文：岩見旦
誰もが病気やケガ、事故などに遭遇し、ピンチに陥る可能性がある。そんな時こそ、救いの手を差し伸べてほしいと思うだろう。
米国テネシー州の小学校に通う3年生のダニエル・ハント君（8歳）は9月21日、自宅が火事に遭った。そんなハント君に行われた心温まるサプライズが、SNS上で多くの感動を呼んでいる。
クラスメイトを励ますサプライズ
ダニエル君は火事で家が燃えてしまい、すべてのおもちゃを失ってしまった。そんなダニエル君を励ますため、小学校のクラスメイトと先生は、あるサプライズを計画した。それはダニエル君におもちゃをプレゼントするというもの。
小学校のスクールカウンセラーのケリー・ジョーンズさんは『TODAY Parents』の取材に「子どもたちがダニエル君のためにサプライズをするのを待ちきれない様子でした」と語っている。
それから1週間、クラスメイトはこれ以上無いほど、ダニエル君に愛情を注いだ。彼らはダニエル君のためにドアを持ち、毎朝鉛筆を用意し、机からイスを引き、休憩中はダニエル君を囲んだ。もちろん、おもちゃを貯めていることは隠しながら。
サプライズ成功でクラスメイトとハグ
1週間後のサプライズ当日、クラスメイトは机の上にピカチュウのぬいぐるみ、ボードゲーム、ミニカー、フットボール用品を準備して、ダニエル君が教室に入ってくるのを待っていた。ダニエル君が登場すると、クラスメイトは「サプライズ！」と大声で迎え入れた。
突然のことに言葉を失うダニエル君。そしてすぐに状況を飲み込んだダニエル君は「ありがとう。みんな来て」と、両手を広げてハグをした。「この様子を見ていたすべての大人、そしてクラスメイトさえも、涙で目を腫らしていました」とジョーンズさん。「3年生の心からの純粋な愛と贈り物を見ることができ、非常に感激しています」と付け加えた。
幸せな気持ちに満ちたダニエル君は自宅への下校中、祖母のマーシャ・ハントさんに「喜びでお腹が一杯だ」と話し、涙していたという。そして「ダニエルは大きいおもちゃも小さいおもちゃもすべて大好きです。ありがとう」と感謝の想いをFacebookに投稿した。
ダニエル君は、プレゼント以上にクラスメイトからの愛情に心打たれたのだろう。それは学校で学べるどんな勉強よりも、彼の成長につながったに違いない。