EVENT | 2021/03/24

私たちの購買行動はコントロールされている!より多くの買い物をさせる29の心理テクニック

文:ヤジマミユキ 
「あの時、なぜこんなものにお金を払ってしまったんだろう」という、買い物後の何とも言えない...

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文:ヤジマミユキ 

「あの時、なぜこんなものにお金を払ってしまったんだろう」という、買い物後の何とも言えない後悔。金融情報サイト『CreditDonkey.com』で行った最近の調査によると、何かを購入して罪悪感を覚えたことがない人はわずか5%しかいないという。

ただ、衝動買いしてしまう原因は、必ずしも消費者にあるわけではない。なぜなら、私たちは常に、購買意識をより駆り立てられるような広告やマーケティング手法にさらされているからだ。つい買ってしまうのは、ある意味、当然のことともいえる。

米国の金融会社『TITLE MAX』は、実際にマーケターが消費者に仕掛けている「より多くの買い物をさせる29の心理テクニック」を公開した。あなたは普段どれだけ影響を受けているだろうか?

ポップコーンSサイズ4ドル、Mサイズ8ドル、Lサイズ8.5ドル 。どれを買う?

1.左の桁を1つ減らす
3ドルよりも、2.99ドルのほうがはるかに少ないように感じる。

2.音節の少ない数字を選ぶ
声に出した時、短い価格が安いと感じる。(27.82ドルよりも28.16ドルなど)

3. 価格表示のカンマを削除する
価格表示のカンマを取ると価格が低く見える。(1,699ドルではなく、1699ドルにする)

4. グルーエン効果
人は迷路のような広く複雑な構造の店内を見て回っていると、脳が混乱して衝動買いをしてしまう。

5. 触れる、真似をする
女性がそっと触れると、男女問わず安心してお金を使うようになる。また、販売員が客のジェスチャーを真似すると、客は購入する確率が高くなる。

6.「少量、少なさ」に関連する言葉を使う
「高性能」よりも、「低メンテナンス」といった説明のほうが消費者にとって魅力的。

7.一括払いではなく、分割払いで価格を表示
合計価格を知っていたとしても、潜在的に低い価格のほうに意識を固定される傾向がある。

8. 一日の最小単位にする
1日あたりいくらにする(またはコーヒー一杯と比較する)と、価格に違和感を覚えない。

9.偶数・奇数の価格にする
価格が整数の部分が偶数で、小数点以下が奇数で終わるものを選ぶ傾向がある。(4.97ドルなど)

10.セール価格の視覚的な対比
元の価格の高さを大胆に強調すると、セール価格がより魅力的に見える。

11.緊急性への誤った感覚
「限定」「最安値」「残り数席」といった表現は緊迫感を生み出し、購入の際の慎重な判断を鈍らせる。

12.支払いへの苦痛を取り除く
Uber Taxiのように、サービスを受ける前に価格の透明性が確保されていると、メーターの上がる通常のタクシーより、支払う際の苦痛が少なくなる。

13.割引の大きさを最大限にアピール
割引表示に、できるだけ大きな数字を使う。(「50ドルから10ドル引き」ではなく、「50ドルの20%オフ」など)

14.ドル記号『$』を使わない
メニューの価格表示にドル記号を使わない方が、より多くのお金を使うようになる。

15.段階的に割引を減らしていく
1日目は30%、2日目は20%など、割引率が徐々に少なくなっていると「チャンスを逃すかもしれない」という不安から購入するようになる。

16.懐かしさという要素
懐かしさはお金の価値を下げ、払いたいという気持ちにさせる。

17. 男性向けに赤い価格表示を使う
男性は、価格が赤で表示されていると、商品を購入する可能性が高くなる。

18.お金よりも、時間に焦点を当てる
人は感情的であり人生を楽しみたいと考えるので、「当社の製品は安い」より「当社の製品が好きになる」のほうが効果的。

19. 製品の製造にコストがかかっているように見せる
「おいしいコーヒー」よりも「100%オーガニックのコーヒー」といったように最高級の原材料を使ってコストがかかっているように見せると、お金を使うことに抵抗がなくなる。

20. すぐに値下げする
「小売価格 139.99ドル/当店の価格 49.99ドル」など、小売店では可能な限りすぐに価格を下げている。

21.おとりの価格設定
たとえば、ポップコーンのSサイズが4ドル、Mサイズが8ドル、Lサイズが8.5ドルだと、0.5ドルの差であれば多くの人はLを選ぶ。この場合、MサイズはLの売り上げを上げるためのおとりになっている。

22.穏やかでゆっくりとした音楽
早い音楽をかけるより、静かで落ち着いたゆっくりとした音楽がほうが店内の滞在時間が長くなる。

23.無関係であっても、消費者をより高い価格にさらす
遊歩道でCDを販売しているすぐ近くで、30分ごとにシャツの価格を10ドルと80ドルに変更する実験を行ったところ、シャツが80ドルだった時に、人はCDにより多くのお金をかけていた。

24.明るくカラフルな入り口
カラフルで明るい入り口にすると、気分も明るくなり消費意欲を高める。

25.独占権を提供する
自尊心を刺激するために「メンバーシップには特権がある」など、一部の人だけが独占できる権利を示す。

26. ほとんどの人が買わない高価なメニューを表示
例えば50ドルの料理をメニューに載せると、他の料理で30ドルを出しても高いものに比べて妥当だと思える。

27.一つ購入すると一つ無料
このキャンペーンは人に定価で何かを買わせ、さらに意図した以上にお金を使わせる効果がある。

28.社会的な証明
レビューやお客様の声などを使用すると信頼感が得られる。人は、他の人がやっていることには積極的に参加する。

29.主要なものは後方に置く
生活必需日などは店の奥に置き、他のものを見ながら通らないとたどり着けないようにする。

29 Psychological Pricing Tricks and Tactics Used to Make People Buy More – TitleMax.com – Infographic
Created by TitleMax.com

日頃何気なく目にしている価格表示や商品説明、店内レイアウトにも、綿密に調査されたマーケティング戦術が反映されているようだ。その効果で、潜在的に私たちの感情に働きかけ、無意識のままに購入を促されていると考えると、少々恐ろしい気持ちになる。後悔のない買い物をするためにも、これらの心理テクニックをあらかじめ知っておき、購入の際には冷静な判断ができるようにしておきたいものだ。