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キャッシュレス決済の「Origami」が、法人アプリへの導入簡略化と全国規模の新ネットワークを発表!
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  • 2019.10.17
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キャッシュレス決済の「Origami」が、法人アプリへの導入簡略化と全国規模の新ネットワークを発表!

中国などから比べるとキャッシュレス化が遅れているといわれてきた日本。しかし、現在はデジタル・トランスフォーメーション社会を背景にあらゆるジャンルで需要が高まり、フィンテックの競争も激化している。

9月27日、国内のキャッシュレス決済の古株であるOrigamiが、新たな未来構想を発表。囲い込みではなく、「Payの解放」を掲げるOrigamiのビジョンは我々の暮らしをどう変えるのか?

取材・文:庄司真美 写真:多田圭佑

完全にパッケージ化されたOrigami Payで導入をスムーズに

Origami代表取締役社長・康井義貴氏。

冒頭でOrigami代表取締役社長の康井義貴氏による挨拶で会はスタート。Origamiは昨年、外部企業に決済をはじめとするポイントや顧客管理、加盟店ネットワーク、データ分析、セキュリティといった機能を無償でオープン化したことを発表。

昨年時点では、企業がOrigamiを導入する際、自社のアプリに取り込むためのカスタマイズに約1年かかっていたが、今回は完全にパッケージ化されたものを無償提供することで、1〜2カ月の短期間で自社のアプリにOrigamiの機能を取り込むことができるという。一方で、顧客もOrigamiのアプリをインストールすることなく利用できる仕組みだ。

「数年前までは誰も知らなかったQRコード決済ですが、近年はITで生活のあらゆるシーンを豊かにしていくデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)が進み、それが国内のあらゆる業種でテーマとなっています。Origamiとしても、企業が一から開発することなく、カスタマイズ不要で簡単に組み込める顧客とのネットワーク基盤を利用いただくことで、囲い込みではなくPayの解放を広く提供できればと考えています」(康井氏)。

会場に設置されたOrigami KIOSKの実機。アプリを起動し、スマホをかざすだけであっという間に決済される仕組み。

日本の各ジャンルを代表する14社と新たな金融プラットフォーム「Origami Network」を始動することも発表。

狩猟・農耕・工業・情報社会に続く5番目の成長戦略「DX」の担い手として

次いで取締役の桑原智隆氏からは、AIやIoT、ビッグデータが持つ汎用技術が今後、あらゆる産業に影響を与えていく世界的なデジタル革命の潮流の中で、Origamiが目指す立ち位置について語られた。

「国内のいろんな企業が、“攻めと守りのIT”を掲げてはいるが、アメリカと比べると日本企業における原価に対する利益の割合を示すマークアップ率はロングテールな伸びがないのが現状。一方で、顧客目線で付加価値を提供したり、社会課題に応えたりする企業がビジネス経済にも貢献しています。そうした中で、日本が世界に提唱するデジタル革命後の姿を示した『Society5.0』の担い手として、Origamiは決済を入り口にDXで新しい未来をみなさんと切り拓いて行きます」(桑原氏)

Origami取締役・桑原智隆氏。

今後、民間企業を中心にイノベーションを社会実装していく中で、フィンテックはあらゆる経済活動の糧となる。

その一方で、イノベーションの進展に応じた法制度やルールの見直しといった課題があるが、前出・康井氏が理事を務めるキャッシュレス推進協議会が統一QRコード「JPQR」の普及や10月から始動するキャッシュレスの消費者還元事業などを後押しする動きについても紹介された。

Origamiと企業の共同キャンペーン成功事例

事業開発ディレクターの伏見慎剛氏からは、Origamiの強みとOrigami導入企業の成功事例について発表された。Origamiの月間利用者数は2017年8月から比べると21倍(2019年8月時点)に拡大。ユーザーのアクティブ率は80%と高く、他社と比較すると1位にランクインするという。

また、2段階認証や端末認証、モニタリング体制による365日24時間監視、全額補償といった不正対策も万全に備えていると強調。

成功事例については、今年2月に実施した日本ケンタッキー・フライドチキンとの共同キャンペーンが紹介された。キャンペーン実施後、前週と比較してOrigami Payの利用率は40倍、来店数は10%アップしたという。

Origami事業開発ディレクター・伏見慎剛氏。

「Origamiとの共同キャンペーンを駆使して、たとえば、明日から雨の予報だから来店促進したいというご要望に、来店者数を事前に担保する施策として活用いただけます」(伏見氏)

