スマホ世代にも届く交通広告 初期認知を生むリアル接点の価値
株式会社オリコムは、首都圏および関西に居住する15~69歳を対象に、電車内広告による企業認知に関する調査を実施した。その結果、「電車内の広告を見たことで企業を初めて知った経験がある・あるような気がする」 と回答した人は84.4%にのぼり、交通広告が企業との最初の接点として機能している実態が明らかとなった。
今回の調査は、同社がこれまで発表してきた 「電車内広告が企業の信頼度向上に与える影響」 に関する調査の続報にあたるものだ。従来の結果では、電車内広告は 「自然に目に入る」 「押しつけがましくない」 といった理由から好意的に受け止められている傾向が示されていた。今回の調査では、その特性が企業の認知獲得にどのように寄与しているかを定量的に検証している。
電車内広告には、中づり広告や車内ビジョン、ドア横ポスター、まど上ポスターなどが含まれる。日常の移動の中で繰り返し接触するこれらの広告は、意識的に探さなくても自然と視界に入り、結果として企業との偶発的な出会いを生む。こうした“セレンディピティ”の効果が、初めての企業認知につながっていると考えられる。
年代別の結果を見ると、「ある」と回答した割合は15~19歳が55.6%で最も高く、次いで20~24歳が50.3%となった。一般的にはスマートフォン利用が中心の若年層は交通広告への接触が少ないと見られがちだが、今回の調査ではむしろ若い世代ほど電車内広告をきっかけに企業を知っていることが確認された。リアル空間での広告体験が、デジタル中心の生活の中でも有効に機能していることを示す結果である。
さらに、電車内広告をきっかけに初めて知った企業の分野についても調査が行われた。自由回答の結果、首都圏・関西ともに人材関連企業やオフィス向けのBtoB企業が多く挙げられた。これらの企業はテレビCMやWEB広告も展開しているが、サービス名の認知が前提となる検索行動に至る前段階として、交通広告が重要な役割を果たしているといえる。
検索されるためには、まず企業名やサービス名を知ってもらう必要がある。交通広告は、生活者の移動導線に組み込まれた形で自然な接触を生み出すことで、指名検索の前段階となる認知形成に寄与する。特に若年層においてその効果が顕著である点は、広告戦略においても示唆的である。
デジタル広告が高度にターゲティングされる時代において、あえて「ターゲティングしすぎない」交通広告が、新たな発見の機会を提供している。企業と生活者の最初の出会いを生み出すメディアとして、交通広告の価値は今後も再評価されていくとみられる。
株式会社オリコム
https://www.oricom.co.jp/