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EVENT | 2023/03/17

目標は「京都発の新産業」充実の新施設と企業人材育成で地方創生に挑む 京都先端科学大学 オープンイノベーションセンター・亀岡

文:赤井大祐(FINDERS編集部)
人材育成・実証実験・製品量産の場を提供

京都先端科学大学 オープンイノベー...

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文:赤井大祐(FINDERS編集部)

人材育成・実証実験・製品量産の場を提供

京都先端科学大学 オープンイノベーションセンター・亀岡は、京都先端科学大学、亀岡市、亀岡商工会議所の3者が連携し、大学の知識、技術や地域の資源を用いて、産学公連携事業を推進する取り組みだ。先端技術による産業イノベーションやバイオ技術による農業の高付加価値化を支援し、人材育成、地域経済の活性化を目指している。

「オープンイノベーション」 、「モビリティイノベーション(自動運転・交通システム分野)」、「グリーンイノベーション(農林業分野)」の3分野を軸としながら、7つの事業を展開する。

大きな特徴のひとつが「人材育成事業」だ。企業の技術者・エンジニアなどを対象に、教員が各企業のニーズに合わせたオーダーメイドの研修も提供している。大手保険会社のMS&ADインシュアランスグループホールディングスと共同で、ドローンやIoTセンサーなどのテクノロジーに触れながら、データ取得・活用までの知識の習得を目指すオンラインカリキュラム「MS&ADデジタルカレッジ」なども展開している。また京都から快速で20分ほどという亀岡の立地を活かした合宿研修の実施などにももってこいだという。

そして「地域が自ら産業を創出していかなければ地域活性にはつながらない」という危機感から、亀岡市・亀岡商工会議所に向けて、産学連携、オープンイノベーションの促進などを担う人材教育も実施。外部の識者に任せきりにしない持続的な産業創出を見据えた取り組みだ。

もう一つ重要となる取り組みが「企業立地促進事業」。京都ではスタートアップが生まれても、製品の量産に向けた十分なスペースが市内に無いことから、産業化にまで至らないという課題があるという。亀岡市では工業団地を整備し、そこを生産拠点として活用していくことを目指している。

「大学とともに産業の萌芽を見つけ、実証化する。そして近くで量産まで行えるという地域は全国的に見てもほとんど無いはずです」(研究連携部 担当部長 柴田雅光氏)。

柴田雅光氏

施設の充実化にも取り組んでいる。「オープンイノベーション推進棟」ではコワーキングスペース、外部企業が使用できるレンタルラボを用意し、2023年3月現在、入居者を募集中とのことだ。

また併設される「実装・実習棟」は、ベンチャー企業などが生み出した新しいセンサーやシステムといった技術・サービスを、既存の企業が採用しやすくするための土台づくりの場として、データ取りなどの実証実験を行うことに使用予定。特に電気自動車分野では今後の機能強化や、組み立て、整備のためのテストスペースが求められる場合が多く、そういったニーズに応える施設となる。

その他電気自動車や電動キックボードといったモビリティのテスト走行などを行える「屋外試験路・試験場」や、ドローンを飛ばせる山林なども大学敷地内に用意する。

「海外のベンチャーと日本のベンチャーの決定的な違いとも言われる、実機を用いた十分なテストとそのデータの取得などを行える場として活用できます。もしわからないことが出てきたらいつでも教員に聞いてください」と柴田氏。「広大な敷地を使ってもらうことで、これまで見えてこなかった課題や景色が見えてくるはず」と話す。

柴田氏は、他大学との決定的な違いとして「地方創生」に向けた取り組みであることを挙げる。しかし先述したとおり、スタートアップが生まれても、「産業化」するまでには至っておらず、そのポテンシャルを秘めているのかはわからない。それを見極めるための場こそが「大学」の役割であり、京都先端科学大学 オープンイノベーションセンターのアプローチだ。 

同センターは大学側から積極的に技術提供やサービスの売り込みを行ってはいないが、その分企業からの相談に対しては多彩なリソースとアプローチで対応を行う。

「大学は外から見るとよくわからなくて怖いし、一見さんお断りっぽい雰囲気があるかもしれませんが、ちゃんと中に入り込んで相談をしてくれれば色々と手を尽くします。そんなところは京都らしいと思いますよ(笑)」(柴田氏)


京都先端科学大学 オープンイノベーションセンター・亀岡

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