文:武者良太
独自トークンでソーシャルアクターをサポート
仮想通貨市場は落ち着きのない様相が続いている。相場の変動が激しく、ネガティブなニュースも多い。しかし仮想通貨のシステムを成り立たせているブロックチェーンそのものは注目度が高く、同技術を用いたサービスが次々と生まれている。
新たにiPhone用無料アプリとしてリリースされた「actcoin(アクトコイン)」もその1つだ。社会貢献活動への参加や寄付などに対して独自コイン(トークン)を提供するサービスで、個々人の活動の可視化が可能だ。
開発にあたっては明治大学の卒業生で金融業界に進んだOB・OGで構成される「暗号通貨・ブロックチェーン研究会」が協力。定期的に意見交換して開発を進めたそうだ。
ボランティアやセミナーなどのプロジェクトへ参加すると1時間あたり1,000コインが手に入る。またプロジェクトをSNSでシェアすると100コイン、寄付をすると寄付額の10%のコインがもらえる。ボランティアに参加する時間がとれない人でも、積極的に社会貢献ができる仕組みだ。
現時点で参加できるボランティアプロジェクトは子供向けホスピスの運営、CPR(心肺蘇生)訓練の参加、チャリティランなどの9つがある。また寄付先は日本財団および特定非営利活動法人CANPANのデータベースに登録されているNPO団体に限られているとのこと。
取得した独自コインの換金はできない。しかし今後は1コイン/1円換算で非営利団体への寄付や、環境や社会に配慮した商品と交換できるシステムの実装を予定している。またどのユーザーがどれだけの独自コインを保有しているか(社会貢献活動をしているか)がわかるように、ユーザー名とコイン数が表示される機能もある。
生まれたばかりのサービスではあるが、最初の段階から複数のプロジェクトが登録されているなど、スタートダッシュは上々。このアプリを機に、社会貢献活動へ興味を持つ人が増えることを祈るばかりだ。