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文:窪田みちる
ティムのカミングアウト
今月初旬に発売された『バッドマン』の新作『バットマン:アーバンレジェンズ』で、バットマンのサイドキック・ロビンがバイセクシュアル(両性愛者)であることが明らかになった。『TMZ』によると、同作で3代目ロビンであるティム・ドレイクが、昔からの友人であるバーナード・ダウドとデートの約束をしたという。
作中では、ティムがバーナードに対する気持ちに気づいたときの出来事を「光明が差した瞬間」と表現。ティムがロビンとしてバーナードと一緒に戦っている時に、ふとそのように感じたのだという。
戦いの後、ティムはバーナードの部屋を訪れた。ドアを開けたバーナードはティムに思いを伝えようとするが、ティムはそれを遮り「無事帰ってきてくれて嬉しいよ。ホッとした。あの夜のことを色々考えていたんだ。自分にとってそういう意味があるのか、まだ分からない。でも、理解したいんだ」と告白。バーナードも「そう言ってくれることを期待していたよ。ティム、デートしないかい?」と尋ねると、ティムは「うん、僕もそうしたいと思っていたんだ」と返答した。気になる続きは、12月に発売される次号で掲載予定。
アメコミに広がるLGBTQ+の波
本作を手掛けた脚本家のメーガン・フィッツマーティンは、『バットマン』シリーズの編集者であるデイブ・ヴィエルゴシュからロビンのストーリーを作りたいと連絡があった時、「ワクワクしました」と『Polygon』の取材に明かした。そして、「私たちはティムがこれまで歩んできた道のりと、その時ティムがいた場所について話し合い、アイデンティティと発見についてのストーリーが必要であるという結論に至りました。ロビンの次の展開は?」と語った。
フィッツマーティンは数日間かけてストーリー考え、ロビンにカミングアウトさせるか、あるいは自分のセクシャリティを探求させることを提案。フィッツマーティンはヴィエルゴシュに「実現できるか分からないけど、これがストーリーです」と言い、「なぜなら、これが唯一のストーリーだから」と続けた。
このカミングアウトのストーリーの承認が下りた時、フィッツマーティンは「2分間、アパートの床に座って、喜びを噛み締めました」と振り返った。
アメコミでは近年、デッドプールがパンセクシャル(全性愛者)であることが明かされたり、レズビアンのヒーローが描かれたりと、LGBTQ+のキャラクターが大きな注目を浴びている。時代とともに大きな変化を遂げているLGBTQ+の描かれ方。この多様化が、現実世界でも広がることを願う。