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またしても「Air」に驚かされることになった。MacBookに続き、iPadでも消えゆくモデル名と思われていた「Air」の新製品が発表されたのだ。
予想されていた無印iPadの高性能版ではなく、10.5インチのiPad Airが発売されたことで、iPadのラインナップは価格順に、無印iPad(9.7インチ)、iPad mini(7.9インチ)、iPad Air(10.5インチ)、iPad Pro(11インチ)、iPad Pro(12.9インチ)という5モデル構成に整理された。
10月18日に発表・発売された新型iPad Airは、ラインナップのちょうど真ん中に位置していることになる。
伊藤僑
Free-lance Writer / Editor
IT、ビジネス、ライフスタイル、ガジェット関連を中心に執筆。現代用語辞典imidasでは2000年版より情報セキュリティを担当する。SE/30からのMacユーザー。著書に「ビジネスマンの今さら聞けないネットセキュリティ〜パソコンで失敗しないための39の鉄則〜」(ダイヤモンド社)などがある。
旧iPad Pro 10.5インチと類似点の多い新型iPad Air
新型iPad Airの仕様を見て気がつくのは、旧iPad Pro 10.5インチと類似点の多いことだ。
ボディのサイズは両モデルともに、高さ250.6mm×幅174.1mm×厚さ6.1mm。重量は、旧iPad Proが469g(Wi-Fiモデル)、477g(Wi-Fi+Cellularモデル)で、新iPad Airが、456g(Wi-Fiモデル)、464g(Wi-Fi+Cellularモデル)と、わずかに軽量化が図られている。
ディスプレイは、どちらも10.5インチ(対角)LEDバックライトMulti-TouchのTrue Tone対応Retinaディスプレイを採用し、解像度も2224×1668ピクセル(264ppi)と同じ。
対応するApple Pencilが、2018年型iPad Proに採用されたマグネット充電式ではなく、ライトニング端子で充電する旧タイプであること。充電端子が「USB-C」ではなく「Ligtning」で、3.5mmヘッドフォンジャックやホームボタン(Touch IDセンサー)が残されているところも同一だ。
また、ペアリングも充電も不要で簡単に取り付けられるフルサイズのSmart Keyboardにも対応している。
A10X FusionからNeural Engine搭載のA12 Bionicへ
旧iPad Pro (10.5インチ)と新iPad Airの相違点として一番大きいのは、搭載されているチップがA10X FusionからNeural Engine搭載のA12 Bionicへと変更されていることだろう。
これにより新iPad Airは、iPhoneXS/XRと同等のパワーを獲得。リアルタイムの機械学習を使用することで、写真、ゲーム、拡張現実などにおけるパフォーマンスを、より進化させることに成功している。
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パワフルな処理能力を駆使することで、ビデオの編集や美しいプレゼンテーションの作成、3Dモデルのデザインなどを自在に行える。しかも、それらを複数同時に行うことも可能だという。
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背面カメラの解像度やビデオ撮影機能をダウングレード
チップは大幅な性能向上が図られているものの、低価格化を図るためか、新iPad Airではダウングレードされている機能もある。
仕様を比較すると、一番違いが明確なのはカメラ関連の機能だ。
まず、背面カメラの解像度が旧iPad Pro の12メガピクセル(f/1.8)から、8メガピクセル(f/2.4)へと変更されており、カメラの下部にあったクアッドLED True Toneフラッシュも省略されている。
撮影機能面でも、旧iPad Proでは可能だった4Kビデオ撮影が、1080p HDビデオ撮影へとダウングレードされたことが分かる。
ボディカラーではローズゴールドが消滅
そのほかの相違点としては、旧iPad Pro では64GB、256GB、512GBと3種類あった容量が、64GB、256GBの2種に。スペースグレイ、ローズゴールド、ゴールド、シルバーの4色が用意されていたボディカラーもスペースグレイ、ゴールド、シルバーの3色に減らされている。
このように新iPad Airでは、旧iPad Proからダウングレードされている機能もいくつかある。しかし、最新のチップであるA12 Bionicを採用しているにもかかわらず、54,800円(税別)〜という低価格化を実現している点はとても魅力的だ。
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カラー:シルバー/スペースグレイ/ゴールド。