EVENT | 2019/02/19

むしろ欲しくなる!『日本一ダメな交通系ICカード』として話題の「ICOUSA」とは?

文:岩見旦

電車やバスを使う人なら1枚は持っているであろう交通系ICカード。財布いらずで乗り降りでき、提携している...

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文:岩見旦

電車やバスを使う人なら1枚は持っているであろう交通系ICカード。財布いらずで乗り降りでき、提携しているお店や自動販売機でも使えて、非常に便利だ。SuicaやPASMOを始め、北海道のkitaka(キタカ)や九州のSUGOCA(スゴカ)など、日本全国に多彩な種類があるのも特徴の一つ。

そんな中、1枚の交通系ICカードが今、SNS上で熱視線を集めている。

ICOUSA、「日本一ダメな交通系ICカード」として注目!

その交通系ICカードとはICOUSA(イコウサ)。

このICOUSAは、福井初の交通系ICカードとして2011年3月から運用開始。コミュニティバス「すまいる」や提携ショップでの支払いに使えるとしている。

地方に根ざした交通系ICカードとして、ある程度の評価を得られそうだが、なんとこのICOUSA、「日本一ダメな交通系ICカード」として注目を集めているのだ。

まず、このICOUSAは交通系ICカード全国相互利用サービスに入っておらず、使えるのはコミュニティバス「すまいる」のみ。しかもバス運賃は一律100円のため、利用するメリットが小さいとして、あまり使われていないという。

さらに、提携ショップは4店舗。福井市内に店を構える「ファーレふくい」「おいしい菜」「ハニー 食市場 北の庄」「駅前西口マルシェ」だけでしか利用できない。しかしそんな提携ショップですら、店員に「そんなカードあったっけ」とあしらわれたという人も。

決してメリットが大きいとは言えないICOUSAに、カード発行枚数は運用開始から2年間で1,458枚に留まった。あまりに発行する人が少ないからか、実際にICOUSAを作りに行った人は「本当に作るの? 本当にチャージするの?」と言われたという体験談も寄せられた。

日本全国に乱立するダメダメ交通系ICカードに喝!

Twitterユーザーのとびしまライナーさんは2月15日、交通系ICカードを紹介したサイトのICOUSAの説明文「日本一ダメな交通系ICカード」を取り上げツイート。この投稿は3,000を超えるリツイートを獲得した。

この投稿がきっかけで、「SAPICA(サピカ)に劣るカードがあったとは…」「icsca(イクスカ)も負けてない」「OKICA(オキカ)を下回るのはヤバイぞ」など、日本各地にある使えない交通系ICカードの情報が多数寄せられた。

ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、「交通系ICカードがこんなに乱立しているのに驚く。どうしてどの会社も独自プラットフォーム作りたがる?」と疑問を呈した。

スマホによるQRコード決済の普及が進む中、交通系ICカードはどのような進化を遂げるのだろうか。少なくとも最低限のメリットで地元のユーザーに支持されない限り、淘汰されてしまうのは間違いない。


ふくいまちなかマルシェ