ITEM | 2024/01/30

気軽に、手軽に音楽作りと映像パフォーマンスを楽しめるオールインワンプロダクト「SEQTRAK」

文:赤井大祐(FINDERS編集部)

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1月16日にYAMAHAはオールインワンミュージックプロダクションスタジオ「SEQTRAK(シークトラック)」を発表した。リズムマシンにシンセサイザー、サンプラー、シーケンサー、さらにアプリと連携したビジュアライザー機能まで搭載した、まさに「オールインワン」の名にふさわしいアイテムとなっている。

一般的に音楽分野におけるYAMAHAといえば、グランドピアノやドラムといったアコースティック系の楽器で知られているが、1970年代からエレクトーンやシンセサイザーといった電子楽器をリリースしており、さらに80年代から90年代にかけてはリズムマシン「RXシリーズ」やハードウェアシーケンサー「QYシリーズ」といったシリーズの機種も数多くリリースするなど、その歴史は長い。

近年はこういったコンパクトなハードウェアはあまりリリースしていなかったが、小型シンセサイザー人気の先駆けとなったTeenageEngineeringの「OP-1」や、根強い人気を誇る電子楽器メーカーELEKTRON(いずれもスウェーデン)など、SNSやYouTubeといったプラットフォーム上における小型シンセサイザー、リズムマシン、シーケンサー人気を受けてか、約20年ぶりとなるリリースとなった。

本体はディスプレイの類を排し、ノブと各種スイッチ、スライダーのみという超ミニマルな構成。左から「Drumセクション」「Synthセクション」「Sound Design&FXセクション」の3つのセクションにわかれており、それぞれの領域に機能が割り当てられている。

また専用の「SEQTRAKアプリ」も特徴的だ。サウンドデザインやエフェクトの調整などをアプリ上で直感的に操作できる。また作成したプロジェクトの保存・呼び出しや、チュートリアル機能も搭載されている。

そして中でも話題を呼んだのがビジュアライザー機能だ。こちらもSEQTRAKアプリから呼び出して使用するもの。SEQTRAKで演奏する音楽にリアルタイムで反応する3Dオブジェクトやビジュアルエフェクトを作成できる。ライブなどで演奏しながら自身でビジュアル表現まで担えるだけでなく、録画したものをSNSなどに公開して楽しむこともできる。

カラーは白ベースのオレンジとグレーをベースにしたブラックの2色展開。価格は税込み55000円と機能の充実ぶりからみればそれほど高くはない。気軽に、手軽に、音楽制作やパフォーマンスを楽しみたい人にはぴったりだろう。新たな潮流の到来を予感させる一台だ。


SEQTRAK