LIFE STYLE | 2021/12/29

英語リスニング力アップを目指して、編集部員が1カ月間の「シャドテン」体験してみた!(後編)

文:赤井大祐(FINDERS編集部)
シャドーイング特化型学習サービス『シャドテン』の1カ月体験記後編。
前編では、...

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文:赤井大祐(FINDERS編集部)

シャドーイング特化型学習サービス『シャドテン』の1カ月体験記後編。

前編では、株式会社プログリットにてシャドテンのマーケティング・事業開発を担当する新井瑠生氏に、シャドーイングという学習法の意味や効果について話をいただいた。シャドーイングとは?なんで英会話じゃないの?と疑問が残る読者は前編から読んでいただきたい。

後編となる本稿では、FINDERS編集部の赤井が実際に1カ月間シャドテンを体験したうえでの、学習の流れや感想などを記したい。

結論から言えば、効果が出始めるまでに通常2〜3カ月はかかると聞かされていたが、この1カ月間でリスニング力の向上をはっきりと感じることができた。音声のどのあたりを意識すれば単語や文を把握できるのか、勘所を少しだけつかめるようになってきたという感じだ。大好きなPodcast番組『バイリンガルニュース』も、以前より内容をつかめるではないか。

逆に言えば、初めて能動的に英語に触れた中学生のころから15年以上、どれだけ「音の変化」を意識出来ていなかったのかが浮き彫りにもなった。リスニング力で伸び悩んでいるという人は、是非参考としてほしい。

フィリップ・コトラーのインタビュー音源も

それでは早速体験スタート。サイト上での申込みを終えたら、LINEからシャドテン公式アカウントの友だち登録を行う。学習自体は後ほど登場するアプリ上で行うのに対し、LINEはシャドテンサポートチームから学習に関するサポート受けるために利用する。サポート担当が存在するため、自分の学習状況を把握してもらいながらの適切なアドバイスを受けることができる。

まずはリスニング力診断テストだ。LINEに送られてくるURLへアクセスし、短いセンテンスの穴埋め式のリスニングテストを行う。このテストでは自身のWPM(Words Per Minute=1分間あたりの単語数)を測り、学習をスタートさせるレベルを決める。筆者はWPM130からスタートとなった。

次のステップは専用アプリをダウンロード。基本的な学習はすべてこのアプリ上で完結されるのだが、この手軽さがのちのち効いてくる。

アプリ上で教材一覧から自身のWPMにあった教材を選択。ジャンルはビジネス、社会、試験対策、エンタメ、文学、科学、とさまざま。各ジャンルごとにそれぞれのWPMが用意されているため、自身の興味関心に合わせて教材を選択できる。学習を継続するにあたって、教材の「質」も大きく重要になってくることは言うまでもない。

本誌『FINDERS』のテーマは「ビジネス×クリエイティブ」。まずは正面から堂々と入場しようということで、ビジネスジャンルのWPM130から始めることに。教材に使用される音声は、現代マーケティングの第一人者として知られる、フィリップ・コトラー氏へのインタビュー「Marketing and the Economic of Democracy(マーケティングと民主主義の経済)」だ。

数々の著書や論文を発表し、マーケティングを学ぶのであればまず読んでおくべきと真っ先に名前が上がる氏の生い立ちや、思想、ピーター・ドラッカーとの関係などを語るインタビュー。面白くないわけがない。

インタビュー音声は全部で19個に分割されており、1日あたりおよそ1分程度の音声をシャドーイングしていく形となる。なお都合上、教材のスクリーンショットは「TOEIC® Listening & Reading Test Set A」を利用するので、その点のみご理解いただきたい。

録音提出からフィードバックまでアプリで完結

それではシャドーイング……の前に、取り組むための「準備」を怠っては学習効率を上げることはできない。まずはアプリのトップ画面を見てみよう。なぜリスニング力が伸びないのか、リスニングの学習法やシャドーイングまでのステップなど具体的な方法まで解説してくれる動画が用意されている。まずは一通りさらっておくとよいだろう。

上記動画内容に基づき、必要な3つのステップを順に追っていこう。

まずは、スクリプトを見ながら音声を2〜3回 聴くところから始める。音声の全体像を把握し、どの程度聞き取れるかを確認する。ここを集中してやるかどうかが、全体の効率に大きく影響していると感じた。

今度はアプリ画面左下のボタンをタップし、スクリプトの表示モードを切り替えると、画面右半分に対訳が表示される。細かい単語や文法は気にせず、全体の文意を掴む工程だ。

次に、スクリプトを目で追いながら音声にかぶせて発話する「オーバーラッピング」を何度か行う。音声のスピードや緩急に慣れるための工程だが、初日はこのオーバーラッピングをこなすだけで骨が折れた(各課題の初日はこのオーバーラッピングの音源の提出だけでも良いとのこと)。

さて、オーバーラッピングを行ったら、いよいよシャドーイングだ。今度はスクリプトを見ず、耳から入ってくる音声にだけ集中し、少し遅れて追いかける形で発話していく。特に最初のころは油断するとすぐに置いていかれたり、単語の抜け漏れ、音の変化の聞き落としも発生する。しかし、この1分ほどの音声を1日20〜30回かけてじっくりと取り組むことで、だんだんと聴き取れるようになり、同時に発話としても再現できるようになっていった。

どうしても聴き取れない部分があれば、ABループ機能を使用して、特定の箇所だけを何度もリピートすることができる。必要に応じて音読やオーバーラッピングをするためだ。それでも難しければ、設定画面から再生速度を落としてみてみるのも一つの手だ。特に3個以上の単語が流れるように発音される箇所では、音の変化を掴み覚えるのが難しく、ループ機能を使うことが多かった。

最後は録音ステップ。アプリの画面を録音モードに切り替えて音声を再生すると、自動で録音もスタート。これまでと同じようにシャドーイングを行い、停止ボタンを押せば録音完了だ。

右下の「確認」ボタンから録音した音声をチェックして、音の変化を捉えたシャドーイングができていればそのまま送信。聴き取り逃していた部分や、聴き取れたがうまく再現できていない部分があれば、何度でも録音し直すことができる。個人的には、録音を聴き直すこの時間に改善できた部分が意外にも多かったように思う。最初はあまりに理想とかけ離れた自分の発音に気落ちもするが、こちらも回数を重ねればすぐに慣れた。だいたい2、3回は録音し直してから送信することが多かった。

そしてここからが独学ではなく、「シャドテン」を利用する理由ともなる部分だ。録音した音声には、しっかりと音の変化を捉えていた箇所(Good Points)と、音の変化を捉えていなかった箇所(Development Points)についてそれぞれ2、3個ずつ、24時間以内にフィードバックが送られてくる。

自分の中でなんとなく不安だった場所や、何度聞き直しても自信を持って発話出来ていなかった箇所をピンポイントで指摘された時は、さすがプロの添削だなと感心した。また、不思議なもので、フィードバックによって正しい「音の変化」を覚えてしまうと、もう他の音には聴こえなくなる。この学習サイクルを積み重ねることで、自信の音声知覚が鍛えられていくのだな、と実感できた。

フィードバックを踏まえて自分の録音を聴き直し、再度同じ音声のシャドーイングを行う。送られてくるDevelopment Pointが1つ以下、もしくは同じ音声でのシャドーイングを最大4回行ったら次の音声に進み、また集中して音声を聴くところから、ひたすら繰り返していく。

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