PR

BUSINESS | 2024/03/19

多様な知が活躍できるレーザー国際共創プラットフォームの実現へ

大阪大学 レーザー科学研究所

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

経済産業省では、長期的・持続的な日本経済の発展のため、大学や、高専等の機関を中心とした研究拠点より、企業ネットワークのハブとして活躍している産学連携拠点を評価・選抜 (国際展開型と地域貢献型の2類型) する 「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜事業」 を令和2年度より行っている。

令和5年度についても、令和5年6月27日から7月31日までの公募期間中、19件の申請があり、第5回目として新たに国際展開型3拠点、地域貢献型7拠点が選抜された。

本連載では、新たに選抜された拠点とその研究内容等を紹介する。

Jイノベ 地域オープンイノベーション拠点選抜制度

J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜制度 国際展開型拠点~大阪大学 レーザー科学研究所

大阪大学 レーザー科学研究所は、前身である大阪大学 工学部附属レーザー工学研究の設立以来、レーザー技術の開発と応用で世界をリードしてきた研究開発拠点である。なかでもレーザー核融合研究は、人類にとって究極のエネルギー源の可能性を追求し、社会の要請に応える学術融合型の学際研究であり、さまざまな波及技術を生み出している。また、レーザー宇宙物理学やプラズマフォトニクスといった日本独自の新学問領域を開拓し、レーザー科学に関して世界を先導する研究所として国際的に高いプレゼンスと卓越性を有している。

さらに、世界有数の大型パワーレーザーを自主開発し活用しており、高度で総合的な最先端技術の集約と、新技術の実用化の加速など、新たな技術を創出する牽引力の役割を果たしている。

最先端のレーザー技術を扱う世界有数の研究所

大阪大学 レーザー科学研究所は、最先端技術を統合したパワーレーザー技術と、汎用性の高いレーザー技術の開発ならびにそれらの応用に関する研究・教育を推進しており、現在、以下の4部門が中心となり研究を進めている。

①光量子ビーム科学研究部門
大阪大学 レーザー科学研究所の強みと言える光物質材料工学、テラヘルツフォトニクス、パワーフォトニクスや独自のプラズマフォトニクスなどの技術を基にした研究を行っている。

②高エネルギー密度科学研究部門
レーザー宇宙物理学など、高エネルギー密度プラズマを扱う同センターオリジナルの新しい学問領域の開拓を目指している。

③レーザー核融合科学研究部門
究極のエネルギー源として期待されている核融合エネルギーを最終目標に、幅広い展開が期待される学術融合の研究を進めている。

④理論・計算科学研究部門
物理インフォマティクスなどプラズマ物理学を基本とした国際連携の要となる研究を進めている。

また、レーザーのポテンシャルを最大限活用し、分野、プロジェクト、機関、部局の壁を乗り越えた「知の融合」の実現を目指し、令和4年6月に学術連携、国際連携、施設連携、産学連携を複合的に運営する附属マトリクス共創推進センターを設立。レーザー科学に関する国際的な中核拠点として5つの海外連携オフィス(アメリカ、ベトナム、ルーマニア、ドイツ、フランス)や多数の協定機関を活用し、各拠点の持つ世界トップレベルの技術で、様々な分野を横断する社会的な課題の解決の他、“共創の坩堝”による人材育成を推進する。

100%開かれた世界最高水準のパワーレーザー研究施設

大阪大学 レーザー科学研究所は、100%開かれた世界最高水準のパワーレーザー研究施設を有することで国際的にも高い期待を集め、共同利用・共同研究の拠点として新たな学術の創成と産業イノベーションの実現に貢献している。

また同研究所のパワーレーザー施設の共同利用・共同研究設備は、世界第3位の超高強度レーザー装置「LFEX」や、日本一の高出力レーザー装置「激光Ⅶ号」、さらに世界に3台しかないXFELと同期した高出力レーザー装置「HERMESレーザー装置」などの装置があり、設備としては、日本で唯一のレーザー組立洗浄室や、レーザー実験用微細加工・検査室なども備えている。

また、産学連携の実践の場として、「レーザーオープンイノベーションプラットフォーム棟(L棟)」が整備されており、世界一の高平均出力レーザーであるSENJUの開発利用プラットフォームなども配備されている。

激光XII号レーザー室
チャンバー室I(球対称照射系)

国際的な共創の場を目刺し、人類未踏の世界を探究

大阪大学 レーザー科学研究所の長期ビジョンは、国内外の多様なステークホルダーが集まる国際的な共創の場として、先端技術を集積、高い汎用性を有したレーザー技術で世界トップの地位の獲得、付加価値の最大化を目指すととともに、同研究所を持続的に成長させることだ。

同研究所の兒玉了祐所長は、今後の展望について以下のようにコメントしている。「飛躍的進化を続けるこのレーザー技術を一層発展させ人類未踏の世界を探究することで、イノベーションの源泉となる新学術や革新的技術を創生するとともに世界に革新をもたらす人材を育成する国際的な研究拠点となることを目指したいと考えています。」

大阪大学 レーザー科学研究所の兒玉了祐所長

大阪大学 レーザー科学研究所


Jイノベ選抜拠点の記事一覧はこちら