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緊急事態宣言を受け、さらに増えるテレワーク。とはいえセキュリティ対策を施したスペースをどれだけの人が用意できるだろうか
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  • 2020.04.08
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緊急事態宣言を受け、さらに増えるテレワーク。とはいえセキュリティ対策を施したスペースをどれだけの人が用意できるだろうか

Photo By Shutterstock

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐために発令された緊急事態宣言を受け、多くの企業が導入を進めているのが在宅でのテレワーク(リモートワーク)。しかし、その実現にはセキュリティ面の課題も少なくない。

伊藤僑

Free-lance Writer / Editor 

IT、ビジネス、ライフスタイル、ガジェット関連を中心に執筆。現代用語辞典imidasでは2000年版より情報セキュリティを担当する。SE/30からのMacユーザー。著書に「ビジネスマンの今さら聞けないネットセキュリティ〜パソコンで失敗しないための39の鉄則〜」(ダイヤモンド社)などがある。

テレワークに適したスペースを確保できるのか

筆者が、まず疑問に感じたのは、東京や大阪といった大都会の企業に勤める人たちが暮らす住宅に、テレワークが行えるようなスペースを確保できるかということだ。

緊急事態宣言によって、子供や配偶者も在宅を強いられる可能性が高い。もともと十分な広さを確保することが困難とされる日本の住宅の中に、集中力を必要とされる仕事を行う場所を確保することは難しいのではないだろうか。

仕事に適した場所の確保が求められるのは、「集中力の持続」や「作業効率性の保持」以外にも理由がある。業務を行う上で必要とされる一定のセキュリティレベルを確保するためにも、欠かせない要素の1つといえるのだ。

例えば、子供たちがすぐ横で遊ぶリビングのテーブルで、パソコンを使って仕事をしていた場合を考えると、画面をのぞき込まれることもあるだろうし、ちょっと席を外した際にパソコンを勝手に操作されてしまう恐れもある。子供が自撮りした写真や動画に作業中のパソコン画面が写り込むことだって考えられるだろう。

SNSなどの普及によって、子供でも簡単に情報発信ができる状況下にあるだけに、気を許すことは許されない。家族団らんのリビングやダイニングは、そのままだと業務を行うために適した環境とは言えない。PCに覗き見防止フィルムを設置する、簡易的な仕切り板・パーティションなどを設置するといった工夫が必用になりそうだ。また、狭いスペースでも個室に近い空間を生み出せる「個室テント」「インスタント個室」といったアイテムにも注目が集まっている。


「夫専用の部屋」よりも「妻専用の部屋」少ない傾向

そこで、ぜひとも確保したいのが1人で仕事を行うための個室なのだが、国際的にも「狭い」ことで知られる日本の住まいにおいて、個室を持っている人がどれぐらいいるのだろうか。

少し前のデータになるが、2011年に不動産総合情報サービスのアットホームが、東京都に勤める1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の30〜50代の既婚サラリーマン600名を対象に行った調査によると、「夫専用の部屋がある」のは全体の38.2%(持家47.0%、賃貸29.3%)で、「妻専用の部屋がある」は22%だったという。共働き世帯が多い中で、夫婦間で差が大きいのが気になる。

「夫の部屋の有無」アットホーム調べ

同調査では、「夫の部屋にあるもの」の1位は「パソコン(74.7%)」、2位は「机(72.1%)」で、「夫の部屋で行っていること」の1位はダントツで「インターネット(71.2%)だった。

ということは、夫に専用の部屋がある場合、テレワークに適した環境が確保されることが多いということになる。

2015年に不動産・建設領域のコンサルティング会社、ハイアス・アンド・カンパニーが実施した「いい夫婦の住まいに関する意識調査(対象は20歳以上の男女1132名)」でも、同様の傾向が見られる。

「自分専用の部屋はありますか」ハイアス・アンド・カンパニー調べ

「自分専用の部屋がありますか?(単一回答)」という設問に対し、「夫・妻とも自分の部屋がある」と回答したのは「いい夫婦」で41.2%、「それ以外の夫婦」で40.2%。「夫のみの部屋がある」は、いい夫婦で17.7%、それ以外で21.4%、「妻のみの部屋がある」は、いい夫婦で2.1%、それ以外で7.0%となっている。やはり、夫の方が専用の部屋を持っている確率が高いようだ。

※「いい夫婦」とは、夫婦仲の良さを0〜10で表すという設問において6以上を「いい夫婦」、5以下を「それ以外の夫婦」としている。

夫婦が共に在宅勤務になった場合には、妻の方が不利になる傾向が強いようだ。

テレワークにおけるセキュリティ上の責任とは

上司の目が届きにくい在宅におけるテレワークでは、情報漏洩などを防ぐためのセキュリティへの配慮も緩みがちになる。気を引き締めて対処しないと、後で痛い目にあうことも忘れてはならない。

平成30年4月に総務省が公開した「テレワークセキュリティガイドライン第4版」において、「テレワーク勤務者」に対する推奨対策事項の概要は以下の通り。

テレワーク利用時においては、テレワーク勤務者自身が、その場所における管理責任者となる。特に、情報資産を持ち出して仕事をしている場合は、その間の情報資産の管理責任はテレワーク勤務者にある。

定められたルール(重要情報の暗号化、フリーWi-Fiを使わないなど安全な通信経路の利用徹底など)を守って作業をしていれば、仮に作業中に事故が発生して情報が漏洩したり、情報が失われてもテレワーク勤務者が責任を問われることはないが、ルールを守っていなかったり、重大な過失があった場合には、テレワーク勤務者が自己の責任を負わねばならない。

このルールには、在宅勤務といえども、情報漏洩を防ぐことができるテレワークに適した環境を整えることも含まれると考えるべきだろう。

上司の目が届きにくいからといって、ルールを守らずに作業をすることは、結果的に本人にとって重大な損失を招きかねないことを理解しておく必要がある。


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