ITEM | 2023/07/14

「今、欲しいフォント」をすぐに探せる!Adobe x AIの強力な連携が実現する「マッチフォント」機能

デザイナーや映像クリエイターたちの強い味方であるアドビ製品。使い慣れていると思いきや、「こんな機能知らなかった」「この機...

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デザイナーや映像クリエイターたちの強い味方であるアドビ製品。使い慣れていると思いきや、「こんな機能知らなかった」「この機能、こんな使い方できたんだ」といった発見も多い。特に近年のAIを用いた機能の進化は目まぐるしく、追いきれてない人も多いハズだ。

Adobe Creative Cloudのツールに搭載されたAI、「Adobe Sensei」を使った便利な機能を紹介する連載「教えて!Adobe Sensei」も今回で第7回。おなじみ案内人は、Adobe Creative Cloudエバンジェリストとして活躍する仲尾毅さん。

今回は「マッチフォント」機能について。Photoshopに実装されている同機能に加えて、web版での使い方も解説していただいた。

仲尾 毅

Creative Cloudエバンジェリスト

2012年、Creative Cloud登場と共にアドビ入社。Creative Cloudの伝道師として、Adobeの最新技術・製品・サービスの訴求と移行促進に従事。クリエイターにとってメリットのある最新情報をいちはやく伝える。
Twitter @tsuyon

構成:白石倖介

写真や画像から「似ている」フォントを一発検索

Photoshopをさらに活用するために、あまり知られていない便利な機能をご紹介します。それが「マッチフォント」機能です。この機能を用いると、選択した文字やテキストのフォントを解析し、似ているフォントをパソコンにインストールされているフォントと、Adobe Creative Cloudの一部である「Adobe Fonts」からピックアップすることができます。この機能の基幹技術として、「Adobe Sensei」が使われています。

特にクリエイティブな仕事をしている方々は、さまざまなフォントを使い分ける必要があります。しかし、選択肢が多すぎると困ったことになりますよね。たくさんのフォントがインストールされていると、プロパティパネルから選ぶ作業も大変です。

一つのデザインに多くのフォントを使用するのはあまり好ましくありません。いくつかの選択肢から最適なフォントを厳選して使いたい、そんなときに役立つのが、「マッチフォント」機能です。

また、街なかの看板などに使われているフォントを探したいときに「マッチフォント」機能を使えば、画像から文字情報を読み取り、そのフォントを探すことができます。それがデザインに直接活かされることもあるでしょう。

Photoshopで「マッチフォント」機能を使うには、まず探したいフォントの範囲を選んで「書式」メニューから「マッチフォント」を選択します。

この画面では「縦」という文字を囲って「マッチフォント」の機能を試していますが、この文字はピクセルデータであり、フォント情報を保持していないということがポイントです。

すると、画像を解析して、似たフォントを提案してくれます。赤枠で囲ってあるのはローカル領域にあるインストールされたフォントで、青枠で囲っているのは「Adobe Fonts」で使用可能なフォントです。列挙されたフォントを選択すると、下の画像のようにフォントも変化します。

ちなみにこうした「画像データからフォントを検索する機能」はアドビの提供するスマートフォンアプリ、「Adobe Capture」でも可能です。「Adobe Capture」ではAdobe Senseiのテクノロジーを利用して文字のシェイプを認識し、視覚的に似たフォントの候補を表示します。

※ 但し認識できるのは欧文フォントのみ

また、「Illustrator」にも「フォントの再編集」という機能があります。2023年5月から実装されているベータ版機能で、画像やアウトライン化されたテキストから欧文フォントを識別し、再編集できるというものです。このように、従来は編集できなかった画像やベクターデータからでもフォントを識別して編集できる機能がアドビの各種アプリケーションに実装され始めているのです。

参考:画像とアウトライン化されたテキストからフォントを識別

さて、Photoshopの話に戻りましょう。続いて、FINDERSのロゴも「マッチフォント」に読み込んでみましょう。

ロゴを選択して「マッチフォント」を押すと、近いスタイルのフォントが列挙されました。この中では「Museo Slab 700」が近いデザインのようです。テキストで「FINDERS」と入力し、フォントを「Museo Slab 700」に指定して、画像と並べてみましょう。

かなり近いですね! ただ、「”D”、”R”、”S”の丸みが面取りされている」、「Rの足が無い」など、完全に同じフォントではなさそうです。

サイズを揃えて並べてみるとよりわかりやすいですね。これは、オリジナルデザインの作成者が特定の部分をアレンジしているのかもしれません。

せっかくなのでweb版の「Adobe Fonts」でもフォントを検索してみましょう。「ビジュアルサーチ」という機能を使えば、「マッチフォント」とほぼ同等のことが可能です。そしてこの機能、実はAdobe Fontsのwebサイトにアクセスしたら画像をドラッグ&ドロップするだけで使えるんです。

ビジュアルサーチではまた別のフォントが提案されました。中でも「Octin Prison」の Regular体がよく似ています。「アクティベート」をオンにすることで、Photoshopでもこのフォントを使えるようになります。

Photoshopに戻って「Octin Prison」の書体を並べてみました。先ほどの「Museo Slab 700」よりも共通点が多いですね。こうして、画像データの中にある似たフォントを簡単に探して入力することができました。

プレゼン資料を作成するときに、特定のブランドのフォントに似たフォントを使用したい、といったときにも便利です。いくつかの書体の細かいディティールを(丸い部分が面取りされているか?などですね)比較しながら検討できます。

このように、Photoshopの「マッチフォント」機能は、デザイン作成における多様なニーズに対応してくれます。さまざまな場面で活用し、クリエイティブな作業をよりスムーズに、より効率的に進めてみてください!


「教えて!Adobe Sensei」