LIFE STYLE | 2020/03/18

ダウン症夫婦が結婚25周年を迎える。おもちゃの指輪でプロポーズして以来、見つけた愛のカタチ

文:小林ペコオ
およそ1000人に1人の割合で誕生すると言われるダウン症。特別な才能を持っている人が多い反面、コミュニ...

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文:小林ペコオ

およそ1000人に1人の割合で誕生すると言われるダウン症。特別な才能を持っている人が多い反面、コミュニケーション不全や合併症を抱えていたりと、生活に困難を伴うケースも多い。

そんな中、イギリスのダウン症の夫婦が結婚25周年を迎えることになり、注目を集めている。

ダウン症の夫婦として最長を記録

イギリスの東部に位置するエセックス出身のマリアンヌ・ピリングさん(48歳)とトミー・ピリングさん(62歳)夫妻は、共にダウン症でありながら、25年前に結婚した。二人が長い時間を共に生き続けてきたことを祝って、今年7月に結婚25周年パーティーを計画中だ。

マリアンヌさんの妹であり、夫婦をサポートするリンダさんは、『The SUN』の取材に「私たちの知る限り、彼らはダウン症の夫婦として最も長く続いています」「彼らがまだ独立して生きており、一緒にうまくやっているという事実は、驚くべきことです」と語った。しかし、現在トミーさんは認知症を患っており、ここ数年は苦難に直面したことで、マリアンヌさんが動揺することも多かったという。

SNSに溢れる祝福の声

マリアンヌさんとトミーさんの出会いは30年以上前。1年半の交際を経て、トミーさんはマリアンヌさんに求婚した。その時、トミーさんが用意した指輪は、なんとガチャガチャのおもちゃの指輪だった。マリアンヌさんは驚きながらも、すぐに承諾した。

リンダさんによれば、マリアンヌさんはトミーさんに会う前の人生を覚えていないという。トミーさんとの出会いは彼女にとって、それほど大きなものだったようだ。「彼女が彼に会った日、彼女は最高の笑顔を浮かべていたの。そして彼女は彼についてずっと話していました」とリンダさんは当時の様子を語る。

そうして二人は結婚式を挙げた。それはマリアンヌさんにとって、「人生で最高の日」であり、大きな結婚式をあげたいと幼い頃から夢見ていた彼女の夢が叶った瞬間でもあった。

「彼らの関係は常に愛に満ちたものでした」とリンダさんが言うように、二人は特別な信頼関係で結ばれている。結婚25年を迎えることを特別なことを成し遂げたとは思っていないようだが、常に寄り添い助け合ってきた二人の姿は我々に愛する素晴らしさや平等の心を教えてくれる。SNS上でも祝福の声がたくさん寄せられている。

「私と夫はケンカをしたことがありません。私は彼を愛しています。彼は私の親友です」とマリアンヌさん。この先も多くの苦難が待ち受けるかもしれない。しかし、2人がこの先もずっと一緒に、そして幸せに過ごせることを願わずにいられない。