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文：岩見旦
SNS上には多くの健康やダイエットに関する情報が溢れ、新たな流行を生み出している。
しかし、その中には医学的な裏付けがなく健康効果がないどころか、人体に悪影響を及ぼすものもあるようだ。
３万いいねの豆乳ヨーグルトに批判殺到
あるTwitterユーザーが8月4日、「清潔な容器にアボカドの種と無調整豆乳を300ccくらい入れて時計回りに2、3回かき混ぜて常温で1日くらい置くと豆乳ヨーグルトができるよ」と投稿。タッパーの中に入れられた豆乳が、ヨーグルトのように白く固まっている写真も添えられている。このツイートは３万件を超える「いいね」を集め、大きな注目を集めた。
しかし、この豆乳ヨーグルトを否定する意見が殺到。「絶対に真似しないでください。食中毒になります」「アボカドの種に乳酸菌はないので、ヨーグルトにはならない」「まるで菌培養のお手本」などの批判のコメントが相次いだ。
では、なぜ豆乳は固まるのだろうか？ 多彩な豆乳商品を手掛けるキッコーマンの公式サイトによると、空気中には目に見えない雑菌がたくさん存在し、その雑菌が豆乳に影響して固まることがあるとのこと。固まった豆乳は劣化が進んでいる状態なので飲まないよう注意を促している。どうやらアボカドの種の有無に関わらず、開封した豆乳は腐敗し、固まることがあるようだ。
豆乳ヨーグルトでお腹を壊す子供も
現在、豆乳ヨーグルトを紹介した元のツイートは削除。投稿したTwitterユーザーは、以前から豆乳ヨーグルトの話題を聞いたことがあり、面白みの一つとして投稿したと経緯を説明し、「非科学的なことに気分を害された方、申し訳ございませんでした」と謝罪した。
しかし、問題はこれで収まらなかった。SNS上にはこのヨーグルトは健康であると信じて止まない人が一定数おり、家庭で作って娘に食べさせたところ、お腹を壊したという人まで現れた。抵抗力の弱い子供に食べさせると、重篤な健康問題につながる危険性があるので、即刻中止してほしい。
数年前には、玄米を入れた豆乳を常温で発酵させる「玄米豆乳ヨーグルト」が流行し、実際に健康被害が出て、専門家が警鐘を鳴らす事態になった。今後も同様の健康法が定期的に話題になるかもしれない。しかし、実行する際は必ずエビデンスを確認してほしい。