ITEM | 2026/09/29

「祭りで受け継がれてきたのは、火だけではない。」 世代をつなぐ想いを注いだ、一本のウイスキー

野沢温泉蒸留所が道祖神祭りに着想した初のシングルモルト、11月6日発売

FINDERS編集部

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野沢温泉蒸留所が挑む初のシングルモルト、着想源は"世代をつなぐ"道祖神祭り

長野県野沢温泉村でクラフトジンの数々の受賞歴を誇ってきた蒸留所が、ついに悲願のシングルモルトウイスキーを世に送り出す。単なる新商品の発売ではなく、地域に代々受け継がれてきた祭りの精神を一本のボトルへ込めた、3年越しの挑戦である。

Nozawa Onsen Distillery株式会社(長野県下高井郡野沢温泉村、代表:リチャーズ・フィリップ)は、野沢温泉蒸留所として初となるシングルモルトウイスキー「Barrel Hall Series」を2026年11月6日(金)に発売する。

製品コンセプトに掲げるのは「Whisky Connects Generations.(世代をつなぐ)」という言葉だ。着想源となったのは、国の重要無形民俗文化財に指定され、日本三大火祭りの一つとして知られる村の伝統行事「道祖神祭り」である。祭りでは世代ごとに役割を担いながら、知識や責任、誇りが代々受け継がれてきた。蒸留所は、この「受け継ぐ」文化と、時間をかけて造り次の世代へ手渡していくウイスキー造りとの共通点に着目し、コンセプトへ落とし込んだという。

2つの仕込みをブレンドした、野沢温泉蒸留所ならではの奥行き

原料には、代表リチャーズ・フィリップの故郷であるオーストラリア産の大麦麦芽を使用した。特徴的なのは、性質の異なる2種類の仕込みで造られた原酒をブレンドしている点である。

一方は米国製のハンマーミルを使い、麦芽を一般的なシングルモルトよりも細かく粉砕する製法。もう一方は、無濾過で仕込む「ホールマッシュ」と呼ばれる製法である。異なる質感を持つ原酒を重ね合わせることで、野沢温泉蒸留所ならではの奥行きのある味わいが生まれた。

3年の歳月を経て仕上がった味わいは、ハチミツやクレームブリュレを思わせる甘く濃厚な香りから始まる。口に含むとトフィーのような濃厚な味わいへつながり、フルーツケーキやチョコレートを思わせるニュアンスも重なる。余韻には、モルト由来の甘みとスパイスがふくよかに続くという。

ボトルに刻まれた御神木ブナ、水を育む森への敬意と蒸留所の歩み

ボトルデザインにも、祭りの記憶が息づいている。道祖神祭りで御神木として用いられるブナの木を3Dスキャンし、その樹肌の質感や輪郭をボトル表面へ落とし込んだ。世代を超えて受け継がれてきた御神木の存在を、パッケージという形で生かした試みである。

高い保水力を持つブナは、野沢温泉を取り囲む豊かな森を象徴する木でもある。降り積もった雨や雪は、落ち葉や腐葉土、土壌の層をゆっくりと通りながら地中へ浸透し、長い時間をかけて地下水や湧き水となっていく。ブナの森は、村の水を蓄え育む環境そのものを支えている。

野沢温泉蒸留所は2022年12月、村のシンボルである「大湯」から徒歩数分の場所に、かつての缶詰工場をリノベーションして誕生した。これまではクラフトジンで世界的な評価を築いており、2023年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでは出品した4種すべてが金賞を受賞している。ジンで培った技術と知見を土台に迎える今回のシングルモルトは、蒸留所にとって次の挑戦であり、村の水と文化が育んだ味を確かめられる一本だ。旅先で味わう一杯として、あるいは大切な人へ贈る一本として、発売日を心待ちにしたい。


Barrel Hall Series

シングルモルトウイスキー
容量:700mL

アルコール度数:47%
希望小売価格:13,200円(税込)

発売日:2026年11月6日(金)

販売場所:野沢温泉蒸留所、公式オンラインストア、取扱店等  

公式サイト
https://nozawaonsendistillery.jp/