CULTURE | 2021/07/13

NFTアートの売買を行うマーケットプレイスとは何か?【連載】NFTが起こすデジタル・アートの流通革命(3)

NFTが広まってきていることで、NFTアート等を売買するマーケットプレイスも続々とオープンしています。
例えば、GMO...

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NFTが広まってきていることで、NFTアート等を売買するマーケットプレイスも続々とオープンしています。

例えば、GMOインターネットグループは、「Adam by GMO」というマーケットプレイスを8月にベータ運営開始しますし、Dali株式会社は、現物のブランド品と交換可能なNFTを販売するマーケットプレイス「Dali」を間もなくローンチします。

NFT作品を売買するマーケットプレイスは、暗号資産(仮想通貨)での売買になるので、通常のショッピングモールやオークションサイトとは少し勝手が違います。そういうNFTならではの仕組みと、主要なNFTマーケットプレイスの特徴について見てみましょう。

足立 明穂

ITトレンド・ウォッチャー、キンドル作家

シリコンバレーで黎明期のインターネットに触れ、世界が変わることを確信。帰国後は、ITベンチャー企業を転々とする。また、官庁関係の仕事に関わることも多く、P2Pの産学官共同研究プロジェクトでは事務局でとりまとめも経験。キンドル出版で著述や、PodcastでITの最新情報を発信しつつ、セミナー講師、企業研修、ITコンサル業務などをおこなうフリーランス。

NFTアートの売買では、暗号資産が必要

NFTアートを購入しようとしても、クレジットカードや銀行振込では購入できません。多くはイーサリアムという暗号資産のブロックチェーンを利用していることもあって、イーサリアムでの売買となります。そのために、最初にやるべきことは、コインチェックやビットフライヤーといった暗号資産取引所でイーサリアムを購入しなければなりません。

購入するには、本人確認のために身分証明の写真を提出するなど、いろいろと手続きがあるのですが、無事、それらを経て、10万円分のイーサリアムを手に入れたとして、次にやるべきことは、ウェブウォレットの設定です。

ウェブウォレットはブラウザから利用できる暗号資産の財布なので、取引所から暗号資産を一旦、ウェブウォレットに移し、マーケットプレイスのサイトで支払いを行います。いわば、銀行からお金をおろして、電子マネーにチャージし、コンビニで買い物するのと同じです。

肝心のNFTですが、これはブロックチェーン上に作られるトークンなので、これを購入すると、ウェブウォレットの一つ、MetaMask(メタマスク)に入ってきます。逆に、持っているNFTをマーケットプレイスに出品する場合も、一旦、MetaMaskを経由して、マーケットプレイスに出品します。

ウェブウォレットの代表的なものはMetaMaskで、ほとんどのマーケットプレイスでは、MetaMaskと連携して使えるようになっています。NFTアートに関わるのであれば、MetaMaskの名前は憶えておきましょう。

アート作品を出品する場合、デジタル作品のデータはどこに?

リアルのアート作品で考えると、販売しようとするなら、展示会で販売する、オークションに出品して販売する、美術品を扱っている業者に買い取ってもらうといった方法になります。同じように、デジタル・アートの場合でも、デジタル作品のデータを、マーケットプレイスに送ります。そのデータが、オリジナル作品として登録されます。

そのオリジナル・データがマーケットプライスに置いてあるので、『そのマーケットプレイスに置かれている』ということがNFTで証明されているのです。そして、デジタル・データがそこに置かれて、NFTのトークンだけがやりとりされている状態になります。

もちろん、「これが、オリジナル・データだよ!」といって、販売することもできますが、それが、本当にオリジナルなのかどうかということは、言った人の言葉を信じるしかありません。NTFマーケットに預けることで、どこにあるデジタル・データがオリジナルなのかが誰の目にも明らかになるのです(ただし、問題点がないわけではありません。これについては、次回に説明したいと思います)。

次ページ:主なNFTマーケットプレイスの特徴

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