直近では、10月1日からの消費税増税を背景に、最大8%還元キャンペーンを、法人に対しては、10月以降の新規加盟で決済手数料0%キャンペーンを実施するという。

金融事業も本格化

Origamiが本格的に金融事業を始動させる姿勢が感じられたのが、新たに設立されたOrigamiファイナンシャルサービス。11月にリリース予定のOrigamiウォレットを基軸に、融資・保険・投資などを提供していくという。CEOに就任した正木美雪氏が登壇し、今後の展開が述べられた。

origamiファイナンシャルサービスCEO・正木美雪氏。

「Origamiウォレットはパートナー企業のアプリがあれば利用できます。今までの金融の仕組みでは恩恵が受けられなかった人にもニーズに沿ったサービスを提供していきたい。テクノロジーを駆使して次世代の課題を解決し、生活に沿った未来の金融サービスを創造できればと考えています」(正木氏)

正木氏はこのほか、あいおいニッセイ同和損保、第一生命との提携を発表。双方のデータ、知見を持ち寄ったオリジナルのサービスを構築していくことを発表した。

246の拠点を持つ信金と提携し、全国ネットワークでのキャッシュレスサービスを拡大

Origamiはすでに、みずほ銀行や三井住友銀行などのメガバンクを筆頭に、イオンやツタヤ、六本木ヒルズ、ローソンなどのほか、昨年は全国に246の拠点を持つ信金中央金庫との提携も発表された。

今年は、提携する信金中央金庫 専務理事の須藤浩氏が登壇。冒頭でOrigamiと提携した背景や経緯について、iPhoneの爆発的な普及を引き合いに述べられた。

「iPhone発売当初は、本当に日本で普及するの?と思った人も多いのではないでしょうか。結果、累計販売台数は、10年間累計で12億台。まさにQR決済でも同じことが起きています。消費税増税やオリンピックの開催といった背景にともない、さまざまなプレーヤーが参入しています。コンビニは登場してから50年で6万店に増えたが、信金が紹介したorigami加盟店数はたった1年で7万店という驚異的な広がりを見せています」(須藤氏)

信金中央金庫 専務理事・須藤浩氏。

900万人の会員、総預金額143兆円、加えて地域ネットワークを駆使した今後のねらいについて、「地域に溶け込むキャッシュレスというツールで地域の活性化に努めたい」と語る須藤氏。

これまで、地域の祭りや商店街のイベントなどをオールキャッシュレスのスマホ決済で実施してきたという。中でも、富山・氷見市で行われた「海のアパルトマルシェ」に訪れるお客を分析した結果、市内からは4割程度で、市外から来ている人が6割を占めることが判明するなど、マーケティングにも活用できると説明する。

LCC「Peach」×Origami×奄美大島信用金庫の結託で、資源開発や経済活性化を目指す

発表会後半に登場したのは、Peach Aviation執行役員兼事業戦略室長の轟木一博氏。“空飛ぶ電車”というキャッチーなフレーズで人気のLCC「Peach」は、現在、国内・国際各線17便、1日最大約120便を運航し、年内に他社LCC「バニラエア」を統合予定だという。

PeachとOrigami、そして離島の信金「奄美大島信用金庫」がタッグを組んだ取り組みについて紹介された。

「3社コラボレーションの目的は、『資源開発』『来島促進』『経済貢献』にあります。Peachが目指すのは、スマホひとつで奄美大島を楽しみ尽くす、気軽すぎる旅を訴求することです。現地住民の方々の認識・興味・関心を持ってもらえる環境醸成を促進するほか、インバウンドもオールキャッシュレスで経済活性化につなげたい。将来的にはOrigami機能のある信金のカードがあれば、海外でも買い物ができるアウトバンドでの需要にもつなげられればと考えています」(轟木氏)

Peach Aviation執行役員兼事業戦略室長・轟木一博氏。

決済データがorigamiに蓄積された将来は、医療をはじめ、介護や福祉、観光などに生かすことで、地域の利益を最大化するために活用するビジョンもあるという。

競争が激化する今後、2021年に市場規模は1兆2102億円に達する(※)といわれているフィンテック市場。

法人アプリに導入しやすくなったOrigamiのキャッシュレス決済機能が加わり、信金などとの提携によるネットワークが離島も含めた全国津々浦々に広がることで、フィンテックの普及がますます後押しされるだろう。囲い込みではなく人や企業に寄り添った取り組みが、フィンテックの普及に布石を投じるのは間違いない。

矢野経済研究所調べ


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