2023年3月21日、東京・豊洲ぐるりパークにて、女性のためのランニングコミュニティ「GO GIRL」が主催するマラソン大会「GOGIRLマラソンPresented by New balance」が開催された。大会にはGO GIRLコミュニティのメンバーだけでなく、外部からの参加者も出場し、80人を超えるランナーが集まった。
本稿は、「社会を前進させるための情報発信」を行う『あしたメディア by BIGLOBE』とのコラボレーション企画「よりよい未来の仕掛け人」として、本大会の様子とともに、参加者、そして主宰の浅野美奈弥、三原勇希の声をお届けする。
また三原が「GO GIRL」立ち上げの経緯や、そこに込めた思いを語るインタビュ―記事 「三原勇希が女性だけのランニングコミュニティ GO GIRL を運営するわけ|よりよい未来の仕掛け人」が『あしたメディア by BIGLOBE』にて公開中。こちらもあわせてご一読を。
取材・文:那須凪瑳 写真:橋本美花
目的は“楽しみながら走ることを習慣化する”
GO GIRLは、2019年にモデル・タレントの三原勇希、モデル・料理家でケータリング「美菜屋」のオーナーでもある浅野美奈弥の二人が立ち上げた女性限定の会員制ランニングコミュニティだ。
月3回の練習をベースに、“楽しみながら走ることを習慣化する”ことに取り組んでおり、毎年1年間の締めくくりにコミュニティの参加者全員でマラソン大会に出場することを目標にしている。ただ、スケジュールや体力的な問題からマラソン大会に挑戦できない人もおり、「その人たちにとって、締めくくりになるようなイベントができれば」という思いから開催されたのが、本大会だ。
まず初めに行われたのは、開会式。三原、浅野から開会の言葉が述べられた後、ゲストランナーの紹介やコースの説明、そしてコーチとして「GO GIRL」をサポートする中村優のストレッチ講座へ。参加者同士、笑顔で言葉を交わしながら、スタートに向けて準備を整える。
安心感があるからこそ、走ることを思い切り楽しめる
誰もが気軽に参加できるようにと用意されたのは、5kmと10kmの2コース。豊洲ぐるり公園内の2.5kmのコースを周回することなる。ストレッチも終わり、参加者の士気が上がったところで、早速10km組がスタートラインに集合。これから10kmもの距離を走ろうという場面にも関わらず、皆がリラックスし、心地よい緊張感に笑顔を見せているのが印象的だった。
その後、5kmコースのランもスタート。自己ベストを更新すべくハイペースで走る人もいれば、純粋に“走ること”を楽しみ、マイペースで走る人の姿も。それぞれがそれぞれの楽しみ方で参加できる、それもGO GIRLの魅力の一つだ。
スタートから約25分で5km組の1人目がゴール。そしてスタートからおよそ45分後、10km組のランナーの1人目がゴール。驚くべき早さに、会場からも拍手と歓声があがる。10kmを笑顔で完走したすみれさん、5kmの1位になったさやかさん、今回GO GIRLメンバー外ながらも初めての参加で5km組の3位となったともみさんに感想を聞いた。
10km組 1位のすみれさん
「GO GIRL第1期からのメンバーです。以前からたまにランニングはしていたんですが、一緒に走る人がいなくて。誰か一緒に走れる同世代の友達がいたらいいな、と思っていた矢先に、(三原)勇希さんのSNSでGO GIRLの存在を知って参加しました。今日のランはとにかく全力で走ってみました。頑張りました!」(すみれさん)
「私は4期生です。実はランニングはGO GIRLに入ってから始めたんです。私も勇希さんのSNSを見て、GO GIRLの存在を知りました。ずっと『いつかフルマラソンを走ってみたい』と思っていて、みんなと一緒なら走り切れるかな、と思って参加しました。今回のランは、すれ違う人たちと声を掛け合って頑張って走り切れて楽しかったです!」(さやかさん)
「今回、一般参加者として初めて参加しました。マラソン大会に出場したいと思ってネットで検索していたところGO GIRLがヒットし、女性限定という点に惹かれて、参加を決めました。ロケーションがとても素敵で楽しく走ることができました!完走できてうれしかったです」(ともみさん)
