文:岩見旦
映画『スターウォーズ』に登場するライトセーバー。ジェダイの騎士やシスの暗黒卿になりきって、ライトセーバーで遊んだ人も多いはず。
そんなライトセーバーを使用した試合を、フランスのフェンシング連盟が正式な競技として認定した。
LEDの仕込まれたポリカーボネート製のライトセーバー
フェンシングはこれまで、「フルーレ」「エペ」「サーブル」と3種目で行われてきたが、新たに「ライトセーバー」に加わることになる。
もちろん、ライトセーバーといっても強力な熱エネルギーで対戦相手を切ることはない。ポリカーボネート製で、中にLEDライトが仕込まれている。ときには効果音が入ることも。
映画のような迫力ある試合展開
試合はサークル状のコートで行われる。互いが相手を攻撃しあい、ライトセーバーが相手の頭か身体が当たると5点、腕と足は3点、手は1点獲得。15点先取した選手の勝利となる。また3分経過後、勝負が付いていない場合はより高い点数の選手が勝利。両選手が10点に達した場合は「サドンデス」となり、頭か身体を攻撃すると勝利となる。
また通常のフェンシングのルールと異なり、攻撃の際はライトセーバーの剣先を自らの身体の後ろまで振りかぶらなければならない。これにより先制攻撃はなくなるが、エンターテイメント性の高い映画さながらの興奮した展開が期待できる。
フェンシング連盟の事務局長Serge Aubailly氏は、「ソファーでスマホばかりいじっている若者に、スポーツするよう説得することは困難だ。フェンシングのルールと現代の技術を組み合わせ、自然とスポーツに参加させたい」とAP通信に語っている。
新たなフェンシングに期待の声
このニュースを、あるTwitterユーザーが2月24日、「急に見たい気になってくる。他の不人気競技も工夫一つで人気競技に浮上することはたくさんありそう」というコメントとともに紹介。
この投稿は3万7,000件を超えるリツイートを獲得し、「めっちゃカッコいい」「やってみたい!」「夢だったジェダイになれる」など、新たなフェンシングへの期待のコメントが寄せられた。
また、オリンピック競技への採用を待ち望む意見が早くも寄せられている。しかし、伝統や規律との兼ね合いはどのように折り合いをつけていくのだろうか。筆者は剣道をやってきたが、光る竹刀で戦うのにはやはり抵抗がある。ともすれば保守的な思考になってしまいがちだが、こうして新たに一歩踏み出したフェンシングの将来に期待したい。