CULTURE | 2019/05/20

「ピルは避妊目的」 先生の偏見を受け、治療薬として服用する女子高生の切実な訴えが話題に

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文:岩見旦
女性の社会進出が叫ばれて久しいが、女性特有の身体の悩みに関し...

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文:岩見旦

女性の社会進出が叫ばれて久しいが、女性特有の身体の悩みに関して理解が進んでいるとは言い難い。

そんな中、ある偏見に対し苦言を呈した女子高生の投稿が、Twitter上で大きな注目を集めている。

保健の授業で、先生からの偏見に満ちた一言

女子高生であるTwitterユーザーが、保健の授業に参加した。その時、先生が耳を疑うような言葉を投げかけた。ピルについて「皆さんの中で飲んでいる人はいないと思うけど」と話したのだ。

おそらくこの先生は、ピルは避妊目的のみで飲む薬だと思っていたのだろう。しかしそれは誤りだ。女性ホルモンが含まれているピルは、生理痛や生理不順などの際にも使われているれっきとした治療薬でもある。

実はこの女子高生もピルを服用している患者の一人。先生の言葉に「その教育遅れていません?」と苦言を呈し、「教師が進んで生理が辛い女の子の肩身狭めないで」と訴えた。また、この女子高生の使用している教科書には、ピルは避妊法の一つとしてしか紹介されていなかったとのこと。これでは誤解する人が増えるはずだ。

ピルを治療薬として使用している人は、実際には多数存在する。しかし、避妊薬という偏見が蔓延しているピルを持っていると、遊んでいると疑われることも少なくない。実際、この女子高生も「ピルの容器は新聞紙に包んで捨てなさい」と指導されているという。「生理は恥ずかしいことじゃない!!すべての女の子に声を大にして言いたい!」と女子高生は主張した。

女子高生が15日に投稿したこのツイートは、現在6万リツイートを突破。「声を上げてくれてありがとうございます」「先生の知識のなさにびっくりです」「私も月経困難症の治療としてピル服用しています」など、多くの女性から共感の声が寄せられている。

産婦人科医は妊婦が行く場所との誤解

また、ある専業主婦は自身のTwitterに、ご主人から「産婦人科なのに高齢の人もいるんだね。少子化と言われているけど大丈夫だね」と言われたというエピソードを投稿した。

ご主人は産婦人科を妊婦健診や分娩の目的でのみ行く場所であると勘違いしていたのだ。もちろん正しくは、生理痛や生理不順などの治療でも行く診療科でもあり、幅広い年齢の女性が通っている。

女性特有の身体の悩みはタブー視されており、オープンに話しにくい風潮がある。特に男性は誤解している人が多いかもしれない。偏見が一つでも取り払われることを望んでいる。