合った、オリジナルの公共品が作れるようになる」ことですね。「公共品」って、みんなの意見を取り入れた結果、差しさわりのない普通のものになりがちだと思うんですよね。しかし本来は、そのまちのアイデンティティを体現するものであってほしい。

その地域の未利用資源を使って、地域の気候や雰囲気に合った世界で1つの遊具が地域の公園に置かれる、というような世界を具体化していきたいです。

3Dプリンターによって作られた不思議な形のベンチ /3Dプリント:エス.ラボ(株)/デザイン:株式会社  積彩

―― 3Dプリンティングによってその場所に最適なものを作り出すというのは理解できるのですが、これを公共のスペースに実装するとなると、それは行政が主導することになるのでしょうか?

田中:行政やメーカー、大学それぞれが独立していては無理なんですよ。まさに連携して、産官学連携で新しい仕組みをつくっていかなければいけない。その際、一番重要なのは産官学ではなくて市民です。わたしたちも市民と触れ合う機会を増やしたいと思っています。また、鎌倉市ではデジタル上で市民が合意形成に参加できる「Liquitas」というプラットフォー厶を導入しはじめており、意思決定や合意形成のアプローチも少しずつ方法は変わってきています。こんなふうに、多方面から、次の10年を考えるための要素技術が出揃ってきています。いま大事なのは、それらを新しいまちづくりに向けて連結させていくことだと思います。

これからの時代、社会に求められるクリエティブ職

大型3Dプリンタを前にした小学生向けワークショップの様子 

―― これまでの伺ってきた取り組みに対して、FINDERSの読者であるクリエイターや近しい産業にいる人はどのように関わっていけるのかを伺いたいと思います。鎌倉市との取り組みをされている中で「プロジェクトにこんな人がいたらいいのに」と感じたことはありましたか?

田中:それでいえば、「橋渡し」と「アウトプット」を同時にできる人の重要性はとても感じています。たとえば行政の現場ってまだまだデザイナーがほとんどいないわけです。行政とデザインという2つをうまく繋げられる人が重要だと感じています。そして、ただ繋げるだけだと、会議をするだけになってしまいますよね(笑)。そうではなく、目標を決めて、スケジュールを引き、アウトプットへ向けて推進していくことも重要です。

こうした、いくつもの組織を束ねてプロジェクトを推進する際に一番大事だと思うのは、速度の調整です。民間と行政では速度感が全然違うし、市民生活の速度はもっと違う。民間でも、IT企業と建設会社では、全然、速度感覚が違う。業界ごとに違う。いつも複数の速度のずれをのみこみながら、ものごとの全体のリズム感を調整していかなければいけないと思っています。音楽で言えば、作曲者であり、同時に、オーケストラの指揮者みたいな役割なんです。

―― 最後に、田中先生が考える6つの「循環型社会を支える未来の職業」について教えてください。「みまもり資源回収士」「VORTEXデザイナー」「シン宮大工/減築士」「都市微生物研究者」「循環世界調律師」「みらいの市民」。聞き覚えのないものばかりです。これからどのような職業が求められていくのか、ということも含めて是非教えてください。

田中: 今はサーキュラーエコノミー時代。いろんな企業が循環型の製品や回収の仕組みを考えている時代です。日本では過去5年、世界的に見ても過去10年ぐらいの話です。

でも「循環型社会」という言葉は2000年ごろからあるんです。そのときの担い手は基本的に自治体。どうすれば市民の出したごみをリデュース、リユース、リサイクルできるのか、と「3R」を掲げて頑張ってきた時代が20年近くありました。そこに最近は民間のメーカーが個々に動き始めてきた。現在のパラダイムはこれだと思うんです。

じゃあ、10年後、今の先にどんな時代が来るかということを考えると、今度は色々なメーカーどうしがゆるく繋がり、企業間でリサイクルに使える材料をシェアしながら、地域全体でアップサイクルに取り組んでいくという時代がやってくると思うのです。

そしてそこで求められる能力は、一製品の循環について考えるだけでなく、街全体での循環の「うねり」を作れる人だと思うんです。いま、僕らがやろうとしていることそのものなのですが。それが未来にはひとつの職業になっていて欲しい、という意味で「VORTEXデザイナー」を掲げています。

―― なるほど。「シン宮大工/減築士」はいかがでしょう? 

