LIFE STYLE | 2020/12/28

コロナ禍で母親が仕事を失いホームレスに。8歳息子、植物販売のビジネスを始め困窮した一家を救う

文:滝水瞳
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界経済が急速に悪化している。中でもアメリカは非常に深刻で、失業率は今...

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文:滝水瞳

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界経済が急速に悪化している。中でもアメリカは非常に深刻で、失業率は今年4月に統計開始以降最悪となる14.7%を記録。以降改善しつつあるものの、先月の失業率は6.7%と回復は鈍化している。

そんな中、仕事を失った家族のため立ち上がった1人の少年が大きな話題になっている。

きっかけは、「お菓子が食べたい!」

米国ロサンゼルス東部に住む8歳のアーロン・モレノ君の母親パチェコさんは、新型コロナウイルスの影響で突如2つの仕事を失った。シングルマザーであるパチェコさんは、アーロン君と2歳の妹アラニーちゃんを連れてホームレスのための宿泊施設を転々とした末、小さな小屋での寝泊まりが始まった。パチェコさんは寝ているアーロン君たちが起きないよう、夜は涙をこらえる日々が続いたという。

地元では3月に外出禁止令が発令され、3人は自宅に引きこもることに。『MY MODERN MET』によれば、アイスクリームの販売車が毎日のように小屋の前を通り過ぎ、アーロン君は苦しいほどの誘惑に駆られていたという。特に食べたかったのは大好物のスナック菓子のチートス。しかしここで指をくわえて販売車を見送っているだけのアーロン君ではなかった。多肉植物の販売というビジネスアイデアを考え出した。アーロン君は一家が持っていたわずか12ドルの資金を元手に多肉植物を買い、それを近所の人に販売し、利益を上げたのだった。

アーロン君の野心はとどまることを知らない。パチェコさんが「手押し車が得られれば、近所で販売できる」などと目標を思い描いていた頃、すでにアーロン君はInstagramに『Aaron’s Garden(アーロンの庭)』というアカウントを立ち上げ、多くの植物の販売を開始した。さらにアーロン君は、他社の通販サイトで売られている植物よりも値を下げて販売。価格競争にも果敢に挑戦した。さらに、自分で選んだ鉢に入れるなど個性も発揮。「幸せが届きますように」と、植物に込めた優しい思いも忘れていなかった。

そんなアイデアが功を奏し、Instagramには「一鉢欲しいです」「興味があります」というコメントが続々と寄せられるまでに。以来、パチェコさんはアーロン君と毎朝6時に起床し、花市場に出向いて植物を買い求める生活が始まった。

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