CULTURE | 2020/11/20

首都高149キロ大暴走の現役プロ野球選手、引き金となった同乗先輩の指示とは?裁判レポート完結編【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(19)

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月曜日から金曜日の9時~5時で、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。パチスロもすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。

検察官の意地悪な質問にモゴモゴ

今回は、西武ライオンズのプロ野球選手O被告人が今年4月12日、首都高速道路を149kmで走行し、道路交通法違反に問われた裁判の後半戦。前回の被告人質問では千葉県にあるゴルフ場に向かう際、練習時間を確保するため、同乗していた先輩のPさんの指示に従い、スピードを出したことが明らかに。車にあるオービスの場所を教えてくれるレーダー探知機も何の役割かわかっていなかったようです。早速、その続きから。

検察官からの質問になります。

検察官「取調では、制限速度の標識に気づかなかったと」
O被告人「はい」
検察官「それはなぜですか?」
O被告人「自分の中で高速道路は80キロか100キロと決めつけて見落としていました」

決めつけたとしても目に入って来るもんじゃないかとは、思うけど、O被告人の中では100キロ制限という認識だったようです。すると、検察官としては新たな疑問が生まれたみたいで、

検察官「ん?ってことは、首都高に入ってから100キロは出てたの?」
O被告人「はい。ま、80キロとか」

現場付近の149キロほどのスピードではないものの、ずーっと法定速度を超えて走っていたということになりますね。

検察官「で、Pさんから急いで欲しいと言われたのはどこですか?」
O被告人「乗って少ししてから」
検察官「首都高に入る前?」
O「いや、入ってから」

検察官「取り調べでは、カーブから直線に入って加速したと。何キロくらいでした?」

O被告人「130キロくらいだと思います」
検察官「ゴルフの練習時間を確保するために急いでと言われた、と」
O被告人「はい」
検察官「Pさんが、過去にスピード違反で処分受けたことあるのは?」
O被告人「? それは知らないです」

と、この場で裁かれているわけでもない同乗者の過去が暴かれることに。検察官としてはまとめて印象を悪くしようって感じですかね。

検察官「もし発覚したら処罰、あと、球団からの処分があるとは思いませんでした?」
O被告人「思ってました」
検察官「じゃあ、見つからなければいいと思ってたんですか?」
O被告人「いや、見つからなければいいという気持ちはなかったですけど」
検察官「Pさんの言葉を信じたのは見つからなければと思ったからじゃないんですか?」
O被告人「ん…見つからなければって…そうなってしまう…」

と、言葉尻があいまいにモゴモゴと返答。これもちょっと検察官の質問が意地悪なところですよね。オービスがないって言葉を信用したんだから、見つからなければいいと思ったんじゃなくて、見つからないと思ったってことでしょう。バレなきゃいいやってのと、バレないと思ったってのは、ちょっとニュアンスが違いますよね。

検察官「もしトンネルで事故起こすとどうなります?」
O被告人「助けが遅れたり、渋滞になったり、火災が発生したり…」
検察官「それは考えなかった?」
O被告人「そこまで深くは考えなかったです」
検察官「球団に迷惑かけるとは考えなかった?」
O被告人「考えはしました」

そっちは心配してたようです。

検察官「じゃあ、なぜスピード違反したんですか?」
O被告人「急いでたってのが、一番の理由です」
検察官「急いでたのは、ゴルフの練習ですよね! 球団への迷惑とどっちが大事なんですか?」
O被告人「そうなんですけど…、その時は早く着いて練習したいという話に乗ってしまって」
検察官「Pさんはあなたの先輩ですよね。そういうことを言った先輩に、『間違ってますよ』とか言いづらい雰囲気があるんですか?」
O被告人「言いやすくは…ないです…」

イメージだけど、スポーツ界って上下関係厳しそうだもんなぁ。他の業種でも、なかなか言いにくいかもしれませんね。ましてや、車の中で2人きりで、その後ゴルフコースを回るんだから、雰囲気悪くしたくないですしね。だからと言って、149キロ出してもいい訳じゃないけど。

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