LIFE STYLE | 2020/03/12

新型コロナウイルスの拡散状況を追跡する「ncov2019.live」。数百万人利用のサイトを17歳少年が開発

文:coolpolaris
新型コロナウイルスが猛威を奮い、日本はもちろん世界を恐怖に陥れている。
そんな中、新型コ...

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文:coolpolaris

新型コロナウイルスが猛威を奮い、日本はもちろん世界を恐怖に陥れている。

そんな中、新型コロナウイルスの拡散状況や回復者数を確認できるサイト「ncov2019.live」が立ち上げられ、全世界で数百万人に利用されている。驚くべきことに、このサイトを開発したのはアメリカの17歳の高校生だ。

データの信憑性を追求

「ncov2019.live」を作ったのは、米国ワシントン州マーサーアイランドに通う高校生のアビ・シフマン君。独学でプログラミングを学ぶシフマン君が、新型コロナウィルスについて数多く出回っている情報をひとつにまとめようと考え、昨年12月に公開した。

「ncov2019.live」には、主要な国で確認された感染者数、死亡者数、回復者数、重傷者数などが表示されている。データは10分ごとに更新され、新しい機能も随時追加されている。

『TODAY』によると、シフマン君がこだわったのが、データの信憑性だ。正確な情報を得るために、地域の保健局などさまざまな情報源からデータを集め、それらを世界保健機関 (WHO) や米疾病管理予防センター (CDC) のデータと照合する。読者から間違いが指摘されれば対応も行っている。

毎日6時間を費やしサイト改善

地元の高校に通いながら、ベルビュー大学でも単位を取得し、ハッカソンにも参加するシフマン君。「何かとても大きなものを作る」と意気込んでいたが、苦労もあると言う。

「ストレスが溜まることもあります。少し前に大規模なバグがあって感染数が2倍になったときは、何百ものメッセージが届きました」と、『The Seattle Times』の取材に答えている。

シフマン君は今でも毎日6時間程度を費やし、サイトを改善を怠っていない。増えていく感染者数を伝えるだけではなく、回復者数を表示し始めたのもその一例だ。暗い情報だけではなく、収束への明るい兆しも発信するためだという。さらに今後は、ワクチン開発の追跡調査なども行うとのこと。この前向きな姿勢に、継続を支援する寄付の輪も拡がり始めた。

世界の準備不足に警鐘を鳴らす

シフマン君がこの作業を通じて痛感したのが、世界中がこの規模の流行に対して、準備ができていないことだ。中国では10日以内に病院を建て、日本では全国一斉に休校としたが、いずれも起きたことへの対処でしかない。こうしたパンデミックに対する準備を、事前にしておくべきだと忠告する。シフマン君はこの他にも、オーストラリアの火災やエボラ出血熱のような悲劇にも、テクノロジーを活かしたいと強く望んでいる。

新型コロナウイルスの拡大初期のプリンセスダイヤモンド号問題は、対策ルールやマニュアルが無い日本政府のおそまつな対応に、世界中がバッシングをした。一方、いざ自国で拡がり始めると、各国そろって日本同様の慌てぶりだ。今回のパンデミックを教訓に、いつ起こるかわからない天変地異や災害への対策や準備、システムの構築を、世界中が連携して早期に実現してほしい。