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文:岩見旦
オンラインゲームで、複数のユーザーが同時にゲームに参加し、一緒に協力して目的達成を目指す機能「マルチプレイ」。仲の良い友達とワイワイ楽しんだり、知らない人と遊んで仲良くなったり、マルチプレイはゲームの主流になりつつある。
しかし今、そんなマルチプレイを苦手とする意見に注目が集まっている。
マルチプレイ恐怖症がSNSで話題に
あるTwitterユーザーが、自分は「マルチプレイ恐怖症」にかかっていると投稿。ゲームをしている最中に「自分のプレイのせいで、味方に迷惑かけていないか?」とマイナス思考になり、ゲームをするのが怖くなったという。ちなみに、「マルチプレイ恐怖症」とは、この投稿者の造語である。
オンラインゲームとはいえ、モニターの向こう側には人がいる。友達ならまだしも、初めてチームを組む人にはどのように思われているかわからない。緊張や焦りのため、ゲームでいつもの調子が出ないこともあるだろう。失敗すると、さらに周りの反応が気になり悪循環に。
中には心無い言葉をぶつけてくる人に遭遇することもあるという。本来ストレス解消で遊ぶはずのゲームで、ストレスが溜まってしまうなんてことに。
3月25日に投稿されたこのツイートは、2万7000件ものリツイートを記録し、「すごく同意」「わかります!」「自分も多分それかもしれない」「ゲームをやらなくなった理由がマルチプレイ」など、多くの共感のコメントが殺到した。
マルチプレイ恐怖症の体験談が続々
マルチプレイ恐怖症になった人の中には、オンラインで厳しく怒られた上、Twitterで晒し者にされトラウマになった人も。また、仲間の回復を担当する責任あるポジションでマルチプレイしていた人は、心の準備が必要だったと振り返る。逆に、上級者から手伝ってもいいと手を差し伸べられたという人は、申し訳なく感じてしまい、断ってしまったというケースもあるようだ。
元々マルチプレイ恐怖症に掛かっていたが、ゲームをプレイしている内に克服したという体験談や、心に余裕を持ってプレイするようにとのアドバイスも寄せられた。また、ゲームによっては上級者が初心者のサポートを義務付けているものもあるという。
世界に広がるマルチプレイ恐怖症
マルチプレイ恐怖症を発症しているのは決して日本だけではない。海外でもマルチプレイに対し拒否反応が挙がっている。大手海外ゲーム掲示板「NeoGAF」では、「Are you an "anti-social" gamer?」(あなたは反ソーシャルゲーマーですか?)というスレッドが立ち、マルチプレイを批判すると、多くの賛同の意見が殺到した。
社会人になったら嫌という程求められるコミュニケーション能力。ゲームの中でくらい誰とも意思疎通しないという選択もありなのではないだろうか。