2022年12月6日更新(初出は2020年12月15日)
文:赤井大祐
過激化し続けるネット広告はコントロールできるのか
Yahoo! JAPANは、2022年6月8日、自社が提供するネットワークを通して配信される広告の審査実績をまとめた「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。
広告掲載基準や広告入稿規定、広告販売ルールに抵触した広告のタイトルや説明文、画像、リンク先のウェブサイト、キーワードなどを集計した結果、2021年度は約1億3000万件もの広告素材が非承認となったことがわかった。2020年度の1億7500万件から大きく減少する結果となった。
Yahoo! JAPANによれば、なんらかのランキングにおいて1位を獲得したことを強調するものであるにも関わらず、客観的な情報が示されていない「最上級表示、No1表示」が、非承認割合及び、前年度からの増減幅において最も多かったという。またこういった表現は、広告タイトル、そして広告に使用される画像において多く見られた。
また広告の「動画」のカテゴリーにおいては、化粧品や健康食品を訴求する際に、ユーザーの身体的特徴のコンプレックスを煽る「ユーザーに不快感を与えるような表現」がもっとも多かった。一方で、「タイトル」「画像」のカテゴリーにおいては「ユーザーに不快感を与えるような表現」は大幅に減少。2020年の9月から運用が開始されたコンプレックに関する広告の審査基準が周知されたことにより減少されたものと見られている。
クリックされることを至上目的とするため、過剰化、過激化しやすいインターネット広告。プラットフォーマーによるコントロールがより一層求められるだろう。