「生理」も「恋バナ」も分かちあえる
表彰式が行われた後、浅野、三原、コーチ・中村の3名によるトークショーが行われた。
参加者には、浅野が運営するケータリング「美菜屋」の特製お弁当が手渡される。かわいらしい見た目だけでなく、鶏肉、卵、野菜、フルーツなどがバランスよく、運動後の疲労回復も考えられたメニューとなっていた。ランニング後の疲れた体と心を癒してくれるような気配りに、参加者も自然と笑顔に。
出場特典として配られた「美菜屋」のお弁当
お弁当と一緒に配られたのは愛媛県吉田町のみかんを使った「Tangerine」のみかんジュース
「みなさま、お疲れ様でした!」と、朗らかな笑顔で参加者たちに労いの言葉を掛けた三原。参加者の中には、本大会が学校卒業後、初めてのマラソン大会だった人もいたそうで、参加者たちの真剣な眼差しが向けられるなか、三原、浅野から「女性限定」であることの理由や、運営していく中での発見が語られた。
「一般的なマラソン大会は参加者のほとんどが男性。でも実はこんなに素敵な女性ランナーがたくさんいるんだよってことを可視化したかったんです。生理などの女性特有の体調の変化も気軽にシェアできる場になっています。あと“恋バナ”もしたりとか(笑)。GO GIRLを続けてくれているみなさんは、どんどんポジティブになっている気がします。少しでもそのお手伝いができて、とてもうれしいです」(三原)
「みんなの走るレベルが高くて感動しました!」と、参加者の走力の高さに驚いた様子の浅野は、本大会を通して改めて感じた「GO GIRLの魅力」について、こう話す。
「GO GIRLのみなさんは、それぞれが協力してエンジョイしてくれて、本当に良いコミュニティだなって。私は『美菜屋』の運営もしているので、来期は料理教室もできたらいいなと思っています。ちなみに、私が“恋バナ隊長”です(笑)」(浅野)
多いときは、毎月のようにマラソンに仕事として参加していたという中村。あまりの多さに自身の気持ちがランニングから離れていた時期もあったという。しかし一度立ち止まったときも「走りたい」という自身の気持ちを確認できたことが重要な経験だったと話す。
「ランニングって、体調・メンタルなど“女性特有のバランスの崩れ”を整えることができるんです。一番大切なのは、周りに流されず、自分の意志を確認しながらやること。自分で決められると、自分を信頼できるようになります。だから、それぞれがそれぞれのスタイルで、走ることを続けられたらいいよねって思います」(中村)
「走る前より走った後の方がみんな元気になっている」
最後に、三原、浅野に本大会への思いと、GO GIRLのビジョンを伺った。
「本当に開催してよかったです。今回初めてマラソン大会に出場された方もいて、ランニングを始めるきっかけになれてうれしかったです。また、普段の練習では“とにかく楽しく過ごしてもらうこと”を重視しているので、トークショーではその根底にある思いの部分を意識して伝えました。密にコミュニケーションをとれるのは、これくらいの人数なのかなとは思うんですけど、今後はこうした大会やランニングアイテムのプロデュース、情報のシェアを通じて、GO GIRLの輪をより広げていきたいと考えています」(三原)
「開催してよかったと私も思います。みんな走りながら、すれ違うときに声を掛け合ったりしているのが良いなって思いました。あと、走る前より走った後の方がみんな元気になっている気がして。私自身、疲れているときに走ると元気になるので、それをみんなが体験してくれているように感じてうれしかったです。来期で5年目になるんですが、私たちがいなくても成り立つコミュニティになったらいいなって思います」(浅野)
一般的なマラソン大会への参加者は圧倒的に男性が多いという現状があるなか、女性限定にすることで、気軽にランニングを楽しめる場を提供するGO GIRL。ランニングが身近なものになるだけでなく、女性特有の悩みをシェアできるGO GIRLは、今後女性たちの「サード・プレイス」として、より広がりをみせていきそうだ。