田中:平たく言えば「建築物の新しい分解」を設計・実行できる人ということですね。普通、建築は解体したら全部ごみになってしまうわけですよ。でもそうじゃなくて、ごみにしないように丁寧に切って分解して再利用するような設計ができ、かつ現場でロボットなどと協働して、それを実行できる人です。

言い換えるならば「壊し方の設計」ができる人。デジタルツールも使いながら、上手に捨てないで分解をして、次の再利用までを手掛けられる人が、これから建築の現場では求められていくのではないかと思います。

―― 最後に「循環世界調律師」とはどういった職業でしょうか?

田中:これはデータアナリスト、データサイエンティストのスキルから循環型社会に貢献するパターンを想定しています。投資家がずっと株価の動きを見ているように、街の資源の推移をずっと監視して、そのバランスを整えている人のことです。

マクロに見れば、循環とは「材料の種類と量」と「発生のタイミング」と「利用のタイミング」を整える仕事です。

たとえば、Aという街で建物を壊すから大量の資材がごみとして出そうだとする。一方、Bという街では、1年後に家を建てようとしていたとする。そのタイミングで、「建物を壊すタイミングをもう少し遅らせられないか」とか、「作り始めるのを早められないか」と調整ができると、資材をある程度流用できるので、ゴミの量も、新しく必要になる資材の量も一気に減るわけです。

倉庫とかに一旦溜めておけばいいんだけど、日本は狭いのでそれも現実的では無い。だから、むしろデジタル空間をつかって、こうした資源の時空間的なマッチングをする職業が重宝されるはずだと感じています。ある自治体と隣接自治体の調整なども行うことになるでしょう。

―― いずれにせよ今の社会で言われているような枠組みの外で考えなければならないわけですね。 

田中:そうですね。今って「サーキュラー」や「サスティナブル」みたいな言葉がブームっちゃブームなんですけど、このインタビューで言いたいのはその先の世界のことなんです。

そもそもこれらの概念は、海外から来たものです。しかし、日本で「サーキュラー」や「サスティナブル」の未来を現実的に考える場合には、人口減少と少子高齢化まで含めてセットで考える必要がある。少ない働き手でも効率的に作業でき、資源を有効活用し、かつこれまでとは違った別種の豊かさを生み出していくような社会に移行していく場合、そのドライバーとして「職業」が決定的に重要になる、と思っています。

そして、たとえば循環型社会の模範例といわれる江戸時代の働き方が、「江戸」という「まち」と強く結びついていたように、これからの循環型社会の働き方も、どんどん「まち」と不可分になっていくと思っています。というか、「まち」が、新しい働き方を生み出すプラットフォームになるのです。私はまず鎌倉から、中都市型の新しい豊かさと働き方を発信していきたいです。


JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)リスペクトで繋がる「共生アップサイクル社会」共創拠点

【編集部からのお知らせ】
田中浩也教授も登壇する「第1回 循環創造学シンポジウム『循環者になるまち~社会でまわす、地球にかえす、未来へのこす~』」が10月14日に開催されます。今回の取り組みに興味を持った方は是非ご参加ください。

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第1回 循環創造学シンポジウム「循環者になるまち~社会でまわす、地球にかえす、未来へのこす~」
日時:2023年10月14日(土) 13:00〜16:00
会場:鎌倉女子大学 二階堂学舎 松本尚記念ホール(鎌倉市二階堂890-1)(YouTubeでの同時配信もあり)
参加費:無料