LIFE STYLE | 2018/10/04

香港で100万ドルの夜景と路上に座る女性たちに驚く【連載】世界の都市をパチリ (26)

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宮崎大輔
1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJ...

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宮崎大輔

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1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊に参加。中米パナマ共和国で農業指導を2年間行う。2015年からフリーランスになり日本、東南アジア、南米、アフリカの案件に農業コンサルタントとして従事。またノマド生活をしながら、世界中でスナップ写真やポートレート写真を撮影中。ブログ  

中国の特別行政区香港へ

アフリカ出張から帰ってきて、次は中国の特別行政区香港へ向かいました。香港へ行った理由は、日本産農産物の輸出について市場調査をすることと、写真撮影をすることです。香港は日本産農産物を最も多く輸出している場所なので、農業コンサルタントの仕事の問い合わせも多く、一次情報を得るために市場調査をしてきました。具体的には香港にある日系スーパーマーケット、外資系のスーパーマーケット、青果物市場、八百屋、ケーキ屋などを巡り、日本産の果物や野菜の販売状況を調べました。「香港では日本産の農産物が大人気」という話は聞いていましたが、実際に調べてみるとその人気っぷりは予想以上で驚きました。

また写真撮影では、香港っぽい雰囲気の派手な看板を撮影したり、夜の市場を巡ったり、ヴィクトリア・ピークから夜景を撮影しました。香港は中国とイギリスの両方の文化が混ざっているので、独特の雰囲気を醸し出していてフォトグラファーにとって魅力的な街です。しかも日本から距離が近いので、週末にサクッと旅行できるのもうれしいですね。

日曜日の家政婦さんの集い

今回の香港旅行は週末を利用して行ったのですが、日曜日の昼に街へ出てみると路上に女性たちが溢れかえっていて驚きました。歩道にダンボールやビニールシートを敷いて、女性たちが数人ずつのグループになっておしゃべりや食事をしています。まるでピクニックやお花見のような楽しげな雰囲気です。その女性たちの集団が香港の中心地を埋め尽くしていて、その数はおそらく数万人規模でした。この光景はまったく予期していなかったので、衝撃を受けました。

後から調べてみると、彼女たちはフィリピンやインドネシアなどの外国から香港へ出稼ぎに来た女性たちでした。普段は家政婦さんやベビーシッターとして住み込みで働いていて、日曜日になると路上で友人や親戚たちと食事やおしゃべりを楽しんでいるそうです。香港の家庭では夫婦の共働きが多いので、子どもの面倒を見てもらうために住み込みのメイドを雇うのが一般的だそう。そのため、人口700万人の香港で働く外国人労働者の数は30万人にも上るといいます。路上を女性たちが埋め尽くすのは、外国人労働者が多い香港ならではの日曜日の恒例行事だったのです。

夜はヴィクトリア・ハーバーへ

昼間は市場調査を行い、陽が沈んでからはヴィクトリア・ハーバーへ向かいました。ヴィクトリア・ハーバーでは、シンフォニー・オブ・ライツというショーを毎晩観ることができます。このショーを観るために、海沿いの地域にはたくさんの観光客が集まっていました。ショーは13分間なのであっという間に終わってしまいますが、ショーの後にもちょっとした楽しみがあります。なぜかというと観光客が集まっている場所には、路上ミュージシャンもやってくるからです。なのでショーの後には、いろんなパフォーマンスをするアーティストを観ることができます。

ヴィクトリア・ピークから100万ドルの夜景

香港で一番有名な観光スポットといえば、ヴィクトリア・ピークでしょう。標高552メートルのヴィクトリア・ピークからは香港の港が一望できるので、特に夜景が見れる夜の時間帯が人気です。私は陽が沈む直前のマジックアワーの時間帯から写真を撮るために、日没よりも少し早い時間からヴィクトリア・ピークへ登りました。登ってみるとここからの眺めは評判通り最高で、100万ドルの夜景と評される綺麗な夜景を眺めることができました。


連載終了のご挨拶

今回で「世界の都市をパチリ」の連載を終了させていただくことになりました。26本に及んだ連載を通して、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、カリブ海、中東など世界中の街の写真をご紹介させていただきました。長きに渡ってお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

宮﨑大輔