文：岩見旦
貯金をはたいて被災者に食事を振る舞う
米国サウスカロライナ州に暮らす6歳のジャーメイン・ベル君は、9月8日の誕生日にディズニーワールドで過ごすため、1年間コツコツとお金を貯めていた。しかし、巨大ハリケーン「ドリアン」がその計画を大きく狂わせた。
海岸にハリケーンが近づくと、ベル君の住むアレンデールにも多くの人が避難した。そこで、ベル君はディズニーランドに行くために貯めたお金を使い、道路脇にホットドッグスタンドをオープン。100人以上の被災者に無料で食事と水を提供した。
エプロン姿で看板を持ち支援に精を出すベル君は『CNN』のインタビューに、「ただ寛大になりたかっただけです」と語った。
ベル君はお金をすべて使い果たしてしまったが、決してディズニーワールドに行くことを諦めたわけではない。ハリケーンが過ぎ去った後も誕生日のお祝いが続くことを望み、「（ディズニーワールドの）アニマルキングダムに行き、たくさんのライオンを見て、『ライオンキング』のショーを鑑賞したい」と述べた。
夢のディズニーワールドにVIP待遇で招待
ホットドッグスタンドを畳んでからまもなく、ベル君に驚くべきサプライズが用意された。なんとベル君の誕生日に、ミッキーマウスとディズニーワールドのキャストたちが、自宅を訪れたのだ。
ベル君が自宅の外に出ると、そこには大勢のキャストの姿が。口をあんぐりと開けて驚くベル君。さらにミッキーマウスが登場すると、駆け寄って情熱的にハグをした。その上、ベル君と家族がディズニーワールドにVIP待遇で招待されることが告げられると、キャストとハイタッチをして喜びを表した。
「ミッキーと出会えて、本当に幸せでした」と答えるベル君。「強くなってください。そして、良い行いをしていれば、必ず報われます」とも。
ベル君と家族は9月下旬にディズニーワールドを訪れ、アニマルキングダムで「ライオンキング」のショーをを楽しんだという。キャストの中には、ベル君のことを知っていた人もいたとのこと。
被災者に対するベル君の献身的な行動はもちろん、それに報いるディズニーの夢のあるサポートに心が温かくなる。