文:赤井大祐(FINDERS編集部)
ハード・ソフト問わず。プロアマ問わず。誰もが参加できるものづくりコンテスト「ヒーローズ・リーグ 2022」。FINDERSも2021年からメディアスポンサーとして参加し、今年も「FINDERS賞」の選出をします。
12月11日に予定される結果発表を前に、本稿では合計211の応募作品の中からFINDERS編集部が気になった作品をピックアップして紹介したいと思います。
着るモビリティ MOBILE WEAR Mk-IV/Mk-IV改 "MOYAY"
交通デザイン研究所による「着るモビリティ MOBILE WEAR Mk-IV/Mk-IV改 "MOYAY"」。その名の通り下半身に装着するモビリティです。基本動作はローラースケートのように片足ずつ前に出してスイスイと進んでいくものですが、驚くべきは「座り姿勢」。装着したボディに体重をかけて座ることができ、しかもそのまま移動することもできてしまいます。駅から自宅や目的地までの「ラストワンマイル」の解決だけでなく、立ち仕事などにも応用できるかもしれません。
HeartBeat Packet — 緊張直結式ネットワークシミュレータ
オンラインミーティング中に通信状況が悪くなり、画面が固まってしまうなんてことはよくある話。吉松駿平さんによる「HeartBeat Packet — 緊張直結式ネットワークシミュレータ 」は、「心拍数の上昇によってパケットロスを引き起こし、自分のオンラインミーティングの画面を固める」というユニークなシステム。つまり打ち合わせやプレゼン中に不測の事態が発生しパニックになればなるほど画面の固まりによって時間を稼げてしまうというもの。生体情報と通信を連携させることでおなじみのシチュエーションを再現し、さらにはそこから一つの「機能」を引き出す。柔軟な発想に脱帽です。
CryingBaby (day 0)
小坂崇之さんによる「CryingBaby (day 0)」は、赤ちゃん型のロボットを通じてリアルな新生児の育児体験ができるというものです。「空腹」「睡眠」「気分」「排泄」「緊急」の5つの異なる周期を持つ「機嫌タスク」に応じて利用者は実際の新生児と同じ対応を迫られます。未だに「男性の育児参加率」なんて言葉が使われているように、個人レベルでも社会レベルでも男性が育児に参加する土壌がようやくできはじめたところ。子供を育てる人もそうじゃない人も、一度は「体験」してみてはいかがでしょうか。
サイバードラレコ方向指示器
自転車の事故が年々増加していることをご存知でしょうか。警視庁によれば2016年から2021年の間で自転車が関与する事故の件数は2000件以上増えています。TEAさんによる「サイバードラレコ方向指示器」はそんな自転車にドラレコ機能、方向指示器、ブレーキランプ、フロントライトを搭載するユニット。事故をなくすための機能から、万が一事故が起こったあとの機能まで備え(なおかつそれが変形式ときているのだから)これは便利。コロナ禍の影響やレンタサイクルの普及など、実際問題、自転車の事故について真剣に検討するタイミングが来ているのではないでしょうか?
この他にも個性的なアイデア勝負の作品から、社会の問題解決に焦点を当てた実用的な作品まで、さまざまな発明品が集まっています。ぜひ応募作品一覧をチェックしてみてはいかがでしょうか?