CULTURE | 2020/07/06

ヨーロッパで、日本発「宮脇方式」の植樹が急速に拡大。従来の10倍の速さで成長し、地球環境保全の切り札に

2018年に宮脇方式で植樹されたベルギーのミニ森林
文:仲田拓也
生物や植物の多様性を保護したり、地球温暖化の原因の...

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ヨーロッパで広がる「ミニ森林」

この日本生まれのミニ森林が今、ヨーロッパで熱い視線を注がれている。野生生物学者であるエリック・ダイナーシュタイン氏も「ミニ森林は、野生生物にとっての通路を作ることにもつながります。森に住む虫たちがワタリドリのエサとなるかもしれません」と『The Guardian』の取材に、語っている。

オランダでは、自然保護団体が2015年から支援を行い、宮脇方式のミニ森林を100カ所に設ける活動を行っている。2022年までには、2倍以上に増やす予定だ。また同様の取り組みを12カ国でも行われている。

フランスでは2018年3月に最初のミニ森林が誕生。パリの交通量の多い4車線の道路のそばに騒音を減らし、近隣の地域の空気をろ過することが目的にミニ森林が設けられた。パリ以外でもトゥールーズでミニ森林がつくられている。ベルギーでも、博物学者が2016年からミニ森林をつくるため、ボランティアと自治体と協力し、300本の木を植えた。現在3メートルの高さにまで成長しているという。

イギリスでも、オックスフォードシャー州に200平方メートルに6000本の木が植えられたミニ森林が生まれている。現在オックスフォードでも新たなミニ森林をつくる計画が進行中だ。欧州に広がるミニ森林。悪化する地球環境を食い止める一歩になるかもしれない